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春節とは?2019年の期間や訪日中国人の動きを解説【インバウンド担当者必見】

目次

「春節って何?期間はいつからいつまで?中国人旅行者は増えるのかな…」

と感じているインバウンド担当の方。

「春節」とは、アジア圏で祝う旧暦上のお正月です。中国や台湾、香港などで祝日と定められており、特に中国では最大で7日間の連休に入ることも少なくありません。

春節はもともと、家族団らんで過ごすことの多い祝日でした。しかし近年は春節に海外旅行をする人が増えており、中国人旅行者は行き先に日本を選ぶことも多いです。

実際に春節期間における中国人旅行者のデータを見ると、2018年2月は約71万6,000人、2019年2月は71万3,600人を記録しています。

2018年1月から3月までの消費額も、中国人旅行者だけで約4,391億円を突破するほど。

このように春節は、日本のインバウンド産業に大きな影響を与えています。

出典:日本政府観光局(JNTO)「日本政府観光局(JNTO)「訪日客数(総数)」」
https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/since2003_visitor_arrivals.pdf

小売店や飲食店、ホテルなどは春節の前にインバウンド対策を用意しておくことで、さらなる集客や売上アップが期待できます。

とはいえ、そもそも春節がどのような風習があるのか、期間はいつからいつまでなのかなど、なかなかわかりにくいですよね。

そこで今回は、春節について

  • 春節とは。春節の由来
  • 春節の日程(2017年から2021年まで)
  • 中国人の一般的な春節の過ごし方
  • 近年の春節の過ごし方や旅行先
  • 2018年と2019年の春節から分析する中国人旅行者の傾向
  • 春節期間の集客に成功したぐりんぱの事例
  • 春節に向けた具体的なインバウンド対策5つ

を紹介します。

「いきなりインバウンド対策をするのは難しい」と感じるかもしれませんが、概要をつかむだけならハードルは高くありません。

まずは春節について、ざっくりと理解しましょう!

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春節とは、中国や台湾、香港などのアジアで祝う旧正月のこと

春節について、

  • 春節とは
  • 春節で変わる干支
  • 春節を祝う10の地域
  • 春節と国慶節の違い

の順に紹介します。

春節とは旧暦上のお正月

わかりやすく言うと、春節は旧暦の正月です。

春節は中国や台湾などアジアを中心に祝うお正月のことで、中華圏の祝日の中では最も重要視されています。基本的には、1月下旬から2月中旬の7日間になることが少なくありません。

もともとは春の訪れを意味していましたが、近年は旧正月の意味が強いです。

次は春節の由来を詳しく見ていきましょう。

春節の由来は、旧暦を使用していた古代中国で新年を迎える日だったことから

春節の由来は、旧暦を採用していた時代までさかのぼります。

そもそも暦には「旧暦」と「新暦」があり、昔の暦には旧暦を使用していました。

そして古代中国では年末と年初に、豊作の祈願とあわせて先祖などへの祭祀が盛んに実施されていました。当時の年末年始の風習が今も残り、一部の国やエリアでは当時のお正月、つまり春節を新年を迎える祝日に設定しています。

現在の中華圏では新暦を採用しているため、1月1日も祝日です。しかしお正月というと春節がメインのため、新暦の元旦に盛大なお祝いはされません。仕事も1月2日からスタートすることが多いです。

春節と節分や立春の関係

春節と近い時期に「節分」があります。春節と同じ時期にあるため、関係あるのではないかと考える人も多いのではないでしょうか。しかし意味は春節と似ていても、日付は異なります。

まず節分とは雑節の1つです。1年に4回の季節をわける「立春」「立夏」「立秋」「立冬」の前日であり、江戸時代より後は特に「立春」を意味しています。

そのため節分の日は、春がはじまる前である2月3日に定められました。

そして立春とは、旧暦における1年のはじまりの日です。節分の翌日である2月4日であり、春節の期間とかぶることも少なくありません。

「旧暦における1年のはじまり」という点で春節と立春は同じですが、基本的に日付や考え方は異なります。

日付が異なる理由は、立春は現在使われている新暦(太陽暦)で決められているためです。

一方で春節は、月の満ち欠けをもとにした旧暦(太陰暦)によって決定したもの。日付の判断基準が異なりますよね。

同じ1年のはじまりであっても、日付がそれぞれ異なります。

ただし2038年は旧正月と立春が重なり、そのことから「縁起の良い年になる」と言われています。

中国では、春節で新しい干支に変わる

春節は干支にも関係しています。

というのも中国の旧暦は、以下の十二支に基づいて考えられていました。

  • ねずみ
  • うさぎ
  • へび
  • 猪(豚)

基本的には日本の干支と同じですが、中国では「猪」が「豚」と考えられます。そのため一部の中国人は、2019年の猪年を豚年と考えることも少なくありません。

そして干支は毎年変わる風習がありますが、日本のように元旦に変わるわけではありません。干支はあくまで、春節を基準に変更します。

現在の標準は新暦に変わっていますが、このように干支の考え方は引き継がれています。

春節に関する日程の名前

春節に近い月には、春節期間だけでなくその前後にも、春節に関係する日付や祝日があります。

例えば、

  • 小年(シャオニエン):春節の約1週間前にあたる旧暦の12月23、24日
  • 除夕(チュウシー):日本の大晦日にあたる春節前日
  • 初一(チュウイー)、初二(チュウアー)、初三(チュウサン):三が日
  • 元宵節(ゲンショウセツ):春節の元旦当日から数えて15日目で、正月が終わる日

などです。

人々は小年から大掃除など年越しの準備をスタートし、このときに仕事納めの準備を始める企業も少なくありません。

そして春節の前日から連休に入り、7日間の休みを満喫します。

ちなみに元宵節は春節に関する日程ですが、休みではありません。通常通り仕事や学校があるため、お祝いは最小限におさえられます。

「元宵節」について、詳しくは「中国圏の祭日「元宵節」とは。わかりやすく紹介します」をご一読ください。

春節を祝うのはアジアにある10の地域

春節は、主に以下にある10の国や地域で祝います。

【東アジア】

  • 中国
  • 台湾
  • 韓国
  • 北朝鮮
  • モンゴル

【東南アジア】

  • ベトナム
  • シンガポール
  • マレーシア
  • インドネシア
  • ブルネイ

ただし春節の呼び名はベトナムでは「テト」、韓国では「ソルラル」と、地域によって異なります。

またアジアだけでなく、他の外国に住んでいる中国人もこの期間は「チャイニーズニューイヤー」として春節をお祝いします。この時期は海外の中華街でも、お祭りムードが漂うことも少なくありません。

