訪日外国人のために無料Wi-Fiが必要な理由とは?行政の業務と結びつけたバルセロナの事例も紹介

近年、インターネットの発達やSNSの普及により、スマホは生活に欠かせない存在となっています。訪日外国人も同じで、旅行先の情報を集めるために、スマホで検索する人は多いです。

しかし、海外でスマホを使うには、新たに通信手段を用意する必要があります。そして、通信手段は人によってさまざまです。「外国人にいちばんよく使われている通信手段って何だろう?」と、疑問に思いますよね。

訪日外国人は、無料Wi-Fiを最もよく使用しています。そのため、無料Wi-Fiスポットを今よりも増やすことで、インバウンド客の満足度を高められる可能性があります。

今回は、どうして訪日外国人は無料Wi-Fiを利用するのか、他の通信手段が使われない理由と比較しながらお伝えしていきます。また、無料Wi-Fiで行政の業務効率化に成功した、スペイン・バルセロナの事例もご紹介します。

訪日外国人の満足度を高めるために無料Wi-Fiを取り入れるべき理由

訪日外国人は、日本での通信手段に無料Wi-Fiをよく利用しています。観光スポットの情報を集めるために、スマホを使って検索することが理由のようです。

訪日外国人の主な通信手段は無料Wi-Fi

訪日外国人が日本でインターネットを使用する方法はいくつかあります。中でも、無料Wi-Fiは最も利用されている通信手段です。

株式会社インフォシティの調査では、通信手段の利用状況は「無料公衆無線LAN(無料Wi-Fi)」が53.8%と最も多く、半分以上の外国人が無料Wi-Fiを使用しています。また、以前来日した際には「無料Wi-Fiが少ない」と感じる人が多かったようですが、今回の調査では60.5%もの人が「改善された」と感じています。

【出典】株式会社インフォシティ「Free Wi-Fi環境の整備について」

多くの訪日外国人が日本で無料Wi-Fiを利用し、以前は少なかったWi-Fiの数も増えていると感じているようです。

訪日外国人が無料Wi-Fiを利用する場所

無料Wi-Fiは、以下のような場所で用意されています。

  • 宿泊施設
  • 空港
  • 飲食店
  • 鉄道駅の構内
  • 商業施設

宿泊施設や空港、飲食店は訪日外国人がよく訪れる場所。ホテルで休んでいるときや、飛行機の待ち時間などに無料Wi-Fiを利用しているようです。

訪日外国人の情報収集にはインターネットが欠かせない

訪日外国人が無料Wi-Fiを使用するのは、旅行中にスマホで情報を集めているからだと言われています。

近年、SNSなどの発達によりInstagramやFacebook、ブログで観光スポットについて調べる観光客が増えています。しかし、これらはインターネットがないと検索できません。どれだけ自国で調べていても、来日中に知らない場所が出てくる可能性もあります。そんなときに、無料Wi-Fiがあればすぐに調べることができて便利です。

モバイルWi-FiやSIMカード、国際ローミングを使わない理由

無料Wi-Fiの他には、モバイルWi-Fiルーターや国際ローミング、SIMカードという通信手段があります。しかし、訪日外国人の間でこれらの通信手段を使うことは少ないようです。

それには、以下の理由があるようです。

モバイルWi-Fiルーター:持ち運びしなければいけない

モバイルWi-Fiルーターは、早い速度で大容量の通信ができることが特徴。小型のルーターを持ち運べば、いつでもどこでも高速のインターネットが利用でき、非常に便利です。

モバイルWi-Fiルーターは、ビジネスマンによく利用されています。仕事でインターネットを使用するため、早くて安全な通信手段が必要。そのため、パスワード付きの自分だけが使う通信手段を利用するようです。

しかし、インターネットにつなぐには小型のルーターを持ち運ぶ必要があります。そのため、旅行者には「荷物になる」「持ち運びが面倒くさい」と、あまり使用されていません。

国際ローミング:通信料金が高額になる

国際ローミングとは、国内で使っているスマホを海外でも利用できるようにすること。自国の携帯電話会社に利用料金を払えば、世界中どこでも通信ができます。

国際ローミングは、欧米圏の旅行者によく利用されています。しかし、料金が高く、1日で数千円かかることも。通信だけで高額な料金がかかるため、積極的には利用されていません。

