台湾で一時期ブームとなった「制県レベル」地図とは?訪日意欲の高い台湾人のSNS利用状況を合わせて解説!

政府が2020年までに訪日客を4000万人に増やす目標を掲げる中、地方に訪れる訪日外国人の数も好調です。近年はリピーター数が増加傾向にあるため、今後は地方の観光ニーズがさらに高まっていくでしょう。日本には47都道府県がありますが、皆さんは何か所訪問したことがあるでしょうか。

実際に行った都道府県を6段階で数値化し、6色で色分けする「制県レベル」という日本地図が、2018年5月末に訪日旅行のリピーターが多い台湾のSNS上で爆発的な話題(バズ)となり、多くの媒体に報道されました。そこで、今回は「制県レベル」という地図が台湾でブームになった理由を分析し、台湾人のSNS利用状況も一緒に説明します。

訪日意欲の高い、リピーターの割合の多い台湾人のSNS利用状況を把握できれば、より効果的なプロモーションなどができます。まずはこの記事で、台湾人のSNS利用状況についてざっくり理解しましょう。

台湾でバズった「制県レベル」地図とは

5月末に台湾で一時的にバズった「制県レベル」という地図は下のような地図です。日本の47都道府県に対する経験値を、

  1. 居住
  2. 宿泊
  3. 訪問
  4. 接地
  5. 通過
  6. 未踏

の六つのレベルに分けました。それぞれのレベルに応じて、日本地図を都道府県単位で色分けします。そして、日本旅行に対する経験値を表す「制県レベル」も一緒に算出されます。

制県レベルの地図を作るにはアプリの利用が不要で、制県レベルのウェブサイトにアクセスすれば手軽に作成できます。生成した地図は直接Facebookにシェアすることができます。

「制県レベル」の開発者は台湾人のようです。開発者の個人サイトによると、サービスを作ったきっかけは、2016年にInstagramで「制県伝説」という日本のAndroidアプリで作った地図を見たことだといいます。自分でもやってみようとしたところ、iOS対応のアプリがなかったため、個人で開発し、サイトを作ってしまったということです。

出典:JapanEx 制縣傳說

しかし、国内の報道によりますと、一番最初にこのようなサービスを提供したのは日本の地理情報サイト「都道府県市区町村」の人気コーナー「経県(経県値&経県マップ)」のようです。「制県伝説」というAndroidアプリはおよそ「経県」の10年後に配信され、生成された地図を手軽にSNS上でシェアできる仕組みで、国内で大人気になりました。

出典:話題の地図アプリ「制県伝説」 老舗サイトが「『経県値』のアイデア無断流用」主張

少々紛らわしいため、以下では、日本発祥の「制県伝説」と「経県」も簡単に紹介します。

 

「制県伝説」

「制県伝説」は2015年にローンチされたアプリで、手軽にFacebookとTwitterに結果をシェアできることで、2018年頃に人気になりました。しかし、同アプリは、「経県」の運営者がアイデアを流用されたと主張し、Googleに異議申し立てたことで、その後、アプリはGoogle Playから削除され、制作者ホームページも閉鎖されたようです。

アプリの画面

 

「経県(経県値&経県マップ)」

「経県」は2005年から存在するサービスです。日本の地理好きが集まる情報サイト「都道府県市区町村」の人気コーナーの一つのようです。上記のアイデア流用事件の後に、アプリ開発集団「Qdan(くだん)」の協力を得て、スマートフォン向けの無料アプリをiOSとAndroidの両方で開発し、2018年6月27日に配信しました。

なお、「経県」の運営者は台湾のサイト「制県レベル」について、当面静観するとしています。

「経県」サイト画面

 

アプリの画面

日本の各地域を訪れる経験をわかりやすく記録してくれるこの三つのサービスを一通り紹介しました。次は台湾人のSNS利用状況について解説します。

台湾人のSNS利用状況

2017年5月に公開した台湾人のSNS利用状況調査においては、台湾人は平均1人につき4つのSNSアカウントを持っているようです。FacebookアカウントとLINEアカウントを持っている台湾人が9割ぐらいを占めています。3位以下はYouTube、PTT、Instagram、微信(Wechat)、Twitter、Dcardの順です。

※LINEが使えないのは香港・マカオを除く中国大陸。台湾ではラインが使えます。

ここでは、台湾で生まれたSNSであるPTTとDcardを簡単に紹介します。

PTTは台湾の2ちゃんねる

PTTは台湾最大規模のインターネット掲示板で、報道機関が引用することもあり、現実社会への影響力も大きいです。日本では「台湾の2ch」と紹介されることもあります。

大学生限定のSNS Dcard

Dcardは大学生限定で展開してるSNSで、月あたりに100万人のアクティブユーザー数を誇ります。Dcardは2015年11月から、Dpickという名で日本市場に進出し、現在は大学生限定のSNSとして日本最大の規模となっているようです。

台湾人が持っているアカウント

 

下の図によりますと、約85%の台湾人がLINEとFacebookを週に3回以上使用しています。また、インターネット上で提供される動画コンテンツが多くなる中、YouTubeの利用率も三位としてランクインされ、今後さらなる成長を見込んでいます。

SNSの利用頻度(週三回以上)

 

年齢層別のSNS利用状況

最後に年齢層別のSNS利用状況について説明します。調査においては、どの年齢層でもFacebookとLINEが一番多く使われています。

また、12歳から24歳の若者の間ではYouTube、Instagram、PTT、Dcardが人気です。PTTは1995年から開設しているサービスで、他と比較して古いSNSです。若者をターゲットとしたプロモーションを行うには、YouTubeやInstagram、Dcardなどの成長に注目すべきです。

興味深いところとしては、25歳以上になると中国大陸で主流のSNS「微信(ウェイシン/Wechat)」の使用率が増えていることです。こちらは、仕事で中国に行ったりプライベートでも国外の友達ができたりすることで、微信の使用率が高くなると思われます。

 

ここまでをおさらいします。

  • 台湾人は平均1人につき4つのSNSアカウントを持っている
  • 台湾ではFacebookとLINEのアカウントを持っている人が9割近い
  • 約85%の台湾人がLINEとFacebookを週に3回以上使用
  • 若者の間ではYouTube、Instagram、PTT、Dcardが人気
  • YouTubeやInstagram、Dcardなどは今後注目が集まるSNS

同調査は2016年11月28日から12月5日にかけて12歳以上の台湾人を対象としてインターネットを通して行ったものです。

出典:八成以上台灣人愛用Facebook、Line坐穩社群網站龍頭 1人平均擁4個社群帳號 年輕人更愛YouTube和IG
資料來源:資策會FIND/經濟部技術處「資策會FIND(2016)/ 服務系統體系驅動新興事業研發計畫(2/4)」
圖片來源:http://www.freepik.com/free-vector/nice-genealogical-tree-in-flat-design_1050960.htm

Facebookでバズったのはなぜ?

ここまで5月末に台湾でバズった「制県レベル」という日本地図と、台湾人のSNS利用状況について紹介しました。この地図が台湾のSNSでバズって多くの媒体に取り上げられた理由は、

  1. 台湾人は親日で、訪日意欲が高い
  2. 「制県レベル」はSNSにシェアできる機能が搭載されている
  3. 30万近くのメンバーを持つ日本旅行関連のFacebookグループが話題にしてバズを起こした

の三つです。

日本旅行に関心が高い、親日的な台湾人

2017年3月22日、シンガポール華字紙・聯合早報においては、台湾民意基金会による調査で、台湾人が最も好きな国は1位がシンガポール(87.1%)で、2位が日本(83.9%)でした。

出典:https://www.recordchina.co.jp/b172976-s0-c30-d0062.html

しかし、台湾人が親日的な理由は世代によって少々違います。現在80代以上の人は、日本の統治時代に台湾で鉄道やダム、学校などのインフラをたくさん整備したことにより、日本に対し尊敬の念を抱いているようです。それに対して若者たちは、日常的にアニメや音楽など、日本のポップカルチャーに影響を受けて日本に憧れを持ち、親日的な傾向が見られます。

また、観光庁がまとめた2017年の訪日外国人旅行者についての資料では、台湾の訪日回数の割合は2~5回が約半数、6~9回が13%、10回以上のヘビーリピーターが15%を記録しました。

出典:https://www.travelvoice.jp/20180403-108446

したがって、日本に好感を持つ台湾人は普段から日本に関する情報にアンテナを張っています。

SNSにシェアできる機能

前述したように、「制県レベル」には手軽にFacebookにシェアできる機能があります。活発的にSNS(特にFacebook)を使用している台湾人は、他人の投稿を見て面白いと感じた場合、シェア機能を使えば次々と投稿していけます。

このように、話題を作りたいなら、SNSにシェアする機能を整える方法は有効です。

日本旅行関連のFacebookグループ

台湾人が一番利用しているSNSはFacebookであることは、前述の通りです。そして、Facebook施策で特に注目すべきなのは日本旅行に関連するFacebookグループです。

多くの企業はFacebookのファンページを運営しており、国内外のファンを獲得しようとしています。

しかし、台湾では日本旅行の好調と円安の影響を及ぼし、何十万人規模のメンバーが登録している日本旅行関連のFacebookグループが誕生しました。

これらのグループは、メンバーたちが自由に日本旅行に関する質問を聞いたり、自分の旅行記をシェアしたりしています。いくつかのグループは数十万人のメンバーがいるため、これらのグループページに投稿すれば高い露出が期待できます。今回の「制県レベル」の地図もこういったグループを通して話題になったと考えられます。そして、台湾のマスコミもこういったグループを通して話題を探しています。制県レベルのように、SNSでバズった時には、トレンド情報として台湾の報道媒体に取り上げられるチャンスになります。

したがって、認知度を上げたいや情報を拡散したいなら、こういった人気の日本旅行グループをうまく使えば大きな効果が期待できます。ただ、ほぼ全てのグループでは広告と思われる投稿を削除するルールが決められていることがほとんどのため、投稿内容には注意が必要です。

まとめ

では、おさらいします。

台湾人にアプローチしたいのであれば、いまのところはFacebookが年齢層や性別問わず、一番幅広くリーチできるSNSであるといえます。その中で注目すべきは、日本旅行関連のグループです。Facebookの日本旅行関連グループで話題を作りたいと考えているなら、台湾人がよく使っている他のSNSへ誘導することも重要です。

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