地域(地方)創生の事例3つ。インバウンド対策と絡めることで、人口減少のストップにつながる

「地域創生って、具体的にどんなことをすればいいんだろう…」

と感じている地方自治体の方。

地域創生は“人口減少”や“高齢化”など、日本の課題を解決する手段です。

対策にはいくつかのジャンルがありますが、特に「観光」が実現しやすく効果も期待できます。

というのも、これからインバウンド客が増えることで、地域の交流人口の増加が予想されます。初めての訪問からリピートや移住につなげることで、人口減少ストップが可能に。

そして人口や訪問者が増えることは、地域の小売店など売上アップも期待できます。

とはいえ、具体的に何をすればいいのか、なかなかイメージしにくいですよね。

そこで今回は、

  • 地域創生とは
  • 地域創生の成功事例3つ
  • 地域創生につながるインバウンド対策に必要なこと

を紹介します。「いきなり人口を増やすのは難しい」と感じるかもしれませんが、概要をつかむだけなら簡単です。

まずは地域創生について、大まかに理解しましょう!

地域(地方)創生とは、地方の特徴を活かした持続的な社会を作ること

地域創生とは、「日本の各地域がエリアの特徴を活かしながら、自律的で持続的な社会を作ること」です。2014年9月、第二次安倍政権の政策の1つとして、スタートしました。

この取り組みのねらいは、観光や移住などがブームとして終わるのではなく、継続的に人気が続く仕組みや地域を作ることです。

続いては、取り組みがスタートした背景を解説します。

地域創生の背景:人口減少と高齢化をストップして経済を活性化するため

地域創生に取り組む背景は、「人口減少」と「高齢化」です。

というのも、近年は若者を中心に地方を出ていく人が後を絶ちません。その結果、人口が東京に集中。地方エリアは人口が減り、経済も活性化しにくい状態です。

地域創生のためには、以下の3つが欠かせません。

  • 地方へ人が転入・移住する流れ
  • 地域での就業機会や安定した雇用
  • 若い世代が結婚や出産など、安心してできる生活

これらに取り組むことで、地方エリアに出入りする「交流人口」が増えます。そして地方を訪れたことがきっかけで、移住など「定住人口」の増加につながることも。

その結果、人口減少をくい止めたり、経済を活性させたりすることが期待できます。

地域創生のジャンル一覧

地域創生は、以下のジャンルに分けて実施します。

  1. 仕事作り
  2. 人材の育成
  3. 移住や交流の促進
  4. まちづくり
  5. 農林水産業
  6. 観光

この中でも最も効果的なジャンルが、「観光」。観光が充実してインバウンド客などが増えることで、地域住民との交流も増えます。

その結果、

  • リピーターの増加
  • 小売店やホテルなどの継続的な売上アップ

などが期待できます。

とはいえ、本当に効果があるのか、なかなかイメージしにくいですよね。

そこで続いては、地域創生の事例を紹介します。

地域創生の成功事例:インバウンド対策と合わせた3つの地方自治体

ここからはインバウンド対策と絡めた地域創生の事例として、

  1. 北海道の東川町
  2. 大分県別府市
  3. 瀬戸内海沿岸にある7都道府県

の3つを紹介します。

1.北海道東川町の事例:イベントの開催や観光客の呼び込みで人口が増加

北海道の東川町(ひがしかわちょう)は、1994年頃から人口が7,000人を下回っていました。

また東川町には国道や鉄道がなく、簡単にはアクセスできません。スキーやスノーボードができる環境にもかかわらず、観光客の呼び込みができていませんでした。

そこで観光客を増やすために、以下の取り組みを実施しました。

【東川町国際文化フォーラムの開催】

東川町と交流のある、

  • カナダのキャンモア町
  • ラトビアのルイエナ町

などの行政関係者、観光業者などを招待。互いの意見を交わす会合を実施しました。

【アルペンスノーボード国際大会の開催】

国際大会を実施し、スノーアクティビティ好きのインバウンド客を呼び込みました。さらには大会後に、選手によるスキーやスノーボード教室を開催。

また東川町が地域創生を進める姿に、アウトドアブランド「株式会社モンベル」が感銘を受け、地域創生に協力することに。実店舗として大雪ひがしかわ店が、東川町にオープンしています。

地域創生に取り組んだ結果、人口が8,000人まで回復

上記の取り組みを実施した結果、人口は2014年には8,000人まで回復しています。

出典:事業構想「人口増加のまち東川町 意識改革が地域創生のカギ」

またモンベルのオープンで、スキー客の消費額アップやスタッフの雇用と移住にもつながっています。

2.大分県別府市の事例:留学生を積極的に雇用し、移住者が増加

大分県も、インバウンド対策と絡めた取り組みから人口増加につなげています。

別府市にある立命館アジア太平洋大学(APU)は、約6,000名の学生のうち半分が中国やベトナム、インドネシアからの留学生です。

そして留学生のうち、約15%がイスラム教徒である「ムスリム」。そのため大学では、ムスリムを対象としたインバウンド対策などに取り組んでいます。

その1つとして、ハラル化した「醤油」の開発があります。

ハラル対応の醤油を開発し、留学生の就職を後押し

大学は大分県と協力し、県産品でもある「醤油」のハラル化に取り組んでいます。

ふつうの醤油はアルコールが入っているため、ムスリムはイスラム教の決まりにより口にできません。そこではちみつやカボスを使った醤油を開発し、輸出を目標にプロジェクトをスタート。2017年10月には製品になり、試食会も実施しています。

