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「広島平和記念資料館ってどうしてインバウンド客から人気があるんだろう…」
と感じているインバウンド担当の方。
広島平和記念資料館は、トリップアドバイザーが発表する「旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の観光スポット ランキング 2017」で、第3位にランクインしています。
広島平和記念資料館が行っているインバウンド対策は、多言語化や音声ガイドなど、一見どこでもできるものばかりです。
ゆえに、なぜ広島平和記念資料館が人気を集めているのかは、なかなかわかりにくいですよね。
そこで今回は、
- 広島平和記念資料館とは
- 広島平和記念資料館が外国人の観光客から人気を集める理由
- 博物館や資料館に必要なインバウンド対策
を紹介します。「いきなりインバウンド対策を導入するのは難しい」と感じるかもしれませんが、ポイントをおさえるだけならハードルは高くありません。
まずは広島平和記念資料館について、大まかに概要をつかみましょう。
広島平和記念資料館とは、被爆した広島県の様子を展示する資料館
広島平和記念資料館とは、広島県にある資料館です。「原爆ドーム」や「原爆資料館」とも呼ばれています。
館内では、第二次世界大戦のときに原爆が落とされた広島県の様子を、写真や被害者の遺品などをもとに展示。核兵器の恐ろしさや、平和の大切さを伝えています。
入場料や営業時間は、以下の通りです。
- 入場料:50円
- 営業時間:8:30〜18:00
- 8月のみ19時まで、12〜2月は17時まで
また本館と東館にわかれていますが、本館は2018年現在、一部工事中のため見学できません。2019年の春頃に完成し、再び全館オープンの予定です。
広島平和記念資料館を訪問したインバウンド客の口コミ
トリップアドバイザーにおける広島平和記念資料館のページでは、4.5の評価と6,130件の口コミを集めています。
例えば以下のような口コミがあります。
【オーストラリア人】
原文:We could have spent many more hours here reading, watching, listening to first hand accounts of that ill-feted time now in history. This really should be up the top of the list of things to do in Hiroshima
日本語訳:私たちはここで、悲惨な歴史の説明を読んだり見たり、聞いたりすることに長い時間がかかります。しかしこれは、広島ですることリストのトップにあるべきです。
【ギリシャ人】
原文:Visit the Hiroshima Peace Memorial Museum and you will never doubt the necessity of world wide peace. A truly moving experience. Please behave properly and wear modest clothing. This is not a place for flip-flops and selfies.
日本語訳:広島平和記念館を訪れると、世界平和の必要性を疑うことがなくなります。本当に心が動く経験です。館内では適切な行動や服装を心がけてください。ここはサンダルで訪れたり、セルフィーを撮るための場所ではありません。
ギリシャ人観光客のコメントにあるように、SNSにアップされた広島平和記念資料館の写真は、ほとんど建物のみです。自撮り棒を使って写真を撮る観光客はほとんど見かけません。
広島平和記念資料館の人気とともに、広島市のインバウンド客数も増加
広島平和記念資料館の人気とともに、広島市の観光客の数は以下のように増え続けています。
- 2014年:65万7,000人
- 2015年:102万9,000人
- 2016年:117万6,000人
一方で、広島平和記念資料館のような戦争に関する場所の訪問は“ダークツーリズム”と呼ばれ、避けようとする観光客も少なくありません。
そのため、戦争に関する広島平和記念資料館が上位にランクインしていることを、不思議に感じる方もいるかと思います。
そこで続いては、この資料館が人気を集める理由を解説します。
広島平和記念資料館が外国人観光客から人気を集める4つの理由
広島平和記念資料館が人気を集める理由は、以下の4つです。
- 公式サイトの多言語化
- 多言語対応のできる音声ガイドの用意
- 無料ボランティアによる解説
- ピースツーリズムの提唱とツアーの企画
1つずつ解説しますね。
