真の観光立国へ。デービッド・アトキンソン氏が日本の観光業界に投げかける3つの提言

「インバウンド業界でよく聞くデービッド・アトキンソン氏ってどんな人なんだろう」

と思っている方。

デービッド・アトキンソン氏は、日本の文化財の修繕などを行う「小西美術工藝社」の社長です。

イギリス人でありながら、「京都国際観光大使」や「JNTO(日本政府観光局)の非常勤顧問」にも就任。

日本のインバウンド戦略についても積極的に発言しており、いまインバウンド業界で注目を集めている人物です。

この記事では、

  • デービッド・アトキンソン氏とは?日本の文化財の修繕などを行う「小西美術工藝社」の社長
  • デービッド・アトキンソン氏による観光立国へ向けた3つの提言

の順に、デービッド・アトキンソン氏についてお伝えします。

デービッド・アトキンソン氏についてほとんど知らない人もいるかもしれませんが、記事の概要を押さえることは難しくありません。

まずはこの記事で、デービッド・アトキンソン氏についてざっくりと知りましょう!

デービッド・アトキンソン氏は日本の文化財の修繕などを行う「小西美術工藝社」の社長

デービッド・アトキンソン氏は、日本の文化財の修繕などを行う「小西美術工藝社」の社長です。

1965年生まれのイギリス人でオックスフォード大学を卒業後、大手コンサルタント会社や証券会社を経て1992年にゴールドマンサックス証券会社へ入社。日本の大手銀行の不良債権問題をいち早く指摘するなどして、「伝説の金融アナリスト」と呼ばれました。

同社の取締役を経て共同出資者となりますが、2007年に退社。

その後、プライベートで付き合いのあった小西美術工藝社の社長から誘われ、2009年に小西美術工藝社へ入社します。そして、2014年には代表取締役社長に就任しました。

「英国から見た日本」と「日本国内から見た日本」の両方の視点を持つデービッド・アトキンソン氏は、

  • 2015年:京都国際観光大使
  • 2017年:JNTO(日本政府観光局)の非常勤顧問

にも任命されています。

またデービッド・アトキンソン氏は茶道にも精通。1999年に裏千家に入門し、2006年には茶名「宗真(上から2番目の称号)」を拝受しています。

現在もグローバルな視点から日本のインバウンド業界への提言を続け、注目を集め続けている人物です。

デービッド・アトキンソン氏の代表的な著書3選

デービッド・アトキンソン氏は、独自の視点から国際観光や日本の在り方についていくつかの著書を出しています。もっとも有名なのが2015年に発行された「新・観光立国論」です。

ここでは「新・観光立国論」をはじめとした、代表的な著書を3つご紹介します。

  1. 「新・観光立国論」東洋経済新報社(2015/6/5)
  2. 「世界一訪れたい日本のつくりかた」東洋経済新報社(2017/7/7)
  3. 「新・生産性立国論」東洋経済新報社(2018/2/23)
1. 「新・観光立国論」東洋経済新報社(2015/6/5)

新・観光立国論」は、日本の観光産業におけるポテンシャルを活かし、世界的な観光大国となるための現実的な指針を提示します。デービッド・アトキンソン氏の客観的かつ正確な分析が多くの支持を得た1冊です。

2. 「世界一訪れたい日本のつくりかた」東洋経済新報社(2017/7/7)

世界一訪れたい日本のつくりかた」は、日本の観光産業の現状を分析し、今後取り組むべき観光戦略を丁寧に描いた1冊です。観光資源を磨いて整備することで、2030年に6,000万人の訪日観光客を迎えることが可能と説きます。

3. 「新・生産性立国論」東洋経済新報社(2018/2/23)

新・生産性立国論」は、日本の少子化にともなうGDP減少にいかに向き合うかを問う1冊です。過去に人口が半減した国を例にあげ、生産性を高めるための具体的な方法について説きます。

次は、デービッド・アトキンソン氏による観光立国へ向けた3つの提言についてお伝えしますね。

デービッド・アトキンソン氏による観光立国へ向けた3つの提言

デービッド・アトキンソン氏は日本が観光立国になるための提言を各所で述べており、ここでは代表的な3つの提言をお伝えします。

  1. 観光立国には4つの要素「気候」「自然」「文化」「食事」が必要
  2. 文化や歴史よりも「自然」を優先して売り出す
  3. 付加価値を付けて生産性を高める

