越境ECで日本製品をリピート購入した中国人は40%!リピート購入する理由とは一体何?

越境ECは海外で販売されている商品をインターネットから注文するだけで自宅に届くしくみで、その手軽さが人気です。越境ECをおこなう事業者も増えてきたので、海外の商品であっても煩雑な手続きをすることなく欲しい商品が手に入るようになりました。

越境ECは世界規模でさかんになっていますが、特に注目したいのが中国の越境ECの動向です。

2017年12月に日本貿易振興機構(JETRO)が発表した「中国の消費者の日本製品等意識調査」というレポートの中で、日本をはじめとする各国の製品、海外旅行、越境 ECについて調査結果をまとめました。

このレポートの中では今後行きたい国として日本が第1位に挙げられており、また越境ECについての質問で日本製品を購入する理由について次のような調査結果が出ました。

また、越境 EC で日本の商品を購入する理由を尋ねたところ、「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」との回答が前回調査の 22.7%から 40.4%に高まり、2 位となった(1 位は「中国では店頭で販売されていない製品だから」(44.4%))。
参考:JETRO, 中国の消費者の日本製品等意識調査
https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/01/871ade1910450456/20170082.pdf
(※調査対象…2017年8月におこなわれたインターネット調査で、20歳~49歳までのミドル・ハイエンド層に相当する月収5,000元以上の社会人で、3大都市(北京市、上海市、広東省広州市)及び内陸部都市(湖北省武漢市、重慶市、四川省成都市)に居住する計1,224人を対象)

中国人が日本製品を購入する理由として、以前旅行へ行ったときに購入して気に入った商品を再度購入していることから、日本製品のリピーターとなっていることがわかりました。

日本製品はなぜ中国人に人気なのでしょうか。

日本製品が中国人に人気の理由

同じくJETROのレポートの中で、越境ECで商品を購入する理由について詳しく示した資料があります。

画像出典:JETRO

画像出典:JETRO

この中で最も多かったのが「中国内では店頭で販売されていない製品だから」が44.4%。その次に「日本に旅行をしたときに購入して気に入った製品だから」が40.4%で、こちらは前年の調査結果より大幅に伸びています。その次が「ニセモノではないから」という中国の問題を反映した結果となっていますが、こちらは前回より下がりました。

では、中国人に人気の製品とは一体何なのでしょうか。こちらのグラフは中国人がどの製品を購入したのかについての内訳です。

画像出典:JETRO

画像出典:JETRO

越境ECで中国人が購入した商品は化粧品・食品・医薬品など、食事や健康・美容に関連するものでした。電気製品の次には健康食品が入っており、健康や美容に結びつくものは人気が高いことがわかりました。

日本製品が人気の理由は高品質の他に税金も関係している?

日本の健康食品や化粧品、医薬品が人気の理由としてもう少し掘り下げて見たいと思います。

中国で日本製品の人気が高い理由は品質や安全性が高いことに起因することもありますが、これに加え中国国内でかかる税制度も関係しています。以下では中国国内でかかる税金について見ていきたいと思います。

日本の消費税にあたる『増値税』

中国では消費税にあたる「増値税」というものがあります。標準税率は17%ですが、モノやサービスによって設定されている率は異なります。食料品など生活に密接に関わる商品には低い税率が適用されています。

高級品や贅沢品などにかかる『消費税』

また消費税も存在しますが、こちらは高級品や贅沢品にかかる消費税です。どのようなものにかかるかというと、酒やタバコ、化粧品など、日常生活を送るに当たって必ずしも必要でないものや健康に害を及ぼす可能性があるものに3~45%の消費税がかかります。

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例えば、タバコでいうと本数と金額で税金の率が変わりますが、50元以上のものは45%、50元以下で40%、化粧品は30%もの税金が課せられます。

