春節とは?2019年の期間や訪日中国人の動きを解説【インバウンド担当者必見】

毎年2月頃になると、中国人の観光客を見かけることが多くなります。普段よりも家族連れや友人との来日が増え、東京などの街中でも中国語が飛び交います。

この時期は「春節」という、旧暦上のお正月。中国や台湾、香港、韓国などで祝う風習があり、多くの人が連休に入ります。

春節を祝う地域は、アジアを中心にさまざまですが、特に中国人がアクティブに旅行します。実際に、2018年2月の訪日中国人の数は約71万6千人を記録。消費額も、2018年1月から3月まで、中国人だけで約4,391億円を記録するほど、インバウンド産業に影響を与えているのです。

【出典】日本政府観光局(JNTO)「2018年訪日客数(総数)」

そこで今回は、春節についてだけでなく、春節期間の訪日中国人の消費額や行動を解説します。さらに、春節のイベントを開催した遊園地「ぐりんぱ」の事例もご紹介。この記事を読んで、春節について理解し、訪日中国人への対応のヒントになれば幸いです。

春節とは、中国や台湾、香港といったアジアで祝う旧正月のこと

まず、春節とはどのようなものなのかを解説します。期間や過ごし方、春節を祝う国など、大まかに知りましょう。

春節とは旧暦上のお正月

春節とは、旧暦上のお正月です。そもそも暦には新暦と旧暦があり、昔は多くの地域で旧暦を使っていました。しかし、現在の標準は新暦に変わっています。

日本も昔は旧暦を使っていました。明治維新後、世界のスタンダードに合わせて旧暦から新暦に変更。そのため日本人は、新暦のお正月である1月1日に新年を祝います。

その一方で、一部の地域では今でも、旧暦のお正月である「春節」を重視しているのです。

春節を祝うのはアジアにある10の地域

春節は、主に以下の10地域で祝います。

  • 中国
  • 台湾
  • 韓国
  • ベトナム
  • シンガポール
  • マレーシア
  • インドネシア
  • ブルネイ
  • モンゴル
  • 北朝鮮

国によって連休の日数や風習は異なるものの、連休になり帰省や旅行をすることは、どの地域も同じです。ただし、ベトナムでは「テト」、韓国では「ソルラル」と、地域によって呼び名が違うこともあります。

春節は毎年2月頃に設定、期間は約7日間

春節は、毎年1月下旬から2月中旬に訪れます。ただし、日程は毎年違います。

なぜならば、春節の日程は旧暦(太陰暦)を基準としているからです。旧暦は月の満ち欠けに基づいており、1カ月は29.5日しかありません。そうすると、1年は354日になり、毎年10日ほど日程がずれるのです。

春節の期間は、元旦にあたる「春節当日」の前日から平均7日間です。今までと来年の2019年は、以下のような日程となっています。

  • 2017年は1/27〜2/2(春節当日は1/28)
  • 2018年は2/15〜2/21(春節当日は2/16)
  • 2019年は2/4〜2/10(春節当日は2/5)

また、地域によっても連休期間は異なります。事前に今年の春節は何日なのか、確認しておきましょう。

春節の過ごし方は日本のお正月と変わらない

春節は、日本人にとっての年末年始のようなもの。そのため、期間中は大型連休に入ります。

地域によって異なりますが、過ごし方は日本のお正月と似ています。多くの人が帰省や旅行をし、食事はおせち料理のような感覚で餃子や魚を食べます。中国には「年年有余」ということわざがあり、意味は「毎年いい収穫があってお金が”余”る」こと。この「余」と「魚」の発音が同じ「ユ」であることから、「毎年余裕のある、豊かな生活になるように」と、願いを込めて食べる風習が生まれたようです。

春節は英語で「Chinese New Year」

春節期間は、英語で「Spring Festival」、そして春節当日は「Chinese New Year」と言います。春節のイベントやセールを開催するときは、このように表記しましょう。

春節がもたらす日本のインバウンド産業への影響とは?

春節の時期は、中国人が特にアクティブ。2018年2月は、訪日外国人の中でも中国人が約71万6千人でトップを記録しています。

この数は、インバウンド産業に良い影響を与えるはずです。次は、春節の具体的な影響を、訪日中国人の消費額や行動から解説します。

2018年の春節には約71万6千人の中国人が来日した

春節があった2018年2月には、約71万6千人の中国人が来日しています。同じ2018年でも、1月は約63万2千人、3月は約59万4千人と2月と比べると少なく、春節の連休を利用して来日する人が多いことが分かります。

中国では、春節期間は最大7日間の連休になり、日本へ旅行する人も多いです。

日本を選ぶのは

  • LCCの発達で航空券が安い
  • 中国から近い
  • 治安が良くて安全

といった理由のようです。

訪日中国人の旅行先での消費額は、1人当たり約22万5千円

次に、訪日中国人の消費額を見てみましょう。

訪日中国人が旅行中に使う金額は、1人当たり約22万5千円。主に、買い物、宿泊費、飲食費の順番にお金をかけています。宿泊はホテルが中心、買い物は化粧品や健康グッズを購入しているようです。