そして日本でも、春節を祝う地域がいくつかあります。春節を祝日と定めていないため平日と変わりませんが、中華街などではお祝いムードが漂います。

次で日本の「横浜中華街」や「神戸の南京町」の例を紹介しますね。

春節を祝う日本の例:横浜中華街

横浜の中華街では春節の時期にあわせて、1986年からイベント「春節」を開催しています。

イベントでは例えば、以下のように春節をお祝いします。

【春節当日までのカウントダウン】
春節当日までのカウントダウンとして、元旦の前日から横濵關帝廟と横濱媽祖廟の両廟でカウントダウンをする。

【伝統的な獅子舞「採青」の踊り】
伝統的な獅子舞「採青(ツァイチン)」の踊りが、爆竹や太鼓が鳴り響く中で披露される。獅子舞は白や黄色のカラフルな5頭が5つのコースにわかれて、横浜中華街にある店舗の商売繁盛などを祈りながら歩く。店舗ごとに設置されている赤い祝儀袋「紅包」を獅子舞がくわえると、大きな歓声が起こる。

【春節娯楽表演】
横浜中華街にある山下町公園において、獅子舞や舞踊、中国雑技など伝統的なパフォーマンスが披露される。1日に数回、1時間ずつ見ることができる。

またその他にも、祝賀パレードや「横浜中華街コンシェルジュ」による中華街ツアーなどを楽しむことができます。

春節を祝う日本の例:神戸の中華街「南京町」

神戸にある中華街「南京町」でも、毎年春節にあわせて3〜4日ほど「春節祭」を開催しています。

春節祭では、以下の催しを見ることができます。

【三国志の英雄に扮した男女によるパレード】
衣装とメイクで楊貴妃や三国志の登場人物に仮装した男女20名が、南京町から元町商店街やホテルオークラ神戸、三宮センター街などを周遊する。

【神戸華僑総会舞獅隊による獅子舞の演舞】
神戸華僑総会舞獅隊(コウベカキョウソウカイブシタイ)とは、神戸で最も古い獅子舞団体。神戸に住む華僑の青年が中心となり、1979年に結成された。春節祭では、何十人もの獅子舞が南京町や元町商店街を練り歩く。

【神戸華僑総会華芸民間舞蹈隊】
神戸華僑総会華芸民間舞蹈隊(コウベカキョウソウカイカゲイミンカンブトウタイ)とは、華僑の踊りや舞踊などをする団体。音楽とともに、中国の伝統的な漢民族の舞踊などを披露する。

その他にも、名古屋で1月12日〜14日にかけて「第13回名古屋中国春節祭」を開催するなど、日本各地の中華街で春節を祝っています。

春節を祝う日本の例:沖縄県

中華街を除くと、一部の都道府県でも春節をお祝いしています。

例えば沖縄県には、春節に関係のある太陰暦をもとに新年を祝う風習が残っています。旧正月の日付は、中国の春節と変わりません。

というのも、月の満ち欠けをもとにした旧暦は海との関係が深く、海に囲まれた沖縄県では大切な風習として考えられています。特に漁師の多い「糸満市」などでは春節を祝う傾向が強く、漁船に大漁旗が掲げられることも。

そしてお正月のお祝いとして、沖縄そばや豚肉を使った料理を食べます。

このように春節は中国だけでなく、世界中でお祝いされています。

春節と国慶節の違いは、家族団らんを重視するかどうか

中国の長期休暇として春節以外に、「国慶節」などを耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。国慶節は10月にあり、最大7〜8日間の連休になる祝日です。

同じ大型連休ですが、ふたつの連休には「過ごし方」が大きく異なります。春節では特に「家族団らん」が重視されます。

そのため春節の方が帰省をする人が多く、お正月はずっと家族と過ごす人もめずらしくありません。また帰省ラッシュとなるため、この時期の中国国内の交通量は普段の2倍以上に増えます。

国慶節について詳しくは、「国慶節とは?概要と中国人インバウンド客への対策をご紹介」で解説していますので、あわせてチェックしてみてください。

ここまで春節について、ざっくりと解説しました。

実は春節の時期は、毎年同じではありません。そのため年度ごとにスケジュールを知っておくことが、インバウンド対策の第1歩ともいえます。

次で中国における春節の時期や期間をお伝えしますね。

中国の春節期間はいつからいつまで?2017年から2021年の時期

ここからは春節の期間について、

  • 中国の春節の大まかな日程
  • 春節期間の決め方
  • 2017年、2018年、2019年の春節の期間【中国編】
  • 2020年、2021年の春節の期間【中国編】
  • 台湾や香港における春節の期間
  • 東南アジアにおける春節の期間

を紹介します。

中国の春節は7日間の連休に。ただし日程は毎年変わる

中国における春節の期間は「春節当日(元旦)の前日から約7日間」と決まっています。ただし春節当日は毎年異なるため、連休期間も常に同じわけではありません。

現在は春節の前日である大晦日から、数えて7日目までを連休としています。そしてこの連休にあわせて、企業や学校も休みに入ります。

ただし多くの人から「帰省ラッシュを緩和するために、休暇期間を10日から12日に伸ばしてほしい」との声も集まっています。そのため今後は、7日以上の連休になる可能性も少なくありません。

次は春節の日付の決め方を紹介します。

春節の決め方と長期休暇の期間

春節期間の決め方を、

  • 春節当日
  • 連休期間

にわけて解説します。

春節の決め方

「春節の日付はなぜ毎年違うんだろう…」と感じるかと思います。春節の日程のずれには、春節が旧暦(太陰暦)を基準としていることが関係しています。

春節は基本的に、旧暦の12月23日から翌年1月15日までの期間にあたるもの。この期間を現在の暦に当てはめて、具体的な日付を決定しています。

しかし旧暦は月の満ち欠けに基づいているため、1ヶ月が29.5日しかありません。さらに「29.5日×12ヶ月」で計算すると、1年は354日と通常より2日少ないです。

この1年の日数が少ないために、春節の日程も毎年10日ほどずれるのです。

ちなみに昔は日本も、旧正月をもとにお正月をお祝いしていました。

しかし日本は明治維新より後の時代から新暦を採用しているため、現在は旧暦を使用していません。また旧暦と新暦では元旦の日付が異なるため、日本では1月1日をお正月と定めています。

