古民家再生でインバウンド需要を取り込む!古民家を活用したインバウンド誘致のトレンドや事例を解説

「古民家の再生はインバウンド誘致に本当に効果があるのかな?」

と思っている方。

近年、インバウンド客の旅行形態は「団体旅行」から「個人旅行」に変化しています。個人旅行を好むインバウンド客は、よりディープな日本文化の体験を望むことが多いです。

そのような背景から古民家は、日本の伝統や文化を宿泊しながら感じることができる施設として、インバウンド客に人気を集めています。

とはいえ、具体的にどれほどのニーズがあり、それに対してどのような取り組みが実施されているのかはわかりにくいですよね。

そこでこの記事では、

  • 地方と古民家に対して高まるインバウンドニーズ
  • JNTOとREVICの連携により、古民家を活用したインバウンド誘致を加速
  • 古民家再生の取り組み事例3つ

の順にお伝えします。

古民家再生によるインバウンド誘致はハードルが高く感じるかもしれませんが、押さえるポイントはそれほど多くありません。

まずはこの記事で、古民家再生によるインバウンド誘致のポイントについて大まかに知りましょう!

地方と古民家に対して高まるインバウンドニーズ

近年、インバウンド客が宿泊先として、積極的に地方や古民家を選ぶケースが増えています。

観光庁が調査した2017年の「訪日外国人の消費動向」によると、日本を訪れたインバウンド客へ「次回の日本観光でしたいこと」を尋ねたところ以下の結果が得られました。

【次回の日本観光でしたいこと】

  • 日本食を食べること:55.4%
  • 四季の体感:29.0%
  • 旅館に宿泊すること:26.0%
  • 日本の歴史・伝統文化体験:25.9%
  • 日本の日常生活体験:21.6%

日本を再び訪れたいと考えているインバウンド客の2割以上が、日本における食や文化、自然、日常の暮らしに興味があると回答しています。

また、2017年に日本政策投資銀行が実施した「アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査」によると、「日本の地方観光地を訪れた際にしたいこと」へのアンケート結果の上位5つは以下の通りでした。

【日本の地方観光地を訪れた際にしたいことトップ5】

  1. 温泉を楽しむ:56%
  2. 自然観光地を訪れる:56%
  3. 郷土料理を食べる:54%
  4. 歴史的な街並みを楽しむ:50%
  5. 歴史的な建造物や遺跡を訪れる:49%

外国人にとって日本への関心は、日本らしい自然や文化、歴史的な建物に集中していることがわかります。

出典:日本政策投資銀行「アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(平成29年版)」https://www.dbj.jp/ja/topics/region/industry/files/0000028801_file2.pdf

古民家が人気を集めている理由は「FIT(個人旅行)」の増加

地方の古民家などが人気を集めている理由の1つが、旅行形態のトレンドが団体旅行から「FIT(個人旅行)」に移っていることです。

観光庁がまとめた「旅行動態の変化の状況」によると、FIT客はここ5年間で約15%増加しました。

【FIT客割合の推移】

  • 2017年:75.7%
  • 2016年:74.0%
  • 2015年:66.5%
  • 2014年:66.8%
  • 2013年:61.6%
  • 2012年:60.8%

FIT客は、日本の伝統や文化に深い関心を持っている人が多いです。そのため有名な観光スポットよりも、ローカルなエリアを選ぶ傾向があります。

【地方部における外国人延べ宿泊者数の推移】

  • 2017年:2,753万人
  • 2016年:2,514万人
  • 2015年:1,575万人
  • 2014年:1,186万人
  • 2013年:855万人
  • 2012年:616万人

FIT客の増加により地方を訪れるインバウンド客が増え、これまで地方に埋もれたままだった古民家に注目が集まっているのです。

出典:観光庁「旅行動態の変化の状況」https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kanko_vision/kankotf_dai16/sankou.pdf

次は、JNTOとREVICの連携ついてお伝えしますね。

JNTOとREVICの連携により、古民家を活用したインバウンド誘致を加速

2017年4月、日本政府観光局(JNTO)と地域経済活性化支援機構(REVIC)が、古民家を活用した地域の活性化モデル構築に向けて連携を発表しました。

JNTOは海外から日本へ観光客を呼び込むための活動をしている国の機関です。また、REVICは地域経済の活性化を図るため、金融機関や地方公共団体などと連携し、中小企業のサポートなどを行う官民出資の会社組織です。

