手ぶら観光が訪日外国人の地方都市への訪問を促す。国土交通省が民間事業者へカウンター設置を呼びかけ

2017年から、国土交通省は「手ぶら観光」を推進しています。手ぶら観光とは、訪日外国人の荷物を預かってホテルまで配送することで、移動をスムーズにする取り組み。身軽になることで、訪日外国人の地方訪問も増えると予想しています。

店舗にカウンターを設置すれば、訪日外国人の地方訪問が増え、小売店や飲食店の売り上げアップにつながるはずです。

手ぶら観光カウンターは現在209カ所あるものの、まだまだ数が足りていません。またカウンターは首都圏に集中しており、地方都市には少ない状態です。これでは、訪日外国人が地方を訪れても荷物の受け取りができません。

改善のために、国土交通省は民間事業者を対象に、手ぶら観光カウンターの設置場所を募集。認定を受ければ、カウンター設置への補助を受けることができます。

そこで今回は、手ぶら観光の概要と、カウンターを設置した都道府県や運送会社2社の事例、さらにはカウンター設置の募集概要まで解説します。

チェックすべきポイントはそこまで多くないので「手ぶら観光ってなんだろう…」と思っている方もぜひご一読ください!

手ぶら観光カウンターで訪日外国人の荷物を預かり、地方観光を促す

手ぶら観光という、訪日外国人の荷物を預かってスムーズな旅行をサポートする取り組みが始まっています。この取り組みが広まることで、訪日外国人の地方訪問が増えると予想しています。

ここでは、手ぶら観光についてと、利用するメリットについて解説します。

手ぶら観光の推進を国土交通省が発表

手ぶら観光とは、店舗が訪日外国人の荷物を預かって身軽に観光してもらうこと。空港や駅にカウンターを設置し、荷物をホテルへ配送するサービスも実施しています。

指定の時間(午前中)までにカウンターへ荷物を預ければ、当日配送も可能です。駅や店舗、施設のカウンターに共通ロゴマークを貼り、訪日外国人が見つけやすくしています。

訪日外国人は荷物を預けてスムーズな移動と観光が可能に

手ぶら観光カウンターが広まることで、訪日外国人は重い荷物を持ち歩く必要がなくなります。身軽になれば、日本に到着してすぐに観光できるのです。

インバウンド対策の課題に、「コインロッカーの数が足りていない」ことがあります。時間を有効に使うためにも、「すぐに観光したい」ことが訪日外国人の本音。しかし、荷物を置くためにまずはホテルへ移動する必要があり、「荷物のせいですぐに行動できない」ことが不満となっていたのです。

そこで、手ぶら観光は都道府県や宅配サービスと連携。訪日外国人の荷物をホテルまで配送することで、すぐに観光できる仕組みを整えています。

手ぶら観光が広まれば、地方都市への訪問も増える

手ぶら観光が広まると、訪日外国人の地方旅行が増える可能性があります。

訪日外国人の多くは、アジアからの観光客です。そして、みずほ総合研究所の調査によると、ビザ緩和の動きやLCCの普及により、ここ2年でリピーターが増えています。

何度も来日している観光客は、「東京や大阪などの主要な都市はもう旅行したから」と、地方を訪れる傾向が高くなるのです。

【出典】みずほ総合研究所「インバウンド需要の地方圏への波及に向けた鍵は何か」

アジアからの訪日客は、まだまだ増加し続けています。荷物を持ち歩く必要がなくなれば、地方訪問の後押しに。そして、訪日外国人が地方の小売店や飲食店、ホテルを利用することで、売上もアップするはずです。

手ぶら観光カウンターを設置した都道府県や運送会社の事例3つ

実際に、手ぶら観光を導入する都道府県は増えており、運送会社と連携も行っています。ここでは、手ぶら観光カウンターを導入した

  1. 京都府
  2. ヤマト運輸
  3. 佐川急便

の3つの事例をご紹介します。

1.京都府は京都駅に6カ所の手ぶら観光カウンターを設置

京都府は、京都駅周辺にある以下の6カ所に、カウンターを設置しています。

  1. Crosta京都(JR京都駅中央改札B1階)
  2. JR京都駅新幹線八条口デリバリーサービス
  3. コトチカ京都市バス・地下鉄案内所
  4. 関西ツーリストインフォメーションセンター京都(京都タワー3階)
  5. 京KOKO Welcome Center
  6. 京都中央郵便局

料金は900〜1,500円、一時預かりであれば1個600円です。カウンター毎で決まっている時間までに預ければ、ホテルへの当日配送もできます。また、大きな荷物が減ることで、市バスや電車の混雑解消にもつながっています。

実際に「すぐに京都を案内したかったが、スーツケースが邪魔でコインロッカーを探すのも大変だった。これで楽に紅葉を見に行ける」という感想が、京都新聞の取材で明らかになっています。このように、手ぶら観光カウンターの設置が、訪日外国人の観光を後押ししているのです。

