中国人が選ぶ神薬12選とは?イラストや使い方など、分かりやすいアピール方法がカギ

訪日中国人の買い物といえば、家電や時計など、高級品を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

近年、訪日中国人は買い物で“神薬”を求めはじめています。神薬とは中国のポータルサイト「捜狐(ソウフ)」で紹介された、日本の一般医薬品12個のこと。「龍角散」や「熱さまシート」、「サロンパス」など、どれも日本人にはなじみのある製品です。

これらの医薬品は中国では手に入らないものとして、訪日中国人から大人気。その結果、1年間で小林製薬株式会社は367億円、株式会社龍角散は16億円の売上アップを果たしています。

とはいえ「どうして薬局で購入できる一般の医薬品が、そんなに売れているのだろう」と疑問に思いますよね。

そこで今回は

  • 神薬とは
  • 神薬が訪日中国人から人気を集める理由
  • 小林製薬と龍角散の戦略

をお伝えします。なかなか訪日中国人のニーズをつかむのは難しいと感じるかもしれませんが、分かりやすいパッケージなどその方法は意外と簡単です。

まずはこの記事を読んで、神薬についてざっくりと理解しましょう。

神薬とは、中国のポータルサイト「捜狐」が選ぶ12個の一般医薬品

2017年の秋に、中国のポータルサイト「捜狐(ソウフ)