1.公式サイトの多言語化
広島平和記念資料館の公式サイトは、日本語と英語に対応しています。
言語数は多くありませんが、日本語以外の言語を1つでも用意することで、インバウンド客はスムーズに情報へアクセスできます。
2.16カ国語に対応する音声ガイドの用意
広島平和記念資料館では、16カ国語に対応する音声ガイドを、1台300円で利用できます。
対応言語は英語や中国語だけではありません。フランス語やドイツ語、ヒンディー語、マレー語など、世界各国の言葉に対応しています。
また、音声ガイドと入場料を合わせても350円と格安のため、利用のハードルも高くありません。
3.無料ボランティアによる資料の解説
広島平和記念資料館では、無料ボランティアによる解説を聞くことができます。
ボランティアによる解説ツアーは毎日10:30〜15:30まで開催しており、英語や手話も可能。館内と平和記念公園を移動しながら、1時間から1時間半ほど展示物や歴史について解説してくれます。
4.「ピースツーリズム」の提唱でマイナスイメージを取り除く
先ほど広島平和記念資料館などは“ダークツーリズム”とも呼ばれ、インバウンド客が避けることもあるとお伝えしました。
そこで広島市は、「ピースツーリズム」を提唱しています。ピース(平和)など前向きな印象の言葉を使うことで、“負の遺産”というイメージを“復興”というプラスのイメージに変えようと努めています。
そして、具体的な対策として以下を実施しています。
- 見学ルート(徒歩と自転車)の決定
- スマホを活用した案内の検討
- 被爆者を含む市民との交流の企画
2018年10月には専用サイトが公開予定です。
ここまで、広島平和記念資料館が人気を集める理由をお伝えしました。
最後に、博物館や資料館に必要なインバウンド対策を紹介しますね。
博物館や資料館などに必要な3つのインバウンド対策
広島平和記念資料館のように、博物館や資料館が人気を集めるためには、以下の3つが欠かせません。
- サイトの多言語化
- 音声ガイドによる資料の解説
- ツアーの用意
1つずつ解説しますね。
1.サイトの多言語化で情報収集をスムーズに
サイトを多言語に対応することで、より多くのインバウンド客が自国の言語で情報にアクセスできます。
英語や中国語だけでなく、フランス語やマレー語、インドネシア語など、地域への訪問率が高い国の言語を用意しましょう。
2.音声ガイドによる資料の解説
音声ガイドを用意することで、インバウンド客は自分のペースで解説を聞きながら見学することができます。
広島平和記念資料館の音声ガイドは、16カ国語に対応していました。自国の言語で解説を聞くことで、より理解が深まるはずです。
3.自由時間に参加できるツアーの用意
インバウンド客はFIT(海外個人旅行)が増えているため、ツアーに参加する自由時間があります。そのため見学ツアーなどを用意すると、高い参加率が期待できます。
近年は、ガイドとインバウンド客のマッチングサービスも増加中です。ガイド不足の場合は、サービスでのガイド獲得も検討してみてください。
具体的なサービスとして、「travee(トラビー)」を紹介しています。詳しくは「travee(トラビー)は、日本人ガイドとインバウンド客をつなぐサービス。ガイドの増加が、地方訪問のきっかけに」をチェックしてみてください。
このような方法で、インバウンド客がスムーズに自国の言語で見学できる環境を整えることが集客の第一歩です。
広島平和記念資料館のように、多言語での見学システムを整えてインバウンド客の集客を
今回は、広島平和記念資料館が外国人の観光客から人気を集める理由について、お伝えしました。
人気を集めた理由は、以下の4つです。
- 公式サイトの多言語化
- 多言語対応のできる音声ガイドの用意
- 無料ボランティアによる解説
- ピースツーリズムの提唱とツアーの企画
そして、広島平和記念資料館のような博物館や資料館には、以下のインバウンド対策が欠かせません。
- サイトの多言語化
- 音声ガイドによる資料の解説
- ツアーの用意
このように多言語で見学できる環境を整えることで、インバウンド客の満足度がアップ。さらなる集客につながります。
まずはサイトの多言語化など、できることからはじめてみましょう。
もしも「自分たちで多言語化などすることは難しい…」という民間の施設は、補助金の活用も可能です。東京都が対象の補助金については「東京都が美術館・博物館等の観光施設の国際化支援補助金をスタート。インバウンド対応力の強化へ向けて動きが本格化」で紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。
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