インバウンドの地方誘致に成功した3つの事例に学ぶ「コンテンツの掛け合わせ」という戦略

地方を活性化させるためにインバウンド需要を活用しようとしている企業や自治体が多く見られるようになった昨今。2020年に向けて訪日外国人観光客は増えると見込まれており、地方でもムーブメントを起こそうと様々な施策が取り入れられています。インバウンドの地方誘致に成功すれば、消費も拡大し、新たな雇用が生まれ街は活気づきます。

全国で外国人観光客の誘致を行っている今、インバウンド誘致に成功した地方ではどういった施策を行い、どのように観光客を導いているのでしょうか。地方誘致に成功した事例を紐解いてみることで、施策のヒントになるかも知れません。

そこで、この記事ではインバウンド地方誘致に成功した例を3つご紹介します。そこでの事例をもとに、どういったコンテンツをどのように外国人観光客に届けているか、に着目し、それを地元の観光施策にどのように落とし込むか考え、インバウンド需要を成功に導いてもらえればと思います。

「雪」×「歴史」×「食」を武器に都心からのアクセスも良好な長野県

長野県は観光資源が豊富なことから、全体的にインバウンド誘致は比較的進んでいます。その中でもやはりスキーなどのウィンタースポーツが人気です。外国人観光案内所の整備や案内表示の英語対応などもしっかりと整備されているので、外国人にとって安心して旅行の目的地に設定できる場所だと言えます。

オーストラリアや台湾からの訪日外国人からの人気が高いのも特徴で、スキーリゾートしての人気の高さがうかがえます。

ネイティブスピーカーの雇用

1998年の冬季五輪の開催地として広く知られていましたが、現在では国際的に有名な観光地へとその認識をステップアップさせています。現地では、カナダ人やオーストラリア人などの外国人インストラクター採用を積極的に行っていて、訪れた方に手厚いサポートを行っています。

ネイティブスピーカーを雇用することで分かりやすい外国語対応を行うことができ、言語の壁を取り払うことで不安要素をなくし安心して観光を楽しむことができる環境が整っています。また、長野県の公式観光サイトでは、どこを見てほしいかを的確にアピールしています。画像を多用し、訪日外国人観光客にとって視覚的にわかりやすい作りとなっていて、「温泉」「美しい雪」「おいしい食事」「高いホスピタリティ」などの魅力を発信しており、多くの需要を取り込める環境を作っていることが分かります。

観光スポットのインスタ映え

ウィンタースポーツだけでなく、多くの歴史的・文化的スポットにも力が入れられており、「松本城」や「善光寺」なども人気です。食に関しても豊かで、「そば」や「おやき」、「野沢菜」など、日本人にも人気のよく知られた食材がずらりと並びます。

そして「地獄谷野猿公苑」では温泉に入っているサルがインスタ映えするとあって話題を呼んでいます。また、インバウンド客の増加に伴って、ウェブサイトやパンフレットの多言語対応やサイトにおける猿が温泉に入る瞬間のライブ配信など、外国人誘致に力を入れています。

アクセス利便性の高さ

東京からのアクセスは新幹線で2時間から3時間程度。バスも比較的多く本数がでているので、価格を抑えて非日常を体験したいという方にも人気です。交通業界としっかりと連携し利便性を向上させることで、インバウンド誘致に成功しているといえるでしょう。

「行政」×「大自然」×「インターネット」を活かして発信に力を入れる島根県

島根県では行政が積極的に、外国人観光客の受け入れ態勢を整えています。

外国人観光客誘致にかかる費用の補助

たとえば、「外国人観光客誘致事業補助金」という制度。これは外国人観光客誘致にかかる、パンフレット作成や先進地視察、免税店やwi-fiの整備などにかかる費用について助成を受けることができるものです。限度額は20~50万となっていて、補助率は1/2。小さな店舗や中小企業もしっかりと活用できそうです。

外国人観光客送客促進支援補助金(バス助成)

ほかにも「外国人観光客送客促進支援補助金(バス助成)」も行っています。島根県内に宿泊する海外からの団体旅行を支援するもので、台湾、香港、中国及び東南アジアの外国人観光客に向けてツアーを行っている旅行会社に、貸切バス1台につき5万円の助成が行われます。

