多言語音声翻訳でインバウンド対策できるアプリや端末まとめ

訪日外国人は増加の一途をたどり、政府は2020年までに訪日客4000万人、2030年には6000万人を目指すことを公表しています。

【出典】(本文)観光ビジョン実現プログラム2017(観光ビジョンの実現に向けたアクション・プログラム2017)

そんな中、課題となるのが多言語対策です。言語に精通した人材が求められる一方で、アプリや端末を使った対策にも注目が集まっています。機械やアプリで言語の対策ができれば、人件費や教育費をおさえることが可能です。とはいえ、どのサービスを使っていいかわからないですよね。

今回の記事では、多言語翻訳に有効なアプリや端末をご紹介します。これを使えば、インバウンドへの対応がぐっと簡単になるはずです。

クラウドサービスを採用したNECの新商品「多言語音声翻訳サービス」

まずご紹介するのは、NECが販売している「多言語音声翻訳サービス」という端末です。

接客業務のための音声翻訳サービスで、外国人との対応が必要になる空港やホテル、百貨店のために開発されました。全国の観光地や駅名などの固有名詞はもちろん、日本特有の文化や表現にも対応しています。

このサービスでは高精度翻訳エンジンを採用し、

  • 日本語
  • 英語
  • 中国語
  • 韓国語

の四カ国語に対応しています。逆翻訳も可能なので、一台で双方向からの会話に対応できます。スマートフォンやタブレット、業務用小型端末など、あらゆるデバイスに対応しているので、いつでも利用できるのが特徴です。手のひらサイズの端末にインストールすれば、首から提げて使うこともできるので、忙しい販売員の方でも利用できます。

クラウドシステムでデータをアップデートできる

「多言語音声翻訳サービス」最大の特徴は、クラウドシステムでデータをアップデートできることです。

会話の内容を記録し、より広範囲な言語に対応できるようになります。観光や百貨店だけでなく、医療や鉄道業界の単語も登録し、新しい固有名詞も取り入れることで汎用性の高いツールになっていくのです。

集まったデータは顧客の好みを反映しているので、マーケティングにも使えます。外国人客がどのような商品を欲しているのかをデータベース上で管理すれば、店舗全体の利益にもつながります。データはNEC社のセキュリティシステムで管理しているので、安全面でも問題はありません。

導入事例:小田急百貨店

NECの多言語音声翻訳サービスを導入している店舗としては、小田急百貨店が代表的です。

同社はスマートフォンアプリの多言語音声翻訳サービスを使った導入実験を行い、外国人客が多いフロアに端末を設置しています。導入前は通訳のみで対応していたので、業務の効率化に成功しました。簡単な会話はこのサービスで対応し、高度な対応が必要とされる顧客に通訳を派遣できるようになったのです。

「多言語音声翻訳サービス」は大型店舗におすすめ

「多言語音声翻訳サービス」はさまざまな端末で利用できるので、用途に分けた使い方ができます。接客などで動くことが多いなら首から提げて使い、カウンターなどで使うなら大型のタブレットで使用もできます。階層によって仕事や顧客が変わる大型店舗におすすめします。

31言語に対応した翻訳アプリ「VoiceTra」

VoiceTra」最大の特徴は、31カ国語という対応言語の多さです。話しかけるだけで翻訳してくれるので、高齢者や子どもでも簡単に利用できます。

このアプリは、AppStore無料アプリ部門で総合1位を獲得しています。通訳はもちろん、文字入力による翻訳にも対応しており、さまざまな場面での活用が期待できます。

高機能なアプリですが、ダウンロードは無料で、課金の必要もありません。iPhone、Androidの両方に対応しているので、ユーザーを選ばない手軽さも魅力です。

導入事例:京急電鉄

京急電鉄は、訪日外国人のお客様向けに「VoiceTra」を泉岳寺駅以外の全駅に導入しました。2018年4月からは試作機を導入し、サービス向上のために「言葉の壁を超えたおもてなし」を目指します。鉄道業界は空港や旅館・ホテル業界と並んで訪日外国人の対応が必要になるので、他社でも導入が進むと予想できます。

導入事例:甲府市

甲府市も病院や市役所などの窓口業務に「VoiceTra」を導入しています。市役所の総合案内や国際結婚の案内に利用しています。同市の取り組みは、公共機関が「VoiceTra」を利用した例として注目されています。行政機関での業務が円滑になれば「VoiceTra」の効果が認められ、他の自治体でも導入されていくでしょう。

「VoiceTra」は交通機関での導入に向いている

「VoiceTra」は無課金で手軽に使えるので、簡単な外国語程度で業務が行える場所に向いています。駅やタクシーなら、そこまで高度な会話は必要にならないので、そういった場面で活躍するはずです。

発話内容を翻訳して再生するパナソニックの「メガホンヤク」

パナソニックが開発したのは、メガホン型の翻訳機です。その名も「メガホンヤク」。日本語を

  • 韓国語
  • 中国語
  • 英語

に翻訳してくれます。片手で持つことができて歩きながらでも使えるので、イベントや空港での誘導に最適な製品です。

操作も簡単で、ボタンを押しながら発話すると、翻訳結果がディスプレイ画面に映しだされます。内容に問題がなければ、再度ボタンを押すことで4カ国語で再生してくれます。

導入事例:成田国際空港

「メガホンヤク」を最初に実用化したのは、成田国際空港です。同空港では英語と日本語による誘導がメインでしたが、アジア圏からの観光客が急増したことをうけて「メガホンヤク」の導入を決めました。緊急時のアナウンスがスムーズになるなど、成果をあげました。