連休の決め方

中国では以前まで「労働契約法」によって、春節に関する祝日を「元旦含めて3日間」と定めていました。

しかし2015年より、春節前日である大晦日からはじまる7日間を連休にすることに決定し、企業や学校の休みも大晦日からスタートしています。

基本的には7日間の連休ですが、春節は帰省する人が多いです。特に地方から都市部へ出稼ぎに来ている人は、有給とあわせて最大2週間の休暇を取ることも少なくありません。

さらに春節期間は、小学校や中学校などの教育機関において冬休み中でもあります。そのため子供たちは、春節を含む1ヶ月以上の長期休暇になることも。大学生は最大2ヶ月の休暇になり、多くの人々が長い休みに入ります。

ただし春節の連休がスタートする前日は、週末であっても「振替出勤日」に変わります。例えば大晦日(除夕)が月曜日であれば、前日の土曜、日曜は多くの人が仕事をします。

ややこしいですが、基本的に春節の連休は「最大で7日程度」と覚えておきましょう。

続いては、今までとこれからの春節の日程を紹介しますね。

【2017年、2018年、2019年】中国の春節期間

2017年、2018年、中国の春節期間は以下の通りでした。

  • 2017年:1/27〜2/2(春節当日の元旦は1/28)
  • 2018年:2/15〜2/21(春節当日の元旦は2/16)
  • 2019年:2/4〜2/10(春節当日の元旦は2/5)

同じ連休にもかかわらず、年によって日程がまったく異なりますよね。

2019年は2月5日から7日の3日間が、お正月の三が日に当たりました。そして大晦日の4日や後半とあわせて、最大7連休になる人が多かったようです。

【2020年、2021年】中国の春節期間

2020年、2021年における中国の春節期間は、以下の予定です。

  • 2020年:1/24〜1/30(春節当日の元旦は1/25)
  • 2021年:2/11〜2/17(春節当日の元旦は2/12)

ただし2020年や2021年の春節の日程は、まだ正式に発表されていません。予定では1月25日ですが、中国政府からの発表はもう少し先です。

またこの先も、2022年には「北京冬季五輪」が春節の時期に開催予定です。今後の春節は今まで以上に盛り上がることが予想されます。

【2019年、2020年、2021年】台湾や香港の春節期間

台湾や香港など、地域によっても春節の連休期間は異なります。

【台湾】

  • 2019年:2/2〜2/10(春節当日の元旦は2/5)
  • 2020年:1/24〜1/29(春節当日の元旦は1/25)
  • 2021年:2/11〜2/16(春節当日の元旦は2/12)

台湾は前日が振替出勤日にならないため、2019年は9連休でした。

【香港】

  • 2019年:2/5〜2/7(春節当日の元旦は2/5)
  • 2020年:1/25〜1/27(春節当日の元旦は1/25)
  • 2021年:未定

香港は連休が3日程度と、中国よりも短いですね。

ちなみに、台湾や香港は2020年の春節期間をまだ発表していません。あくまで目安としてお考えください。

【2019年、2020年、2021年】東南アジアなど他のエリアの春節期間

東南アジアでも春節は連休に入ります。シンガポールやベトナムの例を見てみましょう。

【シンガポール】

  • 2019年:2/5〜2/7(春節当日の元旦は2/6)
  • 2020年:1/25〜1/26(春節当日の元旦は1/25)
  • 2021年:2/12〜2/13(春節当日の元旦は2/12)

シンガポールは2〜3連休です。

【ベトナム】

  • 2019年:2/4〜2/10(春節当日の元旦は2/5)
  • 2020年:未定
  • 2021年:未定

ベトナムは大晦日から5日間の連休になることが多いです。特に2019年は前後が土日と重なることで、最大で9日の休みに入る人も。

ただし注意点として、ベトナムは年によって春節の日が中国と異なることがあります。

例えば2007年における春節の元旦は、以下の日程でした。

  • 中国:2月18日
  • ベトナム:2月17日

基本的には同じですが、このように元旦の日付が異なるケースもあります。

ここまで具体的な春節の期間を紹介しました。

これだけ長い連休があると、中国人は何をして過ごすのか気になりますよね。

そこで続いては、中国における春節の一般的な過ごし方を紹介します。

春節の一般的な過ごし方と風習【中国編】

ここでは中国での一般的な過ごし方として、

  • 春節の基本的な習慣
  • 春節の食事
  • 春節の飾りやイベント
  • 春節の挨拶やお祝いの言葉
  • 春節でタブーとされる行動
  • 春節のスケジュール例

を順に紹介します。

1.中国人の春節における基本的な習慣

地域によって異なりますが、基本的に春節はふるさとで過ごす期間です。帰省を親孝行だと考える人が多く、家族や親戚に会うためにふるさとへ帰ることが少なくありません。

そして帰省後もふるさとで、春節を迎えるためにさまざまな準備をします。

具体的な春節中の習慣を、

  • 大晦日
  • 春節(元旦)

にわけて簡単に紹介しますね。

中国の大晦日とその習慣

春節時期の中国の家庭では、まず大晦日までに大掃除を終わらせて「春聯」などの飾りを用意します。

そして準備が終わると特別な食事を楽しみ、中国の紅白歌合戦ともいわれる『春節聯歓晩会(チェンジュ リエンフアン ワンホェイ)』などのテレビ番組を鑑賞します。

この大晦日には家族や子供と春節期間のテレビ番組を見て、おしゃべりをしながら夜を明かすことが少なくありません。というのも中国には「守岁(ショウスイ)」という言葉があり、“大晦日から寝ずに新年を迎えること”を意味しています。

家族で過ごしながら、新しい年に向けて気持ちを入れ替えます。

春節(元旦)の習慣

春節当日にはまずたくさんの爆竹などが鳴らされて、盛大に新年を迎えます。

そして朝になると人々の挨拶や交流も盛んになり、以下の光景が見られます。

【挨拶】

  • 年配者に対して:起床後に長寿を祝う言葉を述べる。
  • 近隣住民や知人に対して:春節のお祝いの言葉「新年快乐(シンニエンクエラ)」を交わす。

【衣食住】

  • 衣装:春節用の衣装や赤い衣服を用意し、華やかさを演出する。
  • 食事:餃子などを家族と食べる。
  • 住居:「春聯」や「年画」を家の玄関に、窓には「剪紙」を飾る。

【その他】

  • 贈り物:子供に春節のお年玉「圧歳銭(ヤースイチェン)」を赤い袋「紅包(ホンバオ)」に入れて渡す。定年後の年配者に渡すこともあるが、仕事をしている大人は基本的に受け取れない。

基本的にはまず家族や子供と挨拶を交わし、その後に近隣住民や知人に挨拶をします。特に春節のお年玉は幸運の対象でもあるため、最も一般的な贈り物として楽しみにする人も少なくありません。

