中国人の海外旅行の動向をデータから分析。中国からのインバウンドを獲得するコツとは?

「中国人の旅行動向に関するデータってないのかな…」

と感じているインバウンド担当の方。

中国旅游研究院とCtripが共同で発表している「2017年中国人海外旅行ビックデータ報告」と、途牛旅游网が発表している「途牛《2018上半年中国在线出境旅游消费报告》出炉」が参考になります。

データからは中国人の、

  • 海外旅行をする中国人の数や時期
  • 海外旅行に人気のエリア
  • 旅行している世代

などがわかり、自社のプロモーションに活用できることも少なくありません。

データをもとにしたアプローチで、中国人インバウンド客のさらなる集客、売上アップにつながります。

とはいえ、具体的なデータやインバウンド対策は、なかなかわかりにくいですよね。

そこで今回は、

  • データから見る海外旅行をする中国人の数や時期、準備期間
  • 中国人が選ぶ海外旅行先と日本で人気のスポット
  • 中国人インバウンド客へのプロモーション事例

を紹介します。

「いきなり集客は難しそう…」と感じるかもしれませんが、概要をつかむだけならハードルは高くありません。

まずは海外旅行をする中国人の特徴について、ざっくりと理解しましょう!

「2017年中国人海外旅行ビックデータ報告」から分析する中国人の旅行動向

まずは中国人の旅行動態として、

  • 海外旅行者の推移
  • 海外旅行をする時期
  • 海外旅行をする年代や同行者

を解説します。

データは以下の2つを活用しています。

出典:中国旅游研究院、携程发布「2017出境旅游大数据报告」

出典:途牛旅游网「途牛《2018上半年中国在线出境旅游消费报告》出炉」

【2017〜2018年】中国人の海外旅行者の推移

まず2017年と2018年に、海外旅行をした中国人の数を紹介します。

【2017年】海外旅行をした中国人の数:約1億3,000万人

2017年、海外を旅行した中国人は合計で約1億3,000万人でした。これは前年比から7%の成長であり、総消費額は1,152億9,000ドルを記録しています。

約13億人の人口のうち、10分の1は海外旅行をしている計算になりますね。

【2018年】海外旅行をした中国人の数:約7131万人

2018年の上半期(2018/1~2018/6)に海外にいった中国人は、約7131万人でした。

これは2017年上半期の6203万人に比べて、約15%の成長に。海外旅行者が増加しつつあるとわかります。

中国人が海外旅行をする時期:1〜2月、6月

中国人は毎年1〜2月に訪れる「春節」の時期や、6月にある「端午節」に海外旅行をする人が少なくありません。海外旅行者のうち、これらの時期に旅行をした中国人は以下の通りです。

  • 春節:22%
  • 端午節:18%

特に6月は夏休み前のため、飛行機やホテルが安いことが理由です。

春節について詳しくは「春節とは?2019年の期間や訪日中国人の動きを解説【インバウンド担当者必見】」をご一読ください。

海外旅行をする中国人の年代と同行者:30代で家族と一緒に

海外旅行をする中国人のうち、最も多いのは1980年代に生まれた30代の人です。

  • 50代以上(中年、老年):24%
  • 40代(1970〜1979年生まれ):17%
  • 30代(1980〜1989年生まれ):31%
  • 20代(1990〜1999年生まれ):16%
  • 10代(2000年以降生まれ):12%