空港内のアナウンスだけでは届かない情報も、メガホンで直接呼びかけることで届けることができます。日常業務での案内だけでなく、緊急時の誘導や災害時に物資を配る際にも使えるのではないかと期待されています。

「メガホンヤク」には業界特有の言い回しを登録してあるので、用途に応じて定型文を切りかえることができるのです。定型文は300パターン登録されており、ワード選択機能によって約1800パターンの文章が使えます。

「メガホンヤク」はイベントでも活躍する

「メガホンヤク」は、空港だけでなくイベントでも活躍するはずです。海外アーティストのコンサートや、多国籍企業が主催する講演などで会場案内に使えるでしょう。

外国人との接客をサポート「対面ホンヤク」

インバウンド対応を求められるのは接客業でも同じです。外国人観光客が増え、旅館やホテルなどでも多言語への対応が課題になっています。そんな現場で役に立つのが、「対面ホンヤク」です。対面ホンヤクは、端末を置いたまま向かいあって会話ができます。

高度な翻訳ができたとしても、お客様の顔を見ながら対応ができなければ、接客業では意味がありません。対面ホンヤクはカウンター越しでの使用を想定しており、スムーズな接客を可能にします。

京都中央郵便局で実用化開始。音声による画像検索機能も

日本郵便の京都中央郵便局では、2017年12月から対面ホンヤクを導入しました。「手ぶら観光サービス」という、手荷物を宿泊施設へ郵送するインバウンド向けのサービスが始まったことを受けての対応です。同製品はカウンターに置いたまま使用でき、日本語、中国語、英語、タイ語、韓国語に翻訳できます。

「対面ホンヤク」には、画像を音声で検索できる機能もついています。単語を発話するだけで関連画像を表示。サービス業では観光地の案内もしなければいけないので、会話だけでは伝わらない情報をやりとりするのに便利です。目的地までの地図も音声だけで案内してくれる優れものです。

「対面ホンヤク」は接客業全般に向いている

「対面ホンヤク」は接客業ならほとんどすべての業種に使えます。飲食店でも注文をとるのに役立つでしょう。これからはあらゆる業種でインバウンド対応が必要になるので、気になる方はすぐにでも導入することをおすすめします。

フュートレックの音声認識システム「vGate」

フュートレックが開発した「vGate」も、優れた多言語音声翻訳サービスです。観光だけでなく、ショッピングや肉体労働の現場など、さまざまな場面で活用できます。業務にあわせた言語データの収集ができるので、業界や職種に応じた使い方が可能です。

言語は

  • 日本語
  • 英語
  • 中国語
  • タイ語
  • 韓国語
  • インドネシア語

の6ヶ国語に対応しています。

導入事例:トヨタ「KIROBO mini」

「vGate」は、トヨタ自動車の「KIROBO mini」に音声認識システムとして導入されています。「KIROBO mini」はコミュニケーションロボットとして開発され、小学校留学プログラムやホームステイプログラムで利用されています。何気ない仕草や表情を読みとり、人間と一緒に成長することが特徴です。

「vGate」をロボット技術に応用すれば、人間との意思疎通をスムーズにして、仕事や日常生活での導入が進むと期待されています。SF漫画のように、ロボットと一緒に生活する未来も遠くないのです。

「vGate」は企業向けテクノロジー

「vGate」は一般のユーザーよりも企業での開発事業に向いている技術です。翻訳機能や外国人をターゲットにした商品を開発している企業は積極的に導入しましょう。

訪日外国人90%の言語をカバー「talkappi」

talkappi(トーカッピ)」は、インバウンド向け接客ツールとして開発されたアプリです。画面をタッチするだけで操作ができ、

  • 英語
  • 中国語
  • タイ語
  • 韓国語

の言語に対応しています。会話内容を印刷することもでき、お客様に紙で渡すことができます。観光の情報を目に見える形でお渡しすれば、顧客満足度が上がること間違いありません。

導入事例:草津温泉「Hotel Village」

AIを利用した「talkappiボット」は草津温泉の「Hotel Village」で実用化されています。「talkappiボット」はLINE、Facebookメッセンジャーなどでの自動応答に対応。お客様からのお問い合わせにボットが答えてくれます。自動応答では

  • 多言語での問い合わせ対応
  • モーニングコールなどの受付対応
  • 観光情報の自動案内

などを行ってくれます。スタッフの業務を減らすことができ、本来のおもてなしに集中することが可能です。その他にも旅館やホテルなどで導入されており、外国人観光客とのスムーズなやりとりを実現できると期待されています。

「talkappi」は旅館や観光案内所におすすめ

「talkappi」はタッチするだけで使える便利さと、自動応答が魅力の商品です。旅館やホテルで活躍すること間違いなしです。情報を印刷することもできるので、観光案内所でも使えるでしょう。

自社にあったサービスで多言語翻訳への対応を!

ここまでで

  • 多言語音声翻訳サービス
  • VoiceTra
  • メガホンヤク
  • 対面ホンヤク
  • vGate
  • talkappi

をご紹介しました。

インバウンド対応なら英語はもちろん、中国語や韓国語といったアジア系の言語も必要になってきます。今回ご紹介したサービスであれば、英語を始めとした主要言語には対応可能です。

最先端技術で、インバウンド対応は簡単になりつつあります。まずはあなたが必要とする機能やターゲットになる客層を整理して、どのツールを使うかを決めてください。

また、音声ではありませんが、字幕を多言語翻訳するメガネも登場しています。詳しくは「劇団四季、スマートグラスで多言語字幕サービスを提供 訪日観光客および聴覚障害者への対応にも」をチェックしてみてください。

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