お年玉の金額は、数万円から数十万円にのぼることもあります。

さらに春節には「お寺をお参りする」などの習慣もあります。日本のお正月のようですね。

続いては、春節の習慣を「食事」や「飾り付け」などにわけて、詳しく見ていきましょう。

2.中国の春節の食事

春節の食事を

  • 大晦日
  • 春節(元旦)

にわけて紹介します。

春節の食事:大晦日

広大な中国では、都市部や地方部によって正月料理が大きく異なります。

一般的に大晦日には、以下のような食材を使って家で料理をします。それぞれの食材には願いも込められているため、あわせてお伝えしますね。

  • 鶏(ヂィー):「吉(ジー)」の発音と似ており、願いは「すべてが吉祥になるように」
  • 魚(ユ):「余(ユ)」と同じ発音であり、願いは「豊かな生活になるように」
  • 麺:細長い形状と長生きをかけて、「長生きできるように」との願い
  • 肉の赤身:赤身の紅(チホン)が「鴻(ホアン)」の発音と似ていることから、願いは「幸運に恵まれる」
  • 白菜(バイカイ):「百財(バイツァイ)」と発音が似ており、願いは「財を成す」

このような縁起が良いものを、日本の年越しそばやお正月に食べるおせち料理のような感覚で食べます。

中でも、魚は重要視されている食材です。

というのも、中国にはことわざ「年年有余」があり、これには「毎年いい収穫があってお金が”余”る」という意味があります。

この「余」と「魚」の発音が同じ「ユ」であることから、魚を食べることで新たな年にお金と幸運が訪れると考える人が少なくありません。

このことから「毎年余裕のある、豊かな生活になるように」と願いを込めて、魚を使った料理を食べる習慣が生まれたようです。

春節の食事:当日以降

お正月である春節の当日以降には、餃子や餅などが食卓に並びます。ただしその食事は、すべてのエリアで同じとは限りません。

例えば北部と南部における正月料理は、以下のように異なります。

【中国北部】
基本的には餃子を食べる。水餃子や焼き餃子などバリエーション豊か。
餃子を食べる理由は餃子の形が「銀塊」に似ており、裕福な年になるように願いをこめるから。また「餃」という字が「交」の字に似ていることから、「ゆく年と来る年が交わる様子」をあらわしている。新年が幸せであることを祈りながら食べる習慣がある。

【中国南部】
南部は餃子の代わりに、甘い白玉団子「湯圓(タンユエン)」の入ったスープや「年糕」を食べる。白玉にはゴマやあんこ、ピーナッツを入れる。
甘い湯圓を食べる理由は、白玉団子が満月のように丸くて昔のお金である「銀元」のように白く、「1年が甘くなるように」「家族団欒で過ごせますように」との意味を込めているから。

地域によって大きく異なりますよね。

昔は春節の食事といえば「餃子を5日間食べること」が定番でした。しかし近年は物資的に豊かになったため、餃子だけを食べる家庭はほとんどありません。

豪華な食材やお菓子など、いつもと異なる食事を中心に用意します。

このように時代とともに、春節の食事スタイルは多様化しつつあります。

3.春節の飾りやイベント

続いては、中国国内での春節の祝い方を

  • 飾り
  • イベント

にわけて紹介しますね。

春節の飾り:春聯や年画、剪紙

飾り付けには赤色や黄色、ゴールドの色遣いのものを使用します。赤や黄色は春節のメインカラーであり、多くの人々から縁起が良いとされているからです。

そして飾り付けでは、以下のものをよく使用します。

  • 春聯
  • 年画
  • 剪紙
  • 福字
  • 新年の様子が映っている写真

1つずつ解説しますね。

【春聯】

まず家の入り口に多くの人が「春聯(シュンレン)」を用意する。

春聯は中国の伝統的な句「対聯(ツイレン)」がもとになったもの。対聯は紙や布におめでたい言葉を赤い紙に書き、門や家の入り口に貼り付ける。

この言葉が邪気を払うと考えられており、お葬式などに使うことも少なくない。春節のお祝いに使うものを特に「春聯」と呼ぶ。

【年画】

「年画」とは、カラフルで芸術性の高い民衆絵画のこと。版画のような、中国絵画の1つでもある。年画は都市部よりも農村部でよく使われている。

【剪紙】

窓には、中国の伝統的な切り絵である「剪紙(ジエンジー)」を貼り付ける。

【福字】

「福」の字を書いた、赤色の中華ランタンのようなもの。福を逆さまにすることで、幸運を呼び込むと考えられている。

【新年の様子が映っている写真】
主に銀行や公共機関で飾り付けられるもの。「お金に恵まれるように」との願いが込められている。

2019年は猪年(豚年)ということもあり、猪のぬいぐるみなども飾られていました。

春節のイベント

中国の春節では、以下のようなイベントを開催します。

  • 盛大な爆竹
  • 獅子舞の踊り
  • 縁日

例えば北京の寺院では、元旦から元宵節まで縁日を楽しむことができます。

中でも爆竹はあらゆる場所でお祝いに使用されています。その理由と由来を、次で詳しく解説しますね。

春節の爆竹と赤色にまつわる伝説

爆竹はその年の悪いことを取り払い、新たな気持ちで新年を迎えるために鳴らされています。爆竹の数は、新年を迎える深夜12時にピークに達し、あまりの大きさに話し声が聞こえなくなることも少なくありません。

ただし近年は大気汚染の問題もあり、爆竹を制限する動きがあります。違反者には数十万から数百万円の罰金が課されることもあるため、最近は周りに被害が出ない程度の爆竹でお祝いしています。

そして春節において「爆竹と赤色は縁起が良い」といわれていますが、その由来にはとある伝説が関係しています。

昔、中国にはお正月になると村に近づく猛獣がおり、村人を襲うことが問題になっていました。そのため村人はお正月の度に山に避難します。

その年のお正月も村人が避難しようとしていたところ、村に1人の物乞いがやってきました。しかし村人はまた山に逃げる準備をしていたため、誰からも相手にされていません。

そこである老婆が、物乞いに「猛獣が来るから逃げなさい」と話しかけました。しかし物乞いは「私が猛獣を退治するから、あなたの家に泊めてください」とお願いしてきます。

悩んだ老婆は、物乞いを家に泊めることに。自身は山へ避難し、お正月をひっそりと過ごすことにします。

そしてお正月になり、また猛獣がやって来ました。いつものように老婆の家から襲い始めますが、家からはなにやら「パチパチ」という音がします。

しばらくすると真っ赤な炎が見え、家の中では赤い着物を身につけた物乞いが笑っていました。

その姿に猛獣はおびえ、村から一目散に逃げます。実は猛獣はパチパチという爆竹の音や赤い色が苦手だったのです。それから猛獣が村を訪れることは、一度もありませんでした。

