インバウンド担当とは?訪日外国人へ質の高いおもてなしをして、売上アップする方法

ここ数年の訪日外国人の増加によって、企業や小売店では、外国人のお客様への対応が増えています。その状況を見て、インバウンド担当の配置を検討する企業も増えています。

しかし、インバウンド担当といっても何をすればいいのか、なかなか把握しにくいものです。そこで今回は、インバウンド担当の仕事内容や配置するメリット、担当配置によって集客に成功した東急ハンズの事例を解説します。

さらには、インバウンド担当に必要な3つのことや、覚えておきたいインバウンド用語もお伝えします。この記事を読んで、訪日外国人が満足する対応とは何かを理解しましょう。

インバウンド担当が訪日外国人のニーズを満たせば、売り上げアップも

インバウンド担当とは、訪日外国人の集客やアピールを考えて実行する人です。ときには接客などをすることもあります。訪日外国人のニーズを満たすことで、消費をうながすのが目的です。

インバウンド担当は訪日外国人への対応を考えておもてなしする人

インバウンド担当の仕事は、「訪日外国人への対応」です。この対応には、集客から来日したときのおもてなしまでを含んでいます。

そもそもインバウンドは、観光業界では「外国人が訪れてくる旅行」という意味で使用します。

【出典】Orange Operation「インバウンド・アウトバウンドの意味、正しく理解できている?」

そして、この単語から

  • 【インバウンド客】日本を訪れる外国人
  • 【インバウンド対策】訪日外国人を呼び込む方法
  • 【インバウンド対応】訪日外国人へのおもてなし
  • 【インバウンド産業】訪日外国人に関わる業界

といった関連用語が生まれています。

インバウンド担当は、以下の業界で特に必要です。

  • 宿泊
  • 小売
  • 飲食
  • レジャー
  • 交通
  • メーカー

これらはすべて、訪日外国人がよく利用する場所。どうやったら訪日外国人が自社の施設に訪れてくれるのか、購入につながるのか、集客やおもてなしを考えて実行することが必要です。

満足度の高い対応で、リピーターや売り上げアップにつながることも

インバウンド担当を配置することで、リピートや売り上げアップにつながる可能性があります。というのも、担当が訪日外国人のニーズを満たすおもてなしをすれば、旅行への満足度も高まるからです。

まずインバウンド担当は、自社の商品や施設が

  • どこの国から人気なのか
  • どれくらい人気なのか
  • どうして人気なのか

を考えることが必要。需要のある国や購入につながった理由を分析することで、訪日外国人のニーズが見えるはずです。

そして、ニーズを満たす方法やおもてなしが、訪日外国人の旅行でのストレスや不便を解消します。楽しくて満足度の高い旅行になれば、リピーターになるケースも。長期的な顧客になり、売り上げアップも期待できます。

インバウンド市場を理解するために必要な3つの情報

具体的な対応の前に、インバウンド産業の流れや動向を理解しておかなければ、ニーズを知ることはできません。訪日外国人の国籍、旅行スタイル、情報収集の手段は知っておきましょう。

1.インバウンド客の国籍を知ってどんな言語が必要か理解する

訪日外国人は中国、韓国、台湾からの人が中心です。東アジアが上位を占め、その次にアメリカやオーストラリアが続いています。

【出典】JNTO「2016年国籍別 / 目的別 訪日外客数(確定値)」

これらの国は、それぞれ話す言葉が違います。英語だけでなく、自国語でのやり取りができれば、訪日外国人のストレスは減少するはず。中国、韓国、台湾が多いならば中国語や韓国語に対応するなど、国籍から必要な言語を知りましょう。

2.インバウンド客は「モノ消費」よりも「コト消費」に注目している

今までは、買い物や日本製品を目的とする「モノ消費」を楽しむ訪日客がほとんどでした。しかし、近年は「コト消費」へと目的が変化しています。

「コト消費」とは、体験と時間を消費する旅行スタイルのこと。例えば、着物や日本食の体験、スキー、温泉が当てはまります。まだまだ消費額は大きくないものの、訪日外国人の旅行として定着しはじめており、モノ消費につながることも期待できるようです。

【出典】日本政府観光局(JNTO)インバウンド戦略部調査・コンサルティンググループ「訪日外国人旅行者の消費動向とニーズについて-調査結果のまとめと考察-」

訪日外国人の消費動向から、おもてなしや体験の用意に力を入れるべきことが分かります。

3.訪日外国人はインターネットやSNSで旅行先の情報を集める

訪日外国人は、主にインターネットで旅行先や観光地を探します。国ごとに使用するSNSを知ることが、アピール方法の把握につながります。

訪日外国人が旅行先を決めるとき、FacebookやInstagramといったSNSや、個人のブログをヒントにしています。そのため、集客や認知を広げるにはSNSが欠かせません。

しかし、使うサイトやSNSはすべての国で同じではありません。例えば、韓国ではブログ、香港ではSNS、フィリピンでは口コミサイトを使用しています。国に合わせたアピールをすることで、届けたい情報がしっかりと届くはずです。

