オプショナルツアーとは?着物体験やスキーなどコト消費をアピールすれば、地方を訪れるきっかけとなる

訪日外国人の旅行といえば、まだまだ「買い物が中心」と考えている方が多いのではないでしょうか。

近年はオプショナルツアーという、短時間から参加できるアクティビティや観光が人気を集めています。魅力はツアー客であっても、自由行動の空いた時間に参加できることです。

訪日外国人は着物を着たり温泉に入ったりする日本文化の体験から、ニセコでのスキーや富士山への登山といったアクティビティまで、幅広いオプショナルツアーに参加しています。

とはいえ「有名な観光地でなければ、オプショナルツアーで訪日外国人を呼び込むことは難しいのでは」と疑問に思いますよね。

そこで今回は

  • オプショナルツアーとは
  • オプショナルツアーが訪日外国人に求められている背景
  • 訪日外国人の呼び込みに成功した長野県・白馬村の事例

をご紹介します。なかなか地方でのツアー開催は難しいと思うかもしれません。しかし地元の人にとっては当たり前の光景が、訪日外国人のニーズを満たすこともあります。

まずはこの記事を読んで、オプショナルツアーについてざっくりと理解しましょう。

オプショナルツアーとは自由行動の時間で楽しむ観光やアクティビティ

オプショナルツアーとは、希望者のみが参加する観光やアクティビティのことです。ツアーの自由時間に、追加料金を支払って参加します。

申し込みは、

  • 参加するツアーを提供する旅行会社
  • 旅行先にある現地の旅行会社
  • オプショナルツアー専門会社

からできます。

ツアー客だけでなく、個人旅行者や日本に住んでいる外国人も参加が可能です。

オプショナルツアーの例

オプショナルツアーには、例えば以下のようなものがあります。

【日本文化の体験】

  • 着物を着る
  • 温泉に入る
  • 和太鼓をたたく

 

【アクティビティ】

  • ニセコでスキー
  • 富士山への登山
  • いちご狩り

 

などがあります。数時間の短いものから、宿泊するものまで幅広く用意されています。

ニセコでのスキーに関しては出典:「【インバウンド対策】ニセコにオーストラリア人を集めた方法とは?」で紹介しています。

訪日外国人がオプショナルツアーを求める背景とは?

訪日外国人がオプショナルツアーに申し込む背景には

  1. 個人で旅行をする人が増えたこと
  2. モノ消費からコト消費へ変化していること

があります。次でそれぞれ解説します。

1.個人で日本を旅行する外国人が増えている

訪日外国人の旅行といえば、以前はツアーへの参加が一般的でした。しかし近年、個人旅行を選ぶ観光客が増えています。

実際に個人旅行をする人の割合は、

  • 2012年:60.8%
  • 2017年:75.7%

と、5年間で14.9%も増えています。

出典:観光庁「旅行動態の変化の状況」

個人旅行の魅力は、時間を自由に使えること。旅行中の空いた時間に、数時間のオプショナルツアーへ参加できるのです。

2.訪日外国人の旅行スタイルがモノ消費からコト消費へ変化

オプショナルツアーが人気を集める背景には、旅行スタイルの変化が関係しています。

以前は旅行中に、モノ消費と呼ばれる「買い物」をする訪日外国人がほとんどでした。しかし近年は、コト消費という「日本食や歴史的な建造物の観光などの体験」をする観光客が増えています。

訪日外国人の消費額の内訳も、

【買い物】

  • 2017年1〜3月:38.7%
  • 2018年1〜3月:34.9%

とモノ消費は減少傾向にあり、

【宿泊費】

  • 2017年1〜3月:26.3%
  • 2018年1〜3月:27.9%

【飲食費】

  • 2017年1〜3月:19.8%
  • 2018年1〜3月:20.5%

と、コト消費が少しずつ増加しています。

出典:観光庁「【訪日外国人消費動向調査】2018年1-3月期の調査結果(速報)」

訪日外国人が旅行中にしたことも、

  1. 日本食を食べること:96.1%
  2. 買い物:83.4%
  3. 街歩き:73.3%
  4. 自然や景勝地の観光:66.4%
  5. 温泉入浴:36.7%

と、「飲食」や「温泉」などコト消費の割合が増えています。

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 平成28年 年次報告書」

買い物が83.4%という数字を記録しているように、まだまだコト消費が大きな消費額となっているわけではありません。

しかし先ほどの観光庁のデータでも「宿泊」と「飲食」といったコト消費の割合が、すこしずつ増えています。さらには、モノ消費と絡めたツアーも増加。この参加者が増えれば、コト消費の割合もさらに増えると予想されています。