発表では日本の観光事業において「インバウンド客の観光ルートが東京や大阪などの大都市を巡るルートに集中していること」が課題であることを強調。

両組織の連携は、地方創生の観点もふまえて、さまざまな地域にインバウンド客を誘致することを目標としています。

具体的な取り組みとしては、古民家などを活用したインバウンド誘致に関する

  • 海外への情報発信
  • 調査と情報収集

を中心に進めるとともに、地方のインバウンド事業への投資を実施。

  • 古民家リノベーション事業への支援(兵庫県)
  • 有田焼を軸にした新たな観光産業への支援(佐賀県)
  • 未稼働施設を再利用したインバウンド事業への支援(千葉県)

などいくつもの支援が実現しています。

次は、古民家再生の取り組み事例についてお伝えしますね。

古民家再生の取り組み事例3つ

ここでは、古民家再生の取り組み事例として

  1. 「せとうちDMO」による古民家を使ったインバウンド誘致プロジェクト
  2. 「ホームアウェイ」による古民家の民泊事業
  3. 「ワコール」による京都の町屋を活用した宿泊事業

の3つをご紹介します。

1つずつ説明しますね。

1. 「せとうちDMO」による古民家を使ったインバウンド誘致プロジェクト

「せとうちDMO」は2016年、瀬戸内を囲む7県が協力し、瀬戸内全体の観光ブランド化推進を目的につくられた組織です。

せとうちDMOは、歴史的に価値のある瀬戸内の古い建物が次々と壊されている状況を問題視。古民家や古い街並みを観光資源化し、インバウンド誘致を図ろうというプロジェクトをスタートしています。

2021年までに100棟の歴史的な建造物を

  • 宿
  • レストラン
  • カフェ

など、観光に利用できるように再生することでインバウンド客を誘致することが目標です。

2. 「ホームアウェイ」による古民家の民泊事業

「ホームアウェイ」は、2005年にアメリカでスタートした民泊サイトです。世界190ヶ国で200万件以上の登録物件を持ち、家族やグループでお城のレンタルもできるなど、建物単位でラグジュアリーな物件を扱うことで知られています。

ホームアウェイは2018年6月、日本での古民家を活用した民泊を全国展開することを発表しました。同社が世界7ヶ国のユーザー約1,000人を対象に「古民家の利用」に関するアンケートをしたところ、約90%以上が古民家宿泊に興味を持っていることがわかったためです。

今後は古民家の調査を進め、月間4,000万人の利用者に対し、

  • 鑑定済みの古民家
  • 周辺エリアの観光スポット

の紹介を計画しています。

3. 「ワコール」による京都の町屋を活用した宿泊事業

京都市を本拠地とする日本の大手衣料品メーカー「ワコール」は2017年、京町家を活用した宿泊事業への参入を発表しました。

参入の理由は大きく2つです。

  1. 所有者の高齢化に伴う、老朽化した物件や空き家の増加問題への対応
  2. 観光客の増加による、慢性的な宿泊施設の不足の改善

ワコールは今後、歴史的価値のある京町家や古民家を有効利用しつつ、地域の生活環境改善やコミュニティづくりを進めていくとしています。

2018年の春から開業をスタートし、現在

  • 京の温所 岡崎
  • 京の温所 釜座二条

の2店舗がオープン。さらに5年後には50店舗まで拡大させ、他府県への展開も視野に入れているとのことです。

古民家再生は、インバウンドを呼び込む効果的な手段

ここまで、古民家再生によるインバウンド誘致のポイントや事例についてお伝えしました。

おさらいしますと、近年はインバウンド客が宿泊先として、積極的に地方や古民家を選ぶケースが増えています。

その背景にあるのが、「FIT(個人旅行)客」の増加です。

FIT客数は年々増えており、2017年には日本を訪れたインバウンド客のうち75.7%がFIT客でした。FIT客は日本の伝統や文化に深い関心を持っている人が多く、地方を訪れる観光客が増えています。

これまで地方に眠っていた古民家などの歴史的な建物は、インバウンドを誘致するうえで、ニーズにマッチした有効な手段です。

現在、官民一体となった古民家活用が進んでおり、今後も地方の観光資源としてインバウンド誘致に活用するケースが増えるでしょう。

民泊新法とairbnbについて詳しくは、「インバウンド対策としてのairbnb:民泊新法と手続きを知ろう」をご一読ください。

 

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