30代が多い理由は、次のデータにあるように子連れ旅行が多いからです。

  • 子供:30%
  • 友人や同僚:23%
  • 恋人:21%

また「親」と答えた人も10%存在し、両親を連れての旅行は「親孝行」の1つとして、人気を高めています。

現在は30〜40代が多いですが、沿岸部からは10〜20代の旅行者も少なくありません。そのため今後は、若い海外旅行者が増えると予想されています。

中国人インバウンド客の旅行スタイル:団体がメイン

中国人の旅行スタイルや同行者にも、変化が見られます。

まず旅行スタイルは、以下の通りです。

  • 団体旅行(GIT):44%
  • 個人旅行(FIT):42%
  • 定制游(旅行行程をカスタマイズしたり、専属ガイドを雇ったりするスタイル):14%

まだまだ団体旅行やツアー客の割合が高いものの、FITとして旅行する人も少なくありません。

訪日中国人FITについて詳しくは「訪日中国人FITとは?インバウンド集客における注目のトレンドと事例を解説」をご一読ください。

中国人インバウンド客が旅行にかける準備期間:直前に準備する人も

中国人インバウンド客が旅行にかける準備期間は、以下の通りです。

  • 2ヶ月以上前:30%
  • 1ヶ月前:26%
  • 1週間前:17%
  • 2週間前:15%
  • 前日:12%

2ヶ月以上かけて準備をする人がほとんどですが、1週間前からやっと準備をはじめるという人も。準備期間は減少する傾向があり、直前になって計画を立てる人も少なくありません。

ここまで中国人の旅行動向について、解説しました。

このような旅行スタイルはわかりましたが、旅行先にどこを選んでいるのか、日本は人気があるのかも気になりますよね。

そこで続いては、中国人の旅行先について詳しく解説します。

「2017年中国人海外旅行ビックデータ報告」から分析する海外旅行先の動向

ここでは中国人が選ぶ旅行先として、

  • 中国人が選ぶ海外旅行先
  • 日本を選ぶ中国人の数や理由
  • 中国人インバウンド客から人気がある日本の観光スポット

を紹介します。

【2017年】中国人が選んだ旅行先ランキング

中国人が選ぶ海外旅行の行き先は、以下の通りです。

  • 1位:タイ(20%)
  • 2位:香港、マカオ、台湾(17%)
  • 3位:日本(14%)
  • 同率4位:シンガポール(5%)
  • 同率4位:ベトナム(5%)

こうして見ると、日本を旅行する中国人インバウンド客が、そこまで多くないことがわかります。

また中国人の旅行者の数が1位を占めるエリアと、それぞれの中国人インバウンド客数は、以下の通りです。

カッコの中は、中国人インバウンド客がその国の観光客に占める割合です。

【インバウンド客のうち中国人が1位を占めるエリア】

  • タイ:980万(28%)
  • 日本:735万6,000人(25.6%)
  • 韓国:417万人(31.3%)
  • ベトナム:400万人(31%)
  • インドネシア:205万9,000人(14.95%)

1位のタイと日本の間には、約240万人もの差があります。これはタイが、中国人にとってアライバルビザで渡航できる国だから。一方、中国人が日本を旅行する場合、事前のビザ申請が欠かせません。

データで改めて見ると、日本を訪れる中国人インバウンド客はまだまだ少ないですよね。そのため、伸び代のあるエリアだとも考えられます。

日本を旅行先に選んだ中国人インバウンド客の数や理由

2018年の上半期、日本を旅行した中国人インバウンド客の数は、約405万6,500人でした。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日客数(総数)」

そして日本を旅行する中国人は、

  • 温泉

などに興味があります。

このように訪日中国人の興味は、買い物などの「モノ消費」から温泉や着物を着る、自然を鑑賞するなどの「コト消費」へ変わりつつあります。

【2018年上半期】中国人から人気が高い日本の観光スポット

中国人インバウンド客から、特に人気が高かったスポットは、以下の通りです。

【日本文化に関する場所】

  • 金閣寺
  • 浅草寺
  • 二重橋
  • 明治神宮
  • 清水寺

【自然に関する場所】

  • 大阪城公園
  • 富士山
  • 奈良公園
  • 忍野八海

【その他】

  • USJ

また奈良公園などの観光スポットは、トリップアドバイザーの人気観光地ランキングでも上位に輝いています。

詳しくは「インバウンドに人気の奈良公園。インバウンド獲得に向けて官民一体となった取り組みがスタート」で解説しています。

ここまで中国人の海外旅行先を、データから分析しました。

最後に、これから日本にさらに中国人を呼び込むために、必要なプロモーションを事例で紹介します。

中国人インバウンド客向けのプロモーション事例3選

ここでは事例として、

  • 小売店や飲食店
  • 地方自治体
  • メーカー

の3つにわけて紹介します。

【小売店や飲食店】中国のSNSを使ったプロモーション

WeChatなど、SNSアカウントを所持している中国人は少なくありません。そのためWeChatなどでの企業アカウント開設は、中国人へのアプローチに効果的な方法の1つです。