中国人が日本へ旅行に訪れた際、百貨店、ドラッグストアなどは免税対応されている店舗が多いことから医薬品、食品、化粧品で大量に買い物する中国人客が多くいます。日本製品は品質が良いものが多いので、これらの店舗で購入した製品が気に入った中国人が自国に帰ってから越境ECサイトで日本製品を購入していると考えるのが自然でしょう。

以上の二つが中国国内で買い物をする際にかかる税金の種類です。

輸入品にかかる『関税』

通常海外からの製品を自国に輸入する場合、関税がかかります。関税は自国産業を保護する観点からどの国でも設定されている間接税です。越境ECにはこの関税は必ずかかります。

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個人の海外購入品と越境ECでも適用される『行郵税』

行郵税は海外からの物品を購入した際にかかる中国独自の税金で、関税とは別のものです。近年越境ECがさかんになってきたことから、一般輸入貨物にかかる税金と越境ECで取引される商品に適用されるコストが低いという不平等さを是正するために法整備が進んでいます。2016年4月8日に新税制度が発表されましたが、急な発表だったため混乱を防ぐため適用は2018年からとなっています。

この行郵税について詳しいことはJETROのウェブサイトに掲載されています。

参考:日本貿易機構、一般貿易に比べ低い税負担を新税制で是正-中国越境ECの税制改正(1)-
https://www.jetro.go.jp/biznews/2016/04/6181f9df4fd460be.html

越境ECを利用する際、消費者の自宅に直送される「直送モデル」を選ぶか、商品を保税区に置き一般的な輸入通関をおこなう「保税区モデル」によってかかるコストやスピードが異なります。

インバウンド・越境ECは中国の消費額が大きい

中国人が日本に観光へ来た際に消費した金額、さらに越境ECで中国人が日本製品を購入した金額はともに1兆円を超えています。

こちらのグラフは越境ECで中国人が日本の商品を購入した金額の推定値です。

画像出典:JETRO

画像出典:JETRO

2016年には1兆円を突破し、2011年と2016年を比較するとその消費額は約10倍もの増加となっています。

そして、こちらは訪日外国人旅行客による2017年の日本での消費金額です。

参考:観光庁、平成29年年間値(速報)及び平成29年10-12月期の調査結果(速報) http://www.mlit.go.jp/common/001217542.pdf

参考:観光庁、平成29年年間値(速報)及び平成29年10-12月期の調査結果(速報)
http://www.mlit.go.jp/common/001217542.pdf

2017年の国・地域別消費金額についての調査では、中国からの訪日旅行客の日本での消費金額は1兆6,946億円とこちらでも非常に高いことがわかります。

越境EC・インバウンド共に消費額は1兆円を超えることから、中国の消費額の大きさが非常に際立っています。

まとめ

中国の越境ECがさかんな理由として「中国国内で購入できない商品であるから」というもっともな理由に次いで、「日本へ訪れて購入した際に気に入った商品であるから」という理由が挙げられていました。
インバウンド効果で多くの中国人が日本へ観光に訪れて、かつ日本製品を気に入ってリピート購入してもらうという流れは日本にとって非常に好ましいことです。インバウンド効果で免税対応の店舗も増えてきたことから、訪日外国人客が買い物しやすい環境になってきたのは良い傾向でしょう。

中国人が越境ECで利用するのはアリババ傘下の「天猫(Tmall)」や「京東(ジンドン)」、「唯品会」といったサイトで、近年はこれらの越境ECサイトに代理出店する便利なサービスもあります。インバウンドで集客をおこなうマーケティングと一緒にオンラインでの出店情報についても情報を与えて売上を伸ばすことも可能でしょう。

中国や他の国向けに独自ECサイトを立ち上げて宣伝をおこなうのも良いかもしれません。日本企業で有名なのはドラッグストアのキリン堂で、天猫国際(Tmall Global)に出店しており業績も好調のようです。

日本製品が中国人に人気だからこそ、インバウンドや越境ECで日本製品をアピールすることができる絶好の機会です。リピーターになってもらえるように効果的なマーケティングで集客につなげることが重要です。

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