そして留学生の半分以上は、日本で就職しているのが現状です。留学生は必修として、日本語を2年間学んでいるため、日本語能力が不十分だと感じることはありません。

留学生が日本で就職することで、最終的には移住者の増加にもつながりますよ。

そして企業は外国人を採用することで、当事者目線でのインバウンド対策が可能に。さらなるインバウンド対策の充実と、観光客の呼び込みが期待できます。

3.せとうちDMOの事例:7つの都道府県が民間企業や金融機関と協力

最後に「せとうちDMO」の事例を紹介します。

2016年3月から、以下の7都道府県が広域連携DMOとして、瀬戸内ブランドの確立に取り組んでいます。

【関西】

  • 兵庫県

【中国】

  • 岡山県
  • 広島県
  • 山口県

【四国】

  • 徳島県
  • 香川県
  • 愛媛県

また民間企業や金融機関から、以下が協力しています。

  • 株式会社瀬戸内ブランドコーポレーション
  • 株式会社日本政策投資銀行
  • 各エリアの地方銀行

「DMOって何だろう…」という方は「DMO(Destination Management Organization)とは?地域においてインバウンドを獲得する仕組みを解説」をチェックしてみてください。

次でせとうちDMOの取り組みを、1つ紹介します。

せとうちDMOが約100億円のファンドを設立し、クルーズ事業をスタート

せとうちDMOは観光客を呼び込むために、新たにクルーズ事業を立ち上げています。

銀行など金融機関の協力をもとに、約100億円規模のファンドを設立。宿泊型クルーズ事業として、「guntû(ガンツウ)」をスタートしています。

ガンツウは、瀬戸内海を1〜3泊で周遊するクルーズ船でのツアーです。途中でインバウンド客にも人気の宮島をめぐるなど、ゆったりとした船旅を楽しむことができます。

ホームページは日本語と英語に対応しており、サイトからの予約も可能。インバウンド客の手間を省くことで、申し込みやリピーターになる確率もアップします。

クルーズ観光の事例は、「クルーズ観光のインバウンド課題「消費額アップ」のコツとは。那覇港の事例から学ぶ」で紹介しています。

ここまで事例を3つ紹介しました。

最後に、地域創生の成功に欠かせないことをお伝えしますね。

地域創生の成功事例の共通点:民間企業や他の地方自治体との連携が必要

観光を通して地域創生を実現するためには、

  • 今ある地域の観光資源を活用する
  • 海外からの留学生や外国人スタッフの協力
  • 民間企業との連携

の3つが欠かせません。1つずつ紹介します。

1.今ある地域の観光資源を活用する

先ほど紹介したすべての事例で、もともとある地域の観光資源を活用しています。

  • 北海道東川町:雪などの自然
  • 大分県別府市:県産品の醤油
  • せとうちDMO:宮島などの観光スポット

これらを活用しながら、スノーボードの大会やクルーズ事業の立ち上げなど、新たな事業をスタートしています。

2.海外からの留学生や外国人スタッフの協力

留学生や外国人スタッフに協力してもらうことで、外国人目線でのインバウンド対策が実現します。

例えば大分県の事例では、ムスリムの学生が商品開発に関わっていました。当事者であるムスリムが、口にできない食品などに注意しながら、製品を開発しています。

インバウンド対策は日本人の目線に偏りやすいため、海外からの協力が欠かせません。アンケートなど、簡単なことでも情報収集は可能です。

3.民間企業との連携

せとうちDMOのように、民間企業と連携することで役割分担が可能です。

例えば、

  • 地方自治体:イベントの調整
  • 民間企業:広報

などです。

地方自治体だけではできないことも、民間企業と協力することで実現が可能に。またそれぞれの役割が分散できるため、負担軽減が可能です。

インバウンド対策の幅を広げるためにも、DMOなどを活用してみましょう。

地域創生の事例から対策を学んで、人口減少のストップにつなげよう

ここまでをおさらいします。

地域創生とは、「日本の各地域が特徴を活かした、自律的で持続的な社会を作ること」です。移住や観光を継続的なものにするために、魅力的な地域づくりに取り組みます。

地域創生には、以下の3つが必要です。

  • 地方へ人が訪問・移住する流れ
  • 地域での就業機会や安定した雇用
  • 結婚や出産を安心してできる暮らし

そして地域創生の事例として、以下の3つを紹介しました。

  1. 北海道の東川町
  2. 大分県別府市
  3. 瀬戸内海沿岸にある7都道府県

これらの事例のように成功するには、以下の3つが欠かせません。

  • 今ある地域の観光資源を活用する
  • 海外からの留学生や外国人スタッフの協力
  • 民間企業との連携

地域創生をもとにインバウンド対策をすすめることで、交流人口が増加。リピーターや移住につながり、人口減少のストップや消費額アップが期待できます。

まずは、地域の観光資源を1つ探すところからはじめてみてください。

今回の事例に近いものとして、三重県の伊賀市があります。伊賀市は産学官民と連携することで、インバウンド客の呼び込みに成功している地域です。

詳しくは「「忍びの里伊賀」創生プロジェクトとは?地方インバウンド誘致のカギは、産学官民との連携」をチェックしてみてください。

 

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