【出典】京都新聞「京都観光、手ぶらでラクラクサービス拡大、郵便局も参入」

2.ヤマト運輸は、国内4つの空港に多言語に対応できるカウンターを用意

ヤマト運輸(以下、ヤマト)は、JTBとパナソニックの2社と連携し「LUGGAGE-FREE TRAVEL」サービスを始めています。カウンターの場所は成田、羽田、関西、中部国際空港の4カ所です。

料金は片道2,000円から、一時預かりは540円から。午前11時までの受付で当日配送もできます。また、ヤマトは多言語対応も実現。日本語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、英語の5つに対応し、スムーズな受付も実現しています。

3.佐川急便はホテルやバスターミナルへの配送を全国9カ所で展開

佐川急便は、東京、大阪、愛媛、福岡の全9カ所に専用のカウンターを設置しています。宿泊先だけでなく、高速バスのターミナルや駅にも荷物を配送できることが魅力です。

料金は1個756円から、大きさによって異なります。手荷物一時預かりは500円から受付。午前11時までに預ければ、当日中に配送してくれます。言語は英語、韓国語、中国語の3つに対応しています。

このように、都道府県や運送会社が手ぶら観光に取り組み始めています。

しかし、カウンターは東京や大阪といった首都圏に集中しており、地方都市ではまだまだ数が足りていません。そこで、国土交通省は民間事業者を対象に、カウンター設置の補助をスタートしています。次で、その概要を解説します。

国土交通省が民間事業者の手ぶら観光カウンター設置を手助け

国土交通省は、民間事業者からカウンターの設置場所を募集しています。ここでは、募集の概要と、カウンター設置に必要な2つのことをお伝えします。

国土交通省が手ぶら観光カウンターの設置を民間事業者から募集

手ぶら観光カウンターは、全国で209カ所(2018年3月時点)あるものの、まだまだ東京や大阪といった首都圏が中心。地方都市にはほとんどありません。

【出典】総務省近畿管区行政評価局「訪日外国人旅行者の利便性の工場に関する調査-「手ぶら観光」を中心として-」

そこで、国土交通省は設置場所の募集を開始。さらには、認定を受けた事業者へ、補助も行っています。募集期間は、2018年10月31日まで。空港や駅だけでなく、飲食店や小売店など、空きスペースがあれば応募できます。

手ぶら観光カウンター設置までに準備しておくべき2つのこと

手ぶら観光カウンターは、ただ設置すれば良い訳ではありません。以下の2つが必要です。

  • 手ぶら観光カウンターの周知
  • 多言語対応

そもそもカウンターの存在を広めなければ、利用者は増えません。というのも、関西地方の取り組み結果では、ほとんどの訪日外国人がカウンターの存在を知らなかったのです。

対策として、日本政府観光局(JNTO)は、アプリ「Japan Official Travel App」を用意。訪日外国人は、このアプリからカウンターの位置を検索できます。

また、訪日外国人の中には英語が得意ではない方もいます。なるべく多くの言語で対応できる環境を整えておくことで、スムーズなやり取りが実現します。

もしも「多くの言語を話せるスタッフがいない」という場合でも心配ありません。多言語通訳タブレットという通訳できる端末があり、言語ができなくても、訪日外国人の対応ができます。

多言語通訳タブレットは、「徳島県鳴門市、訪日外国人対応強化 多言語通訳機能タブレットを設置」で詳しく紹介していますので、気になる方はチェックしてみてください。

このように、訪日外国人を受け入れる環境を整えることで、地方への訪問も増加。そして、宿泊施設や飲食店の利用が増えれば、売り上げもアップするはずです。

手ぶら観光カウンターを広めて、訪日外国人に地方で消費してもらおう

国土交通省は、訪日外国人の「手ぶら観光」を推進しています。荷物を空港や駅の専用カウンターで預かり、身軽な移動を実現。観光客の訪問範囲を広げることが狙いです。

特に、手ぶら観光カウンターを広めることで、地方への訪問が増えると予想されいます。というのも、ここ2年でアジアからのリピーターが増加。何度も日本を訪れている訪日客は、「東京や大阪はもう旅行したから」と、旅行先として地方を選ぶ傾向にあるのです。

そしてカウンターを設置した事例として、

  1. 京都府
  2. ヤマト運輸
  3. 佐川急便

の3つをご紹介しました。

さらに現在、国土交通省が民間事業者を対象に、手ぶら観光カウンターの設置場所を募集しています。認定されれば、設置への補助も提供。募集は、2018年10月31日で終了します。

カウンターの周知や多言語対応は必要ですが、国土交通省からの補助があれば、取り組みへのハードルも下がるはず。この機会にカウンターを設置して、訪日外国人に地方のホテルや小売店、飲食店を利用してもらいましょう。

多言語翻訳デバイスについては「多言語音声翻訳でインバウンド対策できるアプリや端末まとめ」でまとめているので、気になる方はご一読ください。

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