【出典】観光庁「訪日外国人消費動向調査 平成29年年間値の推計 集計結果」

そして、春節を含む2018年1月から3月の、訪日中国人全体の消費額は約4,391億円にものぼります。同じ春節を祝う地域でも、台湾の1,495億円、香港の819億円より、倍以上消費している結果です。

来日する中国人の多くは富裕層。また、来日者数も台湾の約113万人や香港の約53万に対して、中国は約194万人と数が多いです。そのため、消費額も訪日客の中で最高額を記録しているようです。

【出典】観光庁「【訪日外国人消費動向調査】2018年1−3月期の調査結果(速報)」

訪日中国人の旅行は「モノ消費」から「コト消費」に変化しはじめている

訪日中国人のイメージとして、両手にいっぱいの袋や、大きな家電を持って買い物する「爆買い」を思い浮かべるのではないでしょうか。確かに、以前までは買い物にお金をかける中国人がたくさんいました。しかし近年、中国人は日本食や文化といった「体験」に興味を持ち始めています。

なぜならば、訪日中国人の旅行スタイルが、モノ消費からコト消費へと変化しているからです。現在、越境ECサイトという、オンラインショッピングができるサイトが出現し、いつでも日本製品を購入できるように。わざわざ買い物のために来日する必要がないため、「次は観光や体験をしたい」と思う中国人が増えているのです。

まだまだすべての訪日中国人が、コト消費に変化しているわけではありません。しかし、来日中の中国人に、文化や体験、日本食をアピールすれば、集客に成功し、売り上げアップする可能性も見込めるのです。

越境ECサイトについては、「海外向け越境ECサイト制作での5つの課題と解決策。インバウンド消費の促進効果あり」で解説しています。気になる方はチェックしてみてください。

ここまで、中国人がどれくらい来日していて、どれくらい消費しているのかといった動向を解説しました。

次は、春節に合わせてイベントを開催し、訪日中国人の集客に成功した静岡県の遊園地「ぐりんぱ」の事例をご紹介します。

春節期間の訪日中国人へのアプローチとぐりんぱの成功事例

「ぐりんぱ」は、富士山の2合目にある遊園地です。ここに、訪日中国人がたくさん押し寄せています。この成功には、春節の時期に合わせた「春節祭」の開催や、中国の決済方法を導入したことが理由にあります。

ぐりんぱの事例:春節祭を開催し、中国のお正月を再現

「ぐりんぱ」は、富士急グループの遊園地です。ここで春節の時期に合わせて「春節祭」を開催しました。

園内を中華ランタンで装飾したり、春節に食べる餃子を配布し、中国の旧正月を再現。中国の風習だけでなく、餅つきもして、日本の風習も体験できるおもてなしをしました。訪日外国人の「日本らしさも感じつつ、自国にいるかのようなリラックス感も必要」というニーズを満たしたのです。

また、2018年からはWeChat Payでの決済も導入しています。WeChatとは中国人が使うLINEのようなアプリで、支払いにも使用できるもの。アカウント数は約13億と、ほとんどの中国人が使っているのです。これを売店で使用できるようにすることで、訪日中国人の買い物に対するハードルを下げています。

春節で来日中の中国人を迎えるために必要な3つのこと

春節に訪日中国人を迎えるためには、以下の3つのことが必要です。

  1. 日本文化と中国文化の融合
  2. 決済方法の多様化
  3. 中国語での対応

日本の文化だけでなく、自国の文化も感じる環境を作ることで、訪日中国人はリラックスして旅行を楽しむことができます。また、中国語での対応も欠かせません。自国語でやり取りできる方が、ストレスは減るはずです。

春節までに、このようなスムーズに旅行できる環境を整えておきましょう。そして、その環境は、春節が終わっても効果を発揮するはずです。

春節のチャンスを逃さずに、消費を促して売り上げアップを狙おう

ここまでをおさらいします。春節とは、中国や台湾、香港、韓国など、アジアの一部地域で祝う旧正月のこと。昔使っていた旧暦を採用しているため、日程は毎年変わります。春節の前日から、最大で7日間の大型連休に入ります。

春節の時期は、特に訪日中国人の数が増えます。というのも、春節には多くの中国人が帰省や旅行をします。日本は特に、「LCCが発達して近くて安い」「治安が良くて安全」といった理由から、旅行先として選ばれているようです。

ただし、中国人の旅行スタイルは、買い物が中心の「モノ消費」から体験やアクティビティの「コト消費」に変化しています。その変化に注目して、静岡県の遊園地「ぐりんぱ」は、春節祭を開催しました。

ぐりんぱの事例を元に、訪日中国人への対応には以下の3つが必要です。

  1. 日本文化と中国文化の融合
  2. 中国の決済方法
  3. 中国語での対応

日本らしさも感じつつ、自国にいるかのようにスムーズに旅行できる環境を整えることがポイント。春節に合わせて準備をすれば、訪日中国人の消費を促進し、売り上げアップにつながるはずです。

中国からの訪日客を受け入れるうえで、特に言語への対応は欠かせません。具体的な対策については「多言語音声翻訳でインバウンド対策できるアプリや端末まとめ https://inboundnow.jp/media/feature/1299/」で紹介しているので、ぜひご一読ください。

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