物乞いによって村は救われ、平和なお正月を取り戻します。

平和が訪れた結果、今でも中国にはお正月に爆竹を鳴らして、赤い飾り付けをする習慣が残っています。

4.春節の挨拶やお祝いの言葉。中国語と英語では異なる

続いては、春節の挨拶やお祝いの言葉を紹介します。

春節の中国語や英語は、以下のように表記します。

【中国語での表記と読み方】
中国語では「春節(春节)」と表記し、「チュンジエ」と発音。

【英語】

  • 春節「Spring Festival」
  • 春節当日(元旦)「Chinese New Year」

春節のイベントやセールを開催するときは、英語や中国語で表記してみるのもおすすめです。

次は口頭での挨拶を紹介しますね。

春節の挨拶

春節を祝う新年の挨拶は、中国語で以下のように表現します。

  • 「新年快乐(シンニエンクエラ)」:あけましておめでとう
  • 「祝你新年好(チュウニイシンニエンハオ)」:良いお年を

台湾や香港でも、春節には同じ挨拶をします。英語での挨拶は特に決まっていません。春節に日本を旅行するお客さまに向けて、春節独自の挨拶をすることもおすすめです。

また春節には日本人のように、SNSでお祝いのメッセージを送り合う人も少なくありません。その際は、エリアで使用する連絡アプリが異なります。

そして近年は、企業が春節に合わせたネット広告を配信する動きなども見られています。

5.春節(元旦)にタブーとされる行動

ここまで春節の習慣などを紹介しました。一方で春節には、タブーとされる行動がいくつかあります。

例えば、

  • お金を借りてはいけない
  • 子供の泣き声は不幸を呼ぶため、泣かさないようにする
  • 春節の元旦から3日間は幸運を逃すため、髪の毛を洗ってはいけない

などです。

というのも、春節は1年のはじまりの日です。元旦の行動が1年を左右すると言われているため、悪い行動を避けようと心がける人が少なくありません。

多くの中国人が子供の面倒をよく見るなど、良い行動を心がけています。

6.春節を過ごす中国人のスケジュール例

ここまでの習慣やイベントをふまえて、とある中国人の春節中のスケジュールを見てみましょう。

日程は、2019年の春節期間を参考にしています。

【大晦日まで(1/30〜2/3)】
企業は仕事納め。忘年会などをした後、帰省ラッシュがスタートする。旅行の予定がある人は仕事が終わり次第、中国を出発する。

【大晦日(2/4)】
ふるさとで春聯や爆竹、お年玉を用意する。街中の店舗も午前中には閉店し、家の大掃除に取り掛かる。夜は家族でテレビ番組『春節聯歓晩会』を見る。

【春節の当日(元旦の2/5)】
深夜から爆竹や花火を楽しんで、春節をお祝いする。また朝になると春節用の衣装を着て、家族や近隣の人々に挨拶。子供にはお年玉を渡し、食事は餃子や湯圓を中心に食べる。

【春節の2日〜7日目(2/6〜2/10)】
知人や親戚を訪問し、みんなで食事をする。早い企業や店舗は10日から営業を再開するため、仕事の再開にあわせて自宅に戻る。

そして春節から15日目である「元宵節」も、連休ではありませんが簡単にお祝いをします。元宵節が旧正月に続く重要な祝日であり、旧暦の新年における最初の満月の日でもあるためです。

また海外に住んでいる中国人は、春節と時期をずらして自国へ帰省することも少なくありません。海外で春節期間は祝日ではなく、仕事を休みにくいためです。

その場合は先ほどお伝えしたように、その土地の中華街などで春節をお祝いします。

ここまで春節の一般的な過ごし方を紹介しました。

この過ごし方は、中国の地方在住者や庶民には当たり前の習慣です。一方で北京などの都市部や富裕層、若者の春節の過ごし方は、時代とともに少しずつ変化しています。

そこで次は、近年の春節の過ごし方を紹介しますね。

近年の春節の過ごし方は、旅行が中心!その理由とは?

近年、春節にあわせて旅行をする人が増えています。特に上海や北京などの都市部、富裕層、20〜30代の若者を中心に、海外旅行をする人も少なくありません。

そこでここからは、

  • 今までの春節の過ごし方
  • 春節に旅行する人が多い理由
  • 国内旅行の行き先
  • 海外旅行の行き先

を紹介します。

春節はもともと帰省ラッシュのシーズンだった

春節はもともと、帰省のシーズンです。海外はもちろん、国内旅行に出かける人もほとんど見かけませんでした。都市部で働いている人も、一般的には地方のふるさとへ帰省します。

というのも、もともと中国では家族を大切に考える傾向があります。そのためお正月は家族と過ごそうという気持ちが、よりいっそう強くなるようです。

この帰省ラッシュによって国内の交通量は、通常の何十倍に増えることもめずしくありません。この交通量が増える現象を「春運」といい、毎年延べ30億人の大移動が観測されています。

そのため中国の交通機関は、対策として特別な輸送体制を用意することを考えるほど。それほど帰省のために、中国国内を移動する人が多く見られていました。

近年の春節は帰省ではなく、旅行する中国人が多い

2010年代から、春節に国内旅行や海外旅行を楽しむ人が増えました。

旅行を選ぶ理由は、帰省すると「結婚はまだか?」と両親や親戚から聞かれ、うんざりする人が多いからです。

中国では「男女ともに30代のうちに結婚すると良い」と考えられており、両親も子供が心配でついつい尋ねてしまうことが少なくありません。

結婚の質問を避けるために、近年は彼氏や彼女のレンタルサービスを利用する中国人も増えるほどです。レンタルサービスは例えば「淘宝網(タオバオ)」などのECサイトから利用でき、金額は1日につきおよそ100元(約1,800円)です。

このような事態を避けるためにも、上海や北京など都市部の人は特に、国内旅行や海外旅行に出かける傾向が強いです。

では春節の時期、中国人はどこを旅行先として選ぶのでしょうか。

そこで続いては、人気の旅行先を海外と国内にわけて解説しますね。

春節を楽しむ中国人から人気の国内旅行先

春節休み中の国内旅行では、以下のエリアが人気を集めています。

  • 北京:中国の首都であり、万里の長城がある場所
  • 廈門:世界遺産「鼓浪嶼」があるエリア
  • 三亜:中国のハワイと言われる最南端の場所
  • 西安:世界遺産や餃子など観光資源が豊富
  • 桂林:自然が美しいと人気

