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中国ではお年玉のことを「圧歳銭(あっさいせん)」と呼び、中国の正月にあたる「春節(2019年は2月5日)」のシーズンに配られます。お年玉は日本と同様に、目上の人から目下の者や子どもに渡すのが一般的です。
中国のお年玉「圧歳銭(あっさいせん)」の由来
圧歳銭はもともと子供の1年の健康を祈って年長者から送られるもので、古い伝説が由来になっています。
子供に病気をもたらす「鬼崇(グイスイ)」という妖怪から身を守るため、両親が8枚の銅銭を赤い紙で包んで子供の枕元に置くと、その妖怪を退けることができたという伝説がその由来です。始まりは魔除けを意味する「圧祟銭」と呼ばれ、「崇(スイ)」と「歳(スイ)」の発音が同じであったために、いつしか「圧歳銭」になったと言います。
中国のお年玉袋は「紅包(ほんはお)」
中国では、お年玉は「紅包(ほんはお)」と呼ばれる赤色の袋に入れて渡されます。「紅包」自体をお年玉と呼ぶこともありますが、「紅包」は中国語で
- ご祝儀
- お小遣い
- 謝礼
- おひねり
- ボーナス
など意味合いが様々。シチュエーションによって色々な使い方をされる場合が多いです。例えば会社の社長から春節シーズンに従業員に対して「紅包」が配られる、という光景もよく見られます。
「紅包」はその名の通り赤い紙で包んだお金を指し、「赤」であることが重要です。多くの方が中国の色として「赤」をイメージするように、中国で赤色は特別な意味を持っています。
圧歳銭の由来となった伝説からもわかるように、赤色は災いを退ける効果があると信じられ、喜びと幸運の象徴です。若い人にお年玉を配ることは「願いと幸運を彼らに与える」ことを意味します。
中国でのお年玉の渡し方
お年玉は春節の挨拶の際、目上の人があらかじめ用意しておいたものを年下の人に渡します。また子供が寝ているうちに親がこっそりとお年玉を枕の下に置くケースもあるようです。
お年玉は直接渡すのが一般的ですが、最近はSNSを使ったお年玉も広まっています。それは、中国でもっとも利用されているテンセントのSNS「WeChat」の「紅包」という機能を使ったものです。ある人がグループ内に「紅包」を贈ると、グループ内の人がお年玉をもらえます。もらえる金額はランダムで、最も「大金」を引いた人は「運が1番よかった」と表示されるなど、ゲーム感覚があり人気です。
テンセントの発表によると、2018年春節の大晦日では6.88億人が「紅包」を利用しました。伝統的な習慣もオンラインの広まりによって様変わりしていることが分かります。
中国におけるお年玉の金額相場
中国のお年玉の相場は、1人当たり200元(約3,200円)~500元(8,000円)です。
渡す相手によっても金額は変わり、
- 自分の子供に渡す場合:100元~
- 若い人に渡す場合:50元~200元
- 部下に渡す場合:100元~1,000元
- 年長者に渡す場合:400元~2,000元
が目安と言われています。
これ以外にも、他の子供に渡すこともあるので、10元~20元のお年玉もいくつか用意しておくのが一般的です。
なお、お年玉において大切なことは「偶数」の金額にすること。偶数は「良いことは対になる(割り切れる)」を表し、吉祥幸運の意味があります。
中国でもっとも重要な祝祭日「春節」について詳しくは「春節とは?2019年の期間や訪日中国人の動きを解説【インバウンド担当者必見】」で紹介しています。気になる方はこちらもご一読いただけますと幸いです。
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