団体旅行や個人での受け入れに向けたサポート制度

また、「しまね観光案内サイン・ガイドライン」や、お隣の鳥取県と合同で「山陰地域限定特例通訳案内士制度」を取り入れるなどしています。団体旅行を組みたい旅行会社や、個人で外国人の友人の受け入れをする場面などでも、安心してサービスを利用し、訪れてくれた外国人観光客をしっかりともてなすことを可能にしています。

公式ウェブサイトでガイドブック、動画などを配信

そして特筆すべきは「一般社団法人 山陰インバウンド機構」が運営する「山陰インバウンド機構公式サイト 緑の道~山陰~」の公式ウェブサイトでしょう。こちらは山陰地方の観光ガイドメディアですが、日本語・韓国語・中国語(繁体字)・中国語(簡体字)・英語・フランス語・ロシア語・タイ語の8か国語に翻訳され配信されています。ウェブサイトを多言語化することでより多くの訪日外国人観光客に正確な情報を配信することができ、ターゲットにしっかりと期待と安心感を抱かせています。

また、「山陰インバウンド機構公式サイト 緑の道~山陰~」ではWEB上でガイドブックを配信したり、Instagram上で「#Sanin_stagram」とタグをつけて写真を投稿することを呼び掛けるなどしています。島根や鳥取の観光スポットやグルメ情報、歴史、文化などをウェブ上で配信することで誰もが場所・時間を選ばずにガイドブックや、興味のある場所の活きた情報などを入手することができます。

「山陰インバウンド機構公式サイト 緑の道~山陰~」がYouTubeにアップしている動画も人気を博していて、5000件を超える高評価を獲得しています。ドローンを駆使した4K動画の迫力で山陰地方の雄大な自然や食文化やお祭り、伝統産業や歴史的建造物などを言葉を使わず映像と音で表現することによって、世界中の人々にその土地ならではの魅力を余すことなく伝えることに成功しています。

「アート」×「食」×「お遍路」の魅力を丁寧にPRする香川県

香川県がインバウンドや観光で一躍有名になったのは「瀬戸内国際芸術祭2016」がきっかけだったと言って良いでしょう。「瀬戸内国際芸術祭」とは、美しい瀬戸内海の島々を舞台に3年に一度開催される現代アートの祭典で、瀬戸内海に浮かぶ14の島々が会場となっており、開催時期は春・夏・秋の3回。フェリーで島めぐりをしながら、現代アートの数々を楽しむことができるというイベントです。

離島を舞台とした芸術祭とだけあって、フェリーの発着地である香川県・高松を拠点に観光をする訪日外国人観光客が多かったことが、香川県のインバウンド誘致における躍進の要因の一つとなりました。

高まりつつある「お遍路」の人気

また、四国特有の「お遍路」の文化も人気が高まっています。「お遍路」とは弘法大師(空海)の修行した足跡をたどり、四国にある88ヶ所のお寺を巡ります。スペインにもカミーノ・デ・サンティアゴという巡礼がありますが、それをイメージする外国人観光客が多く、その土地の景色や文化をじっくり見て回ることができ、人の優しさに触れられるとあって人気がじわじわと伸びてきています。

「うどん県」としての情報発信も

また、うどん県としても有名な香川では食の文化も人気コンテンツとして国内外に受け入れられています。「うどん県旅ネット」というホームページがインバウンド対応をしっかりと行っており、多言語化はもちろん、分かりやすい写真や、関連する行事・イベントなどをしっかりとPRし、訪日外国人にとって使いやすいサイトに仕上がっているため、インバウンド需要に一役買っています。

こうした「アート」や「日本文化」、「食文化」などに関連する行事を観光周遊ルートとして組み込み、訪日外国人観光客に分かりやすくPRすることで、インバウンド誘致へとつなげることに成功しています。

「掛け合わせ」で独自のコンテンツを生み出し地方誘致を成功させる

これらの事例を見ても分かるように、地方へのインバウンド誘致戦略としては、一つのコンテンツにとらわれず、魅力的な部分を複合的に掛け合わせていくことが有効だと感じます。それによって独自性を生み出し、それぞれの魅力を磨きつつ、滞在者を飽きさせないような観光地づくりをしているのです。

そうして生み出された各コンテンツを丁寧に分かりやすくPRしていることも共通しています。コンテンツの掛け合わせによって魅力的な街づくりをすることは可能です。「我々の街には何もない」と諦めず、インバウンドを成功に導くには、どうすれば外国人観光客に情熱が伝わるかをしっかりと考え抜くことが必要だといえるでしょう。

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