タイのサッカー選手・ティーラシンがサンフレッチェ広島へ加入。訪日タイ人への影響と地方へ呼び込む方法とは?

2018年2月から、ティーラシン・デーンダーというタイ人のサッカー選手が、サンフレッチェ広島に加入しています。デビュー戦でゴールを決めるなど、すでに大活躍。今後の動向に目が離せません。

ティーラシン選手のサンフレッチェ広島への加入は、サッカーだけでなくインバウンド業界も盛り上げています。というのも、加入後から日本へ旅行するタイ人が増えているのです。その数は2018年6月の時点で、約43万人にものぼります。

しかし、今までの訪日客といえば中国や韓国など近隣からが多く、タイ人はあまり見かけませんでした。そのため、どのように集客すればいいのか、どのような目的で日本に旅行しているのか、なかなか把握しにくいものです。

そこで今回は、訪日タイ人の数や旅行傾向から、タイ人を集客する方法を解説します。さらには、岐阜県・白川郷が、タイ人からの注目を集めることに成功した事例もご紹介します。タイ人のSNSの使い方に合ったアピールから、地方へ訪日タイ人を呼び込む方法が分かるはずです。

サンフレッチェ広島に加入したティーラシン選手とは?

2018年2月、ティーラシン選手が広島のサッカーチーム「サンフレチェ広島」に加入しました。

まずは、彼がどんな選手なのかをご紹介します。

ティーラシン・デーンダーさんはタイのサッカー選手

ティーラシン選手は、ムアントン・ユナイテッドFCに所属するタイ人サッカー選手です。

タイの国民的サッカー選手であり、「ムイ」という愛称を持つ人気者。今までに、イギリスのマンチェスター・シティFCやスペインのUDアルメリアといった、欧州チームへの参加経験があります。

そのティーラシン選手が、2018年2月1日〜12月31日の期間限定で、サンフレッチェ広島に加入しています。

2018年2月のデビュー戦で初ゴール。サンフレッチェ広島は1−0で勝利を収める

2018年2月24日に、ティーラシン選手は日本でデビュー戦を迎えました。北海道コンサドーレ札幌との対戦でティーラシン選手が得点を決め、1-0で試合が終了。チームを勝利に導きました。

ティーラシン選手の活躍は、サッカー業界だけではありません。インバウンド市場にも影響を与えており、タイ人が「日本」や「広島」に注目するきっかけでもあるのです。

いったいどのような変化が起こっているのか、次で解説します。

ティーラシン選手のサンフレッチェ広島加入で、訪日タイ人が増えている

ティーラシン選手の影響で、訪日タイ人が増えています。もともと映画やテレビ番組で日本に興味を持つタイ人が多いこともあり、この加入が来日する後押しとなったのです。

ティーラシン選手の加入後、訪日タイ人が増えている

ティーラシン選手が加入する前の2017年、訪日タイ人の数は1年間で987,211人でした。しかし、ティーラシン選手が加入した2018年2〜4月には、以下の数字を記録しています。

  • 【2月】82,017人
  • 【3月】116,200人
  • 【4月】148,600人

合計すると、346,817人です。1月の訪日タイ人も合わせると、2018年の累計は429,409人。4カ月で、すでに2017年の半分近い数のタイ人が日本に訪れているのです。

【出典】日本政府観光局(JNTO)「2018年訪日外客数(総数)」

この増加の理由は、ティーラシン選手の加入だけではありません。

テレビ番組や映画の影響でタイ人は日本に興味を持っている

タイでは、日本の地方を紹介するテレビ番組『Japan X』や、長崎県が舞台の映画『Hashima Project マイチュア・トン・ロップルー』など、日本に関係ある番組や映画をたくさん放映しています。これらがきっかけで、日本に興味を持つ人が増えているのです。