SIMカード:日数制限があり長期滞在には不向き

SIMカードとは、スマホに付属されているICチップのような金色のカードです。カードに利用日数や通信量がデータとして書き込まれており、スマホに差し込むと指定された日数や容量内でインターネットや通話が使えるようになります。

SIMカードは、東南アジアからの観光客によく利用されています。空港や携帯会社の窓口ですぐに購入でき、料金も7日で1,500円前後と安いことが魅力。しかし、利用には日数制限があり、容量も平均1〜3Gと多くはありません。長期滞在には不向きなため、無料Wi-Fiの方が好まれているようです。

最後に、実際に無料Wi-Fiを導入して街づくりに成功した、スペイン・バルセロナの例をご紹介します。

バルセロナの事例:無料Wi-Fiを活用して街づくり

バルセロナは、無料Wi-FiをICT(情報通信技術)の共通基盤として活用し、サービスや生活を変革。行政の負担や経費を削減することに成功しています。

バルセロナでは、行政サービスの効率化を目的に無料Wi-Fiを導入しました。Wi-Fiを使ったスマートサービスを提供することで、行政の負担が軽減されると考えたのです。

実際には、以下のことを行いました。

【市内のWi-Fiスポット】
市民や観光客向けに無料Wi-Fiスポットの提供。

【バスの運行情報】
Wi-Fiスポットをバス停に設置。運行情報やその他の交通情報を提供。

【ゴミ収集管理】
ゴミ収集箱の空き状況をセンサーがWi-Fi経由で提供。必要なときだけゴミを回収するようになり、ゴミ収集にかかる経費の削減に成功。

【駐車場の空き状況】
駐車場の空き状況を小電力無線のセンサーとWi-Fi経由で提供。空きがあると分かることで駐車場の利用が増え、渋滞も緩和。

【街灯の調整】
交通量を省電力無線やWi-Fiで街灯のコントローラーに送り、適切な明るさに調整できるように。市の電気代削減に成功。

【位置情報分析】
IPカメラによる不審者監視や環境センサー(騒音や大気汚染)の作動を行い、治安や環境の維持に努めている。

【出典】総務省情報流通行政局「Wi-Fi整備についての現状と課題」

まず、市内全体に無料のWi-Fiスポットを作ることで、観光客はいつでもインターネットに接続できるようになりました。そして、ゴミ収集や街灯の調整と結びつけ、市内の渋滞緩和や経費削減に成功。結果的に、バルセロナ市内に30億ドルの価値を創造したと言われています。

さらには、この功績が認められ、2014年3月に欧州委員会がバルセロナを「欧州内でもっともイノベーションを起こし、生活の質を向上させている都市」に認定しました。

このように、無料Wi-Fiを増やすことは観光客の満足度をあげるだけでなく、行政の業務効率化などにも役立つはずです。

訪日外国人への無料Wi-Fiの提供でインバウンド客の満足度を高めよう

無料Wi-Fiは、訪日外国人に最も利用されている通信手段です。最近は多くの観光客が、観光スポットや行き先をスマホから探して決めています。新たな観光スポットを見つけて訪れてもらうためにも、インターネット環境の整備は欠かせません。

通信手段は無料Wi-Fiの他にも、モバイルWi-Fiルーターや国際ローミング、SIMカードなどがあります。しかし、ルーターを持ち運ばなければいけない、料金が高い、日数制限があるなど、利用にはハードルが高いと感じている外国人がほとんど。そのため、半数以上の訪日外国人が無料Wi-Fiを好んで使っているようです。

バルセロナ(スペイン)の事例では、行政の業務効率化のためにも導入。ゴミ収集や駐車場の管理といったスマートサービスを提供し、経費の削減や、渋滞の緩和に成功したと報告されています。無料Wi-Fiは観光客だけでなく、地域の住民にもメリットがあるのです。

訪日外国人が最もよく使う無料Wi-Fi。これを増やすことで、インバウンド客の満足度を上昇させ、さらには行政の効率化にもつながるのではないでしょうか。

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