世界遺産や自然の多いエリアが中心です。春節の時期はホテル代などが高くなりますが、春節にあわせたイベントを各地で楽しむこともできます。

春節を楽しむ中国人から人気の海外旅行先

春節の海外旅行は、

  • タイ
  • インドネシア
  • シンガポール
  • ベトナム

など、中国から近い東南アジアが人気です。

特にシンガポールやベトナムは中国文化が残るエリアのため、旅行先で春節をお祝いをする人の姿もめずらしくありません。

近年における中国人旅行者の旅行動向については、「2017年中国人海外旅行ビッグデータ報告」がわかりやすいです。

中国語によるデータの詳しい解説は「中国人の海外旅行の動向をデータから分析。中国からのインバウンドを獲得するコツとは?」をご一読ください。

海外旅行は東南アジアが人気とお伝えしましたが、中国人旅行者からの日本の人気もまだまだ衰えてはいません。

次で春節を海外で楽しむ中国人旅行者から、日本が人気を集める理由を解説しますね。

中国人が春節の旅行先に日本を選ぶ3つの理由

日本が春節旅行の行き先として人気を集める理由を、

  • 距離が近く、航空券が安い
  • 治安や人々のマナーが良い
  • トイレなどの衛生環境や性能が優れている

の3つにわけて紹介します。

1.距離が近く、航空券が安い

近年はLCCの発達によって、航空券を格安で購入できるようになりました。近い上に旅費や渡航時間を節約できるため、海外へ行くハードルをそれほど感じません。

また近年は円安により、外国人が日本を旅行しやすくなっています。以前より格安で、日本旅行を楽しむことも不可能ではありません。

日本が近さと安さを兼ね備えているために、中国人旅行者から人気を集めています。

2.治安や人々のマナーが良い

多くの中国人旅行者が、日本は治安が良いと感じています。

そしてさらに、日本人の「礼儀正しさ」や「親切さ」にも良い印象も抱いています。

実際に日本は治安とマナーの良さから犯罪の発生率が低く、中国より安全だと感じる人が少なくありません。安全なために、特に子連れで旅行する中国人旅行者が多いです。

3.トイレなどの衛生環境が良くて、性能も優れている

中国国内では、水洗便所の普及が進んでいないエリアもまだまだ多いのが現状です。

一方で日本のトイレ環境は世界の中でも良好で、ウォシュレットなどの機能も高評価を集めています。中国人旅行者にとっても日本の衛生環境は魅力的で、安心だと感じる人が少なくありません。

さらに日本の家電や食材は偽装の心配がなく、必ず本物ですよね。これらの安心感から、ウォシュレットを使用したときに気に入って、爆買いにする人もあらわれています。

このような3つの理由から、日本は中国人旅行者からの支持を集めています。

日本では2019年1月から「出国税」が課されることになりましたが、中国人インバウンド客が減少する可能性は少ないと予想されています。

出国税について、詳しくは「日本で1人1,000円の出国税がスタート。税金は旅行環境の整備やインバウンド誘致のために」で紹介しています。

ここまで春節の旅行先について解説しました。

では反対に、日本人が春節期間に中国や台湾、香港を旅行することはできるのでしょうか。

次で詳しく解説します。

春節に日本人が中華圏を旅行するときは、予約とリサーチが必要

春節の時期に日本人が中華圏を旅行することはできますが、現地のお店は閉店している可能性が高いです。

閉店の理由は、多くの店舗が大晦日から営業をストップして、家族との団らんを楽しむからです。また帰省ラッシュによって電車や飛行機などは混雑する可能性もあるため、早めの予約が欠かせません。

しかし首都圏や観光地では、一部営業しているお店もあります。またホテルなども、予約は通常通り受け付けています。

特別料金が設定されて混雑している可能性はありますが、リサーチすることで中国や台湾、香港旅行を十分に楽しむことはできます。

事前に営業時間などを調べて、旅行の計画を綿密に立てておくことをおすすめします。

ここまで春節中の旅行について、ざっくりと解説しました。

春節に中国人旅行者が増えるということは、日本のインバウンド産業への大きな影響も期待できます。

とはいえ、具体的にどれくらいの影響があるのかは、なかなかわかりにくいですよね。

そこで続いては、2018や2019年における春節期間のデータから、中国人旅行者の傾向や日本への影響を分析します。

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2018年や2019年の春節から、中国人旅行者の傾向や日本に与える影響を分析

2018年の春節には、71万6,333人の中国人が日本を訪問しました。この数は日本の経済にも影響を与えるため、インバウンド担当者は見逃すことができません。

ここからは春節の、

  • 訪日中国人の数
  • 訪日中国人の消費額
  • 訪日中国人の旅行スタイル

を紹介します。

中国人旅行者の数:2018年の春節には中国から71万6,333人が日本へ旅行

春節があった2018年2月、中国人旅行者の数は71万6,333人を記録しました。

この数を、2018年の他の月と比べてみましょう。

  • 1月:63万2,304人
  • 2月:71万6,333人
  • 3月:59万4,920人

他の月よりも、2月は8〜12万人近く中国人旅行者が増えていますよね。春節の連休を利用して、来日する人が多いことがわかります。

ちなみに2019年の春節には、約71万3,600人の中国人旅行者が日本を訪問しています。

他の月との比較は以下の通りです。

  • 1月:75万4,421人
  • 2月:72万3,600人
  • 3月:69万1,300人

2019年は1月の方が多い結果となりましたが、3月になると中国人旅行者は減少していますよね。多くの人が春節の連休を活用して訪日していることがわかります。

出典:日本政府観光局(JNTO)「2018年 訪日外客数(総数) 出典:日本政府観光局(JNTO)」

中国人旅行者の消費:日本での消費額は台湾や香港よりも多い

次に、中国人旅行者の消費額を見てみましょう。

春節を含む2018年1月から3月における、中国人インバウンド客全体の消費額は約4,391億円でした。

同じ春節を祝う地域でも、金額は他のエリアと以下のように異なります。

  • 中国:4,391億円
  • 台湾:1,495億円
  • 香港:819億円

これらの国も少なくはありませんが、中国人旅行者はこの倍以上を消費しています。

そして中国人旅行者が訪日中に使う金額は、1人あたり約22万5,000円とも明らかになっています。

お金をかけるポイントは、主に以下の3つ。

  • 買い物代:2,150億円(1人あたり11万628円)
  • 宿泊代:851億円(1人あたり4万3,779円)
  • 飲食代:679億円(1人あたり3万4,946円)