JTBが行った調査でも、65.0%の人が「日本に関するテレビ番組や映画などを見て興味を持った」と答えています。

【出典】JTB総合研究所「タイ人の旅行とライフスタイル~今後1年以内の日本への観光旅行予定者への調査~」

ティーラシン選手の加入が後押しとなり、日本に興味のあるタイ人が初めて来日することに。

今回の旅行で満足すれば、リピーターになる可能性もあります。さらに、何度も日本を訪れるようになれば、インバウンド効果が持続し、ホテルや小売店、飲食店の活性化にもつながります。

とはいっても、まだまだ訪日タイ人の旅行先は東京に集中しています。

そこで次は、訪日タイ人の旅行傾向からタイ人を地方へ呼び込む方法を分析します。

訪日タイ人の集客は、グルメや体験のアピールとFacebookの活用がカギ

「訪日旅行データハンドブック世界20市場 2017年」によると、54.3%のタイ人が東京を訪れています。しかし、地方への訪問はまだまだ少ないです。

集客のカギとなるのは、タイ人が来日前に楽しみにしていることと、旅行の情報収集について知ること。ここからは、日本政府観光局(JNTO)のデータと、JTB総合研究所が調査したデータを参考に解説します。

【出典】日本政府観光局(JNTO)「訪日旅行データハンドブック世界20市場 2017年」

【出典】JTB総合研究所「タイ人の旅行とライフスタイル~今後1年以内の日本への観光旅行予定者への調査~」

タイ人が来日前に期待していることは「グルメ」と「体験」

「訪日旅行データハンドブック」によると、タイ人は来日前に、以下の3つを楽しみにしています。

  1. 日本食を食べること(85.8%)
  2. ショッピング(69.0%)
  3. 自然や景色を楽しむこと(57.2%)

JTB総合研究所の調査でも、多くのタイ人が「日本人の日常生活を感じたい」「日本の歴史や文化について知りたい」と回答。観光スポットよりも、日常を感じたいという気持ちが強いようです。

つまり、日本らしい体験ができるとアピールすれば、地方へ訪問してもらえる可能性があります。例えば、

  • 地域の名物料理
  • 温泉
  • 農泊(農家の家に宿泊して農業を体験すること)

などです。

ティーラシン選手が加入した広島県であれば、「広島焼き」や「カキの土手鍋」といった名物をアピールできるはずです。

タイ人はPantipやFacebookを使って旅行先の情報を集める

JTB総合研究所のデータによると、タイ人は現地のお店や観光情報を探すときに

  • 67.5%が検索サイト
  • 57.5%がSNS

を使うという結果が出ています。

検索サイトは、「Pantip」という情報掲示板が人気です。対して、SNSはFacebookやInstagramが人気。人口約6,900万人に対して、Facebookは5,000万人、Instagramは1,360万人のユーザー数を記録するほど、タイはSNSを活発に利用する国なのです。

【出典】タイランドハイパーリンクス「タイのSNS利用者数は? facebook、Instagram、Twitter」

Pantipは日本でいう「Yahoo!知恵袋」や「2ちゃんねる」のような特徴があり、匿名で質問できるのはもちろん、ユーザー同士の交流もすることができます。ほとんどSNSのような掲示板と言っても過言ではありません。

さらに、JTB総合研究所の調査では57.5%の人が「SNSを利用して自分の体験を発信する」とも答えています。主に、写真と動画をアップするようです。

このように、訪日タイ人への呼び込みでは、「日本らしい体験のアピール」と、「SNSの活用」が欠かせません。

しかし、いざアピールしようとしても何をアピールすれば良いのか、難しいものです。そこで、続いては実際にSNSでのシェアをねらって人気を集めた、岐阜県「白川郷」の事例をご紹介します。