【出典】日本政府観光局(JNTO)「訪日旅行データハンドブック世界20都市」

このように、インバウンド市場を理解することで、自社が行うべき対応も見えてくるはずです。

次に、実際にインバウンド担当を設けて集客に成功した、東急ハンズの例をご紹介します。

東急ハンズの事例:多言語での実演販売とSNSの活用で訪日中国人へアプローチ

東急ハンズでは、訪日中国人にしぼってアプローチを開始。春節から花見の時期に合わせて、中国語での実演販売とSNSでの情報発信を行いました。

「バイリンガル実演販売」で、商品の魅力をスムーズに伝える

東急ハンズは以前から、熟練販売員による実演販売を行っていました。というのも、あまり広まっていない商品や、既存の商品の新しい使い方を実演によって提案することで、お客様の生活を豊かにできる、と考えているからです。

しかし、日本語では訪日外国人に商品の魅力は伝わりません。そこで、新宿・渋谷・池袋の3店舗で中国語のできるスタッフを配置。日本語と中国語の「バイリンガル実演販売」をすることで、訪日中国人が商品の魅力をスムーズに理解できる環境を整えました。

週に2回、WeChatの配信で商品の魅力を伝える

東急ハンズは商品の魅力を伝えるために、SNSでの発信を強化しています。そして、この春節に合わせて中国のWeChatのアカウントを開設し、週に2回は情報を発信。来日見込み客に向けて、商品紹介やキャンペーン情報を提供しています。

【出典】東急ハンズ「2016 年の春節に向け、訪日外国人への「店頭おもてなし」がさらに進化! 東急ハンズならではのインバウンド施策で、外国人の爆買いを促進~日本初!?ハンズ名物“実演販売”も中国語対応!~」

そして、実際に訪れた訪日中国人には、銀聯カードの使用で5%オフになるサービスを提供。まだまだモノ消費を楽しむ中国人が、買い物をしたくなる導線を作ったのです。

東急ハンズの事例から学ぶインバウンド担当に必要な3つのこと

先ほどの東急ハンズの事例から、以下のことが必要であると分かります。

  • マーケティング知識
  • リソースの確保
  • SNSの活用

東急ハンズにはもともと、訪日中国人が多く来店していました。中国人は、まだまだモノ消費を楽しんでいるインバウンド客です。「中国語が話せるスタッフ」というリソースを確保して商品の魅力を伝えるだけでなく、利用者の多いWeChatで来日見込み客へもアピール。ニーズに基づいたおもてなしや集客方法で、購入につなげることができたのです。

この記事や事例の中で、「JNTO」や「春節」といった聞き慣れない言葉がよく登場しています。これらは、インバウンド担当には欠かせない知識。最後に、インバウンド担当ならば知っておきたい用語をご紹介します。

インバウンド担当なら知っておきたい!5つの用語とは?

インバウンド産業では、業界内でよく使う用語がいくつかあります。ここでは、特に重要な5つをご紹介します。

1.日本政府観光局(JNTO)

日本政府観光局(JNTO)は、訪日外国人の誘致を行う政府機関のこと。Japan National Tourism Organizationを略して、JNTOと呼びます。

JNTOは世界中に海外事務所を設置し、マーケティングやプロモーションを実施しています。また、訪日外国人の国籍や消費動向など、インバウンド市場を知るためのデータも公開。訪日外国人の消費動向を知りたいときに、JNTOのデータが役立ちます。

2.春節

春節とは中国の旧正月です。毎年2月に訪れる春節では、多くの中国人が連休を取得。旅行で来日する人も多く、インバウンド消費が増える時期です。

3.免税

免税とは、その名の通り税金が免除されること。訪日外国人を対象としており、安く買い物できる制度です。免税は、タックスフリーとデューティーフリーの2種類があり、タックスは消費税を、デューティーは関税を免除できます。

免税については、「インバウンド消費を加速させる免税店!タックスフリーとデューティーフリーを正しく理解し、上手に活用しよう」で解説しています。

4.ウェルネスツーリズム

ウェルネスツーリズムとは、健康を目的とした旅行のこと。体験や観光で時間を消費する「コト消費」の1つです。日本はウェルネスツーリズムの資源が多く、温泉や和食、森林が当てはまります。

ウェルネスツーリズムの詳しい解説は、「健康維持が目的のウェルネスツーリズム。資源豊富な日本で、新たなインバウンド対策になるか?」をご覧ください。

5.旅マエ・旅ナカ・旅アト

旅マエ・旅ナカ・旅アトとは、旅行中の行動を「旅行前、旅行中、旅行後」と、3つに分けた言葉です。旅マエは旅行1カ月前、旅ナカは旅行中すべての日程、旅アトは旅行後1カ月のこと。それぞれの段階で、アプローチの方法が異なります。

担当者による満足度の高いおもてなしで、インバウンド客の消費を促そう

ここまでインバウンド担当についてまとめました。

おさらいすると、インバウンド担当とは「訪日外国人への対応を行う人」のこと。この対応には、訪日外国人の集客やアピールから、おもてなしまでを含んでいます。このときに、訪日外国人のニーズを満たす、不満を解消する対応ができれば、リピーターや売り上げアップが期待できます。

そのためには、ニーズの把握が欠かせません。特に、訪日外国人の

  • 国籍
  • 旅行スタイル
  • 情報収集の手段

は知っておきましょう。インバウンド市場の傾向や流れを知っておくことで、自社に求められるおもてなしが分かるはずです。

今回は、事例として東急ハンズを紹介しました。東急ハンズは

  • マーケティング知識
  • リソースの確保
  • SNSの活用

を行ったことで、訪日中国人へのアプローチや集客に成功しています。インバウンド担当ならば知っておきたい用語と合わせて、参考にしてみてください。

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