実際に東急ハンズが2016年からWeChatのアカウント「东急HANDS(WeChat ID TokyuHands)」を開設しました。

春節の時期に合わせて

  • 商品紹介
  • 店舗紹介
  • キャンペーン情報

の発信をスタート。

この影響もあって売上高は、

  • 2016年3月期:957億円
  • 2017年3月期:972億円

と少しずつ増えています。

出典:東急不動産ホールディングス「2017年3月期決算の概要」

SNSが来店のきっかけになり、売上アップが期待できます。

【地方自治体】中国人インフルエンサーを使ったプロモーション

中国人は東京や大阪など首都圏を旅行する人が多く、地方を訪問する人は75%前後と、なかなか集客ができていません。

出典:観光庁「訪日外国人旅行者の訪日回数と消費動向の関係について~ 韓・台・香・中の訪日回数の多いリピーターは1人当たり旅行支出が高い~」

中国人は、口コミやまわりからの評判を気にする傾向が強いです。その特徴を活かして、KOLと呼ばれるインフルエンサーを呼び込み、観光スポットを体験してもらうことも効果的です。

観光の様子を動画やSNSで発信してもらうことで、地方訪問のハードルが下がる可能性があります。

2018年6月に大阪北部地震が発生した際、大阪在住の中国人KOL「林萍(リンピン)さん」が街の様子を発信して、中国人へ安心感を与えたことも。それくらいKOLの影響力は強いです。

林萍(リンピン)さんの事例について詳しくは「【ジャンル別】中国人のKOL10人を紹介。プロモーションを成功に導くポイントも解説します」の後半部分で紹介しています。

【メーカー】越境ECサイトへの出店

メーカーや小売店が受ける、中国人インバウンド客からの売上への影響は、旅行中だけではありません。

買い物をした商品を「日本で買って気に入ったから、帰国後も買いたい」と感じる人が多く、購入には越境ECサイトがよく使われています。

特に「W11シングルデイ」「独身の日」などと呼ばれる中国のセール日(毎年11月11日)は、国内でもビッグイベント。このときに越境ECサイトに出店しておくことで、さらなる売上アップが期待できます。

実際にカルビーが独身の日のセールだけで約31万袋、約2億4,000万円の売上を記録したことも。

そのため越境ECサイトに出店しておくことで、「旅マエ・旅ナカ・旅アト」の3段階にわけた中国人へのアプローチが可能です。

W11シングルデイのセールについて詳しくは「中国のセール日「W11シングルデイ」とは?日本へのインバウンド効果からプロモーション手法まで徹底解説」をご一読ください。

このように中国人インバウンド客は、これからまだまだ増える可能性があります。

自社にあったプロモーションで、さらなる集客や売上アップをねらいましょう。

中国人の旅行動向をデータから分析して、さらなる集客や売上アップを

ここまでをおさらいします。

「2017年中国人海外旅行ビックデータ報告」から、以下をお伝えしました。

  • 海外旅行者の推移:2017年は約1億3,000万人
  • 海外旅行をする時期:春節のある2月や端午節のある6月
  • 海外旅行をする年代や同行者:30代の子連れ旅行や親孝行としてが多い

しかし日本を選ぶ中国人はまだまだ少なく、海外旅行をする中国人のうち14%のみ。まだまだ今後も増える可能性があります。

そこで、訪日中国人の集客に効果的なプロモーションとして、以下の3つをお伝えしました。

  • 小売店や飲食店:SNSアカウントでの情報発信
  • 地方自治体:KOLなどインフルエンサーの協力
  • メーカー:越境ECサイトへの出店

これらを活用することで、まだまだ訪日中国人を呼び込むことは可能です。

また中国人は旅行の予約によくCtripを活用しています。Ctripについて詳しくは「オンライン旅行会社「Ctrip」とは?ホテルや飲食店が知っておくべき5つのサービスを解説」をご一読ください。

 

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