事例:岐阜県・白川郷がSNSでのシェアをねらってタイ人の注目を集める

岐阜県にある白川郷が、タイ人の人気スポット第2位となっています。

【出典】株式会社アジア・インタラクション・サポート「タイ人の訪日旅行に関する意向調査 訪日タイ人の人気観光地ランキング2018」

「タイ人はSNSが好き」なことに注目して、彼らの注目を集めました。くわしく解説します。

白川郷がタイ人から人気を集めた3つの理由

先ほどの「訪日タイ人の人気観光地ランキング2018」で、タイ人は白川郷を訪れたい理由として、

  • 四季や自然を楽しみたいから
  • 日本らしい場所だから
  • 写真を撮りたいから

と答えています。

「白川郷合掌造り集落」は世界遺産であり、昔ながらの住宅を見学・写真撮影できる場所。さらに、冬は雪が降ります。タイは年間を通して暑い国のため、ほとんどの人が雪を見たことがありません。

そのため、「雪が降る」「めずらしい写真が撮影できる」場所として、興味を持つきっかけになっているのです。

タイ人に地方の魅力をアピールするにはFacebookやInstagramが欠かせない

訪日タイ人を呼び込むためには、FacebookやInstagramといったSNSでのアピールが必要です。

写真や動画は、言語が違っても地方の魅力が伝わります。写真がメインであるInstagramでは、特に有効なSNSです。また、Facebookは5,000万人ものタイ人が使用しているため、一度にたくさんの人へ写真や動画を届けやすいです。

そしてタイ人が日本の地域に根付いた文化などに興味を持ち、ホテルや飲食店、小売店に訪問すれば、お店の売上アップにもつながります。

ティーラシン選手の加入は12月31日まで。それ以降も、訪日タイ人に合った集客方法を行えば、効果は持続するはずです。地方への新たな呼び込みとして、SNSでのアピールに挑戦してみてはいかがでしょうか。

ティーラシン選手の加入をタイ人の誘致につなげて、地方を活性化させよう

2018年の2月から、タイ人のティーラシン選手が「サンフレッチェ広島」に加入しています。このことがきっかけで、日本を旅行するタイ人が増えています。

しかし、まだまだ東京を訪れるタイ人が多く、地方への呼び込みができていません。このブームを逃さないためにも、以下のタイ人の旅行傾向を元に、集客を考えましょう。

  • 来日前の期待は「グルメ」と「体験」
  • 情報はPantipやFacebook、Instagramで集める

この傾向を理解して、岐阜県・白川郷はタイ人の注目を集めることに成功しています。世界遺産である集落やタイには降らない雪が、タイ人の「SNSにアップしたい!」という気持ちを高ぶらせたのです。

写真や動画は言語が違ってもアピールできるため、地方の魅力を簡単に伝えることができます。ティーラシン選手の移籍期間が終わるまでに、SNSでタイ人が訪問したくなる写真や動画を投稿してみましょう。そしてリピーターになれば、地方のホテルや小売店の売上アップ効果も持続するはずです。

インバウンドの地方誘致に関しては「インバウンドの地方誘致に成功した3つの事例に学ぶ「コンテンツの掛け合わせ」という戦略」でも解説しているので、こちらもチェックしてみてください。

関連記事

  1. ソーシャルバイヤーを活用して、中国人インバウンド客の対策をするには?

  2. 東京海上、ツイッターやSNSなどからインバウンド客投稿データを無償提供

  3. オリンピックでのインバウンド効果持続のために、日本が解決すべき課題5つ

  4. インバウンド客が周遊する”ゴールデンルート”とは。地方への呼び込みは交通の整備と都道府県の連携がカギ…

  5. 『モノ消費からコト消費へ』は本当?訪日外国人の目的別消費額の比較から見るインバウンド効果

  6. 海外向け越境ECサイト制作での5つの課題と解決策。インバウンド消費の促進効果あり

  7. リノベーションがホテル予約の理由に。訪日客の集客に成功した、京都の事例を紹介します

  8. 民泊データ分析サービスでインバウンド客のニーズを調査。人気の民泊を作るポイントとは

PR

インバウンド地域創生プロジェクト

人気記事ランキング

おすすめ記事

PAGE TOP