モノ消費とコト消費を絡めた集客については「コト消費がインバウンド産業に与える影響とは?地方はモノ消費と絡めて集客につなげよう」で紹介しています。

そして実際に、長野県の白馬村がオプショナルツアーで訪日外国人の呼び込みに成功しています。

白馬村の事例:オプショナルツアーで約3万5千人の訪日外国人を呼び込み

長野県にある白馬村では、温泉に入るサルが訪日外国人から人気を集めています。このツアーがきっかけで、約3万5千人のインバウンド客が増加。この成功には、

  1. 交通手段の整備
  2. ツアーの手配に英語で対応

という2つのインバウンド対応がありました。

「地獄谷野猿公苑のスノーモンキー見学バスツアー」で訪日外国人を呼び込み

地獄谷野猿公苑には、ニホンザルの群れが暮らしています。中でも地獄谷温泉に入るサルが有名で、海外で人気を集めていました。

そこで株式会社「地獄谷野猿公苑」は、スノーモンキーを見学する数時間のオプショナルツアーを開催。これが呼び込みにつながり、ツアーに参加した訪日外国人の数は

  • 2014年度:約6万人
  • 2016年度:約9万5千人

と、2年間で約3万5千人も増えています。

出典:THE PAGE「長野「温泉に入る猿」人気で直行バス運行 白馬~志賀高原間」

インバウンド客が増えた理由は、スノーモンキーの見学だけではありません。訪日外国人のストレスを軽減する対応が関係しています。

白馬村がオプショナルツアーで訪日外国人の呼び込みに成功した理由

ツアーへ参加する訪日外国人が増えた理由は、

  1. 交通手段の整備
  2. ツアーの手配に英語で対応

の2つがあります。

この2つの対応は

  • 目的地までの行き方が分かりにくい
  • 英語がなかなか通じない

という、訪日外国人が旅行中に感じるストレスを減らしていたのです。

出典:観光庁「外国人旅行者に対するアンケート調査結果について」

1.直通のバスを用意して地獄谷野猿公苑へのアクセスを簡単にした

もともと白馬村から地獄谷野猿公苑へは、アルピコ交通の特急「白馬長野線」と長電バス「志賀高原線」の乗り継ぎが必要でした。しかし乗り継ぎは、訪日外国人にとってハードルが高く、訪問をやめてしまうには十分な理由でした。

そこでアルピコ交通株式会社と長電バス株式会社は、2018年1月22日より共同で新しい高速バスを運行すると発表。白馬村と、地獄谷野猿公苑のある山ノ内町を結ぶ高速バス「白馬〜志賀高原線」を新たに用意しました。

この高速バスを使うと、乗り換えなしで地獄谷温泉に到着できます。時間が短縮されるわけではありませんが、訪日外国人の「目的地までの行き方が分かりにくい」というストレスを解消しました。

2.英語でツアーの手配ができる

このスノーモンキーの見学ツアーは、宿泊先を通して申し込みできます。

例えば「信州白馬八方温泉しろうま荘」(以下、しろうま荘)。ここでは見学ツアーの代行手配を受け付けており、スタッフは英語での対応も可能。

出典:Japan Travel Bureau Foundation「宿泊の現場から見たインバウンドの現状と課題」

英語で手配できることで、訪日外国人の「英語がなかなか通じない」というストレスを解消。言葉のハードルを下げることで、気軽にオプショナルツアーへ参加するシステムを整えたのです。

このように訪日外国人の不満を解消しつつ、コト消費にもつながるオプショナルツアーを行うことが、地方を訪れるきっかけになるのです。

オプショナルツアーを実施すれば、訪日外国人が地方を訪れるきっかけになる

ここまでをおさらいします。

そもそもオプショナルツアーとは、旅行中に参加できる観光やアクティビティのことです。

訪日外国人向けのツアーには、「着物を着る」「温泉に入る」といった日本文化を体験するものから、「スキー」や「富士山への登山」といったアクティビティまで、幅広く用意されています。

オプショナルツアーが人気を集めている理由は、

  • 個人旅行をする人が増えたこと
  • モノ消費からコト消費へ変化していること

があります。そしてオプショナルツアーが、訪日外国人の地方訪問のきっかけになるとも予想されています。

実際に長野県にある白馬村では、温泉に入るニホンザルを見学するオプショナルツアーを開催しています。このときに、

  1. 交通手段の整備
  2. ツアーの手配に英語で対応

というインバウンド対応を行いました。

すると、2014年度には約6万人だった外国人のツアー参加者が、2016年度には約9万5千人に。訪日外国人のストレスを解消することで、約3万5千人もインバウンド客を増加させたのです。

手配にストレスを感じないオプショナルツアーを用意すれば、訪日外国人が地方を訪れるきっかけとなるはずです。

「英語に自信がない…」というときは、アクティビティ予約サイトを使うと、スムーズに予約の受付ができます。

「インバウンド向けアクティビティ予約サイト7選!訪日外国人の集客につながる工夫とは?」でおすすめのサイトを7つ紹介しています。こちらも合わせてチェックしてみてください。

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