宿泊はホテルが中心、買い物は化粧品や健康グッズを購入する人が少なくありません。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査 平成29年年間値の推計 集計結果」

ちなみに2019年の消費額は、以下の通りです。

  • 買い物代:約2,027億円(1人あたり10万823円)
  • 宿泊代:約862億円(1人あたり4万6,061円)
  • 飲食代:約702億円(1人あたり3万7,349円)

出典:観光庁「【訪日外国人消費動向調査】2019年1-3月期の全国調査結果(1次速報)の概要」
https://www.mlit.go.jp/common/001286428.pdf

2018年より減少傾向にはありますが、それでもなお買い物における1人あたりの消費額は10万円を超えています。

この消費額の大きさは、来日する中国人の多くが富裕層であることが理由です。また人口が多いため日本への旅行者の数自体も多く、消費額が増えやすいのです。

特に中国人インバウンド客は、買い物で「神薬」を求める人が少なくありません。

神薬に選ばれた商品について、詳しくは「中国人が選ぶ神薬12選とは?イラストや使い方など、分かりやすいアピール方法がカギ」で紹介しています。

ここまでの解説で、中国人旅行者が訪日中に買い物を楽しんでいることがわかりました。

しかし近年は、以前に比べると爆買いが少なくなっています。

その理由を中国人旅行者の興味とともに、次で解説しますね。

中国人旅行者の興味:インバウンド客の旅行は「モノ消費」から「コト消費」へと変化している

訪日中国人の買い物といえば、両手にいっぱいの袋や、大きな家電を購入する「爆買い」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

確かに以前までは、買い物にお金をかける中国人旅行者がたくさんいました。中国人旅行者にとって自国の製品は品質が信用できないものが多く、偽物も紛れている可能性があるためです。

一方で日本製品に対しては「品質が良くて優れている」との認識から、買い占めをする中国人旅行者も少なくありませんでした。

しかし近年中国人旅行者は、日本製品よりも日本食や日本文化といった「体験」に興味を持ち始めています。

主な理由は、以下の2つです。

  • 中国政府が海外からの商品への関税を強化し、海外での買い物に今まで以上のお金がかかるようになった。
  • 越境ECサイトの登場により、中国からでも日本製品が簡単に購入できるようになった。

その結果、日本で買い物をすると旅行の費用が高額に。これでは日本で買い物をする意味がありません。

そのため日本では、買い物よりも着物や日本食、温泉、スキーなどの体験を求める中国人旅行者が増えています。

まだまだすべての訪日中国人が、コト消費に変化しているわけではありません。しかし一部の中国人に文化や体験、日本食をアピールすることで、店舗や自社製品のさらなる集客、そして売上アップにつながります。

モノ消費からコト消費に変わりつつあるとお伝えした一方で、ECサイトの売上は順調に伸びています。先ほど紹介した越境ECサイトの出現により、中国国内からでも日本製品を購入できるようになったためです。

越境ECサイトについて詳しくは、「海外向け越境ECサイト制作での5つの課題と解決策。インバウンド消費の促進効果あり」で解説しています。

ここまで2018年における春節のデータから、中国人旅行者の傾向や興味を解説しました。

とはいえ、実際に春節が与えるインバウンド産業への影響は、なかなかイメージしにくいですよね。

そこで次は、春節の時期にイベントを開催して中国人旅行者の呼び込みに成功した、静岡県の遊園地「ぐりんぱ」の事例をご紹介します。

事例:春節祭を開いた遊園地「ぐりんぱ」のインバウンド対策

「ぐりんぱ」は、富士山の2合目にある富士急グループの遊園地です。地方にあるこの遊園地に、多くの中国人旅行者が訪問しています。

そこでここでは、

  • 「春節祭」の内容
  • ぐりんぱが取り入れた中国人へのインバウンド対策

を紹介します。

春節祭の内容:中国と日本のお正月をミックス

ぐりんぱでは、春節の時期にあわせてイベント「春節祭」を開催しました。

内容は主に、以下の3つです。

  • 園内を中華ランタンで装飾
  • 春節に食べる餃子を配布
  • 餅つきなど日本のお正月風景も再現

園内を中華ランタンで装飾するだけでなく、春節に食べる餃子を配布し、中国の旧正月を再現しています。

習慣の項目でもお伝えしたように、中国人は春節に餃子や中華ランタンのような飾りを用意する傾向があるためです。

さらには日本文化である餅つきも提供し、日本の風習も体験できるおもてなしをそろえました。

次でぐりんぱが春節祭によって中国人旅行者を集客した理由について、詳しくお伝えしますね。

「ぐりんぱ」が春節祭で取り入れた中国人旅行者へのインバウンド対応

ぐりんぱが中国人インバウンド客の集客に成功した理由をまとめると、以下の3つにわけることができます。

  1. 中国文化を取り入れて旧正月を再現
  2. コト消費として日本文化の体験を提供
  3. 中国の決済方法を導入

1つずつ解説しますね。

1.餃子や中華ランタンなどの中国文化で中国のお正月を再現

春節祭では中華ランタンで園内を飾り、餃子を配るなどしました。

中華ランタンや餃子は中国における春節の風習の1つであり、中国国内では大晦日から準備を進めています。近年は海外に行く人が増えたとはいえ、これらは中国人旅行者にとって慣れ親しんだ風習です。

そのため旅行中でも「日本らしさも感じつつ、自国にいるかのようなリラックス感がほしい」と感じるインバウンド客が少なくありません。

中華ランタンの装飾や餃子の提供で訪日中国人に安心感を与えつつ、餅つきなど日本文化の体験もバランスよく提供することが、満足度アップにつながっています。

2.餅つきなど日本文化の体験を提供

ぐりんぱの園内では餅つきを実施し、中国人インバウンド客が日本文化を体験できる環境も整えたとお伝えしました。

中国人旅行者の傾向でもお伝えしたように、近年は日本食や着物の体験など「コト消費」を求める人が増えています。そのため春節とはいえ、日本文化を体験することが目的のお客さまも少なくありません。

春節祭では餅つきを提供し、中国人インバウンド客のニーズを満たしています。旅行先のお正月も体験できたことで満足度がアップし、リピーターになる可能性も高まります。

3.園内の売店で中国の決済方法「WeChatpay」を導入

ぐりんぱは園内の売店において、中国の決済方法「WeChat Pay」の受付をスタートしています。

WeChatとは中国の連絡アプリの1つで、日本のLINEのようなもの。アカウント数は約13億と、多くの中国人が使っている人気のツールです。

そしてWeChatpayのQRコードを使うことで、支払いにも使用できます。

海外でも自国の決済方法が利用できることで、中国人旅行者は両替をする必要がありません。買い物のハードルが下がり、消費額アップにつながります。

ぐりんぱはこのように、中国人旅行者が遊園地の中でも自国のように過ごせる環境を整えたことで、集客に成功しました。

これらのインバウンド対策は、他の観光施設などでも真似できます。

そこで最後に、春節期間に必要なインバウンド対策をお伝えしますね。

春節前に用意すべき中国人旅行者へのインバウンド対策5つ

春節に中国人インバウンド客を迎えるためには、以下5つのインバウンド対策が必要です。

  1. 日本文化と中国文化の融合
  2. 決済方法の多様化
  3. 中国語での対応や表記
  4. 飲食店やアクティビティの予約受付
  5. 日本のマナーの周知

これらは観光施設だけでなく、ホテルや飲食店、地方自治体なども真似できます。

1つずつ解説しますね。

1.日本文化と中国文化の融合

訪日外国人の中には、「旅行中も自国にいるかのようにリラックスしたい」と感じる人が多いです。

実際にぐりんぱのように、日本と中国の文化を感じられる環境を作ることが、お客さまの満足度アップにつながることも少なくありません。

例えば、

  • 中国人のお客さまの客室に「春聯(春節の飾り)」や「中華ランタン」を用意する
  • 春節当日に中国語で「新年快乐(シンニエンクエラ:あけましておめでとう)」と声をかける

などです。

中国文化を感じる飾りを使って春節の雰囲気を再現することで、中国人旅行者はリラックスして日本での滞在を楽しむことができます。

2.決済方法の多様化

訪日外国人の困りごとの1つとして、「クレジットカードが使えない」など、決済の選択肢の少なさがあります。

出典:観光庁「外国人旅行者に対するアンケート調査結果について」
http://www.mlit.go.jp/common/000190659.pdf

そのため小売店などはクレジットカード、WeChat Pay、QQ Walletなど幅広い決済方法を用意するのがおすすめです。決済方法の多様化により買い物へのハードルが下がり、自社や店舗の売上アップにつながることも少なくありません。

特に「QQ Wallet」は、WeChat Payに並ぶ中国で人気の決済方法です。詳しくは「QQとは?訪日中国人の利用アプリに幅広く対応することが、集客や消費アップにつながる」をご一読ください。

3.中国語での対応や表記

春節のインバウンド対策として、中国語での対応も重要です。

小売店や飲食店が中国語の表記や案内を増やすことで、中国人旅行者は商品の概要やメニューなどをスムーズに理解できます。

自国の言葉で理解できることでインバウンド客のストレスが減少し、満足度アップに。結果として、リピーターになる確率も高まります。

もしも「中国語のできるスタッフがいない…」という場合は、翻訳アプリなどを活用しましょう。サービスは「多言語音声翻訳でインバウンド対策できるアプリや端末まとめ」で紹介しています。

4.飲食店やアクティビティの予約受付

飲食店を探すとき、「日本の予約システムがわからない」「そもそも予約を受け付けているのだろうか」と悩む中国人旅行者が少なくありません。

というのも、中国では多くの飲食店が事前予約を受け付けており、スムーズに来店できるシステムが整っているからです。

特に中国人は「Ctrip」など、オンライン予約システムを利用することが多いです。

そのためCtripのような人気サイトに、自店舗の情報を掲載して予約を受け付けることで、中国人の予約率や来店率アップが期待できます。

Ctripについて詳しくは「オンライン旅行会社「Ctrip」とは?ホテルや飲食店が知っておくべき5つのサービスを解説」で解説していますので、気になる方はご一読ください。

5.日本のマナーの周知

最後に集客のインバウンド対策とは少し異なりますが、「中国人のお客さまのマナーが悪く感じる…」と悩む方も多いのではないでしょうか。

例えば、

  • 静かな観光施設で大声を出す
  • 飲食禁止の場所に食べ物を持ち込む
  • 歩きタバコをする
  • ゴミをポイ捨てする
  • 行列に割り込む
  • 夜中にホテルの部屋で騒ぐ
  • ホテルにある備品を持って帰ろうとする

などです。

これらの原因は「国民性と文化の違い」、「日本への旅行に慣れていない世代であること」です。

解決には、日本のマナーを理解してもらうことが欠かせません。中国人旅行者は悪気があるわけではないため、説明することで理解してくれる人がほとんどです。

中国人旅行者への詳しいマナー対策は「訪日中国人のマナーはなぜ悪く感じる?対策のカギは国民性や文化の違いを知ること」で紹介していますので、チェックしてみてください。

春節までに中国人旅行者を迎える環境を整えておくことで、さらなる集客や売上アップにつながります。そしてインバウンド対策は春節が終わっても継続的に、効果を発揮し続けてくれることが期待できます。

春節までにインバウンド対策を整えて売上アップを

今回は春節の概要とインバウンド対策について、解説しました。

おさらいすると、春節とは旧暦の正月です。中国や台湾、香港、韓国などアジアの一部地域や中華圏、海外の中華街で祝う習慣があります。

春節の日程は毎年異なりますが、中国では毎年7日ほどの大型連休になる人が少なくありません。特に近年は海外に向かう中国人旅行者も多く、日本のインバウンド産業にも大きな影響を与えています。

実際に2018年の中国人旅行者に関するデータとして、以下のことが明らかになっています。

  • 来日者数:71万6,333人
  • 消費額:約4,391億円
  • 興味:日本文化の体験などコト消費

そして春節における集客の成功事例として、静岡県の遊園地「ぐりんぱ」が開催した春節祭とインバウンド対策を紹介しました。

ぐりんぱのインバウンド対策は、他の施設や店舗でも真似ることができます。具体的な春節の対策として、以下の5つを中心に準備することをおすすめします。

  • 日本文化と中国文化の融合
  • 決済方法の多様化
  • 中国語での対応や表記
  • 飲食店やアクティビティの予約受付
  • 日本のマナーの周知

2020年の春節期間は、1/24〜1/30の予定です。今のうちに中国人旅行者がスムーズに滞在できる環境を整えて、さらなる集客や売上アップの対策を用意してみてください。

また訪日中国人はもともとツアー客が中心でしたが、個人で友人や家族と旅行する人「FIT」が増えています。

「FITって何だろう…」という方は、「訪日中国人FITとは?インバウンド集客における注目のトレンドと事例を解説」をご一読ください。

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