1. 観光立国に必要な4つの要素「気候」「自然」「文化」「食事」を知ること

1つ目の提言が、観光立国に必要な4つの要素「気候」「自然」「文化」「食事」を知ることです。

デービッド・アトキンソン氏によると、観光立国として有名な国は「気候」「自然」「文化」「食事」の4つをすべて持っているとのこと。

日本はその4つを満たす貴重な国で、以下の要素を持っています。

  • 気候:四季がある
  • 自然:山や海に囲まれており、北ではスキー、南ではマリンスポーツが楽しめる
  • 文化:古くからの歴史や建造物、アニメなどのポップカルチャーがある
  • 食事:世界的に有名な和食がある

各要素の魅力を掘り下げ、セールスポイントとして認識することが大切です。

2. 文化や歴史よりも「自然」を優先して売り出す

2つ目の提言が、文化や歴史よりも「自然」を優先して売り出すことです。

デービッド・アトキンソン氏によると、日本のインバウンド戦略は「日本文化」や「文化財」の発信を重要視しすぎているとのこと。

例としてあげれば、歴史的な文化財を多くもつイタリアやフランスよりも、歴史が浅く独自の文化も醸成されていないアメリカの方が観光からお金を稼ぎ出しています。

アメリカの主要な観光コンテンツは「自然」。

デービッド・アトキンソン氏は、日本の全国各地にある、自然豊かな国立公園をもっとうまく活用すべきと提言しています。

3. 付加価値を付けて生産性を高める

3つ目の提言が、付加価値を付けて生産性を高めることです。

デービッド・アトキンソン氏は、日本の観光スポットの多くが長時間の観光に耐えないことを問題と考えています。

過去に団体旅行を効率よくさばく必要があったからか、日本では30分ほどで見終わってしまう観光スポットが多いです。わざわざ海外からやってきた観光客にとっては、それではあまりにも短すぎます。

日本にとっても、写真を撮っただけで終わりでは、売上も上がらず生産性は高まりません。

デービッド・アトキンソン氏は、滞在時間を伸ばして売上アップを図る手段として、

  • 休憩できるポイントをつくる
  • カフェや飲食店を併設する
  • 多言語に対応したガイドを設ける

をあげています。

観光客が長いあいだ滞在しても疲れず、飽きの来ないサービスが提供できれば、

  • お腹が空くなどして、飲食にお金を使う
  • 観光スポットへの関心が高まり、お土産を購入する

などが期待できます。今ある観光資源に付加価値を付け、観光客の満足度を高めることが重要です。

日本の豊かな観光資源を活用できれば、真の観光立国が実現できる

ここまで、デービッド・アトキンソン氏と提言の内容についてお伝えしました。

おさらいしますと、デービッド・アトキンソン氏はイギリス人で、日本の文化財の修繕などを行う「小西美術工藝社」の社長です。

イギリスと日本それぞれの視点からインバウンド戦略について発信していることから注目を集めています。

デービッド・アトキンソン氏は著書も発行しており、ベストセラーは「新・観光立国論」です。

日本を観光立国へ導くさまざまな発言が評価され、2017年にはJNTO(日本政府観光局)の非常勤顧問に就任しました。2020年の東京オリンピックに向けて、インバウンド獲得への取り組みに期待が寄せられています。

デービッド・アトキンソン氏による観光立国の実現へ向けた提言は3つです。

  1. 観光立国には4つの要素「気候」「自然」「文化」「食事」が必要
  2. 文化や歴史よりも「自然」を優先して売り出す
  3. 付加価値を付けて生産性を高める

外国人観光客から必要とされているものを客観的に見つめ直し、少しでも長く滞在してもらうための工夫が必要です。

国は2020年の東京オリンピックまでに4,000万人のインバウンド獲得をかかげ、デービッド・アトキンソン氏は2030年までに6,000万人のインバウンド獲得が可能としています。

それを実現するためにも、観光立国に必要な4つの要素「気候」「自然」「文化」「食事」を掘り下げ、日本のポテンシャルを最大限に発揮させることが重要です。

デービッド・アトキンソン氏が非常勤顧問を務めるJNTOについては、「日本政府観光局(JNTO)とは?インバウンドビジネスをするなら知っておきたい、国の機関について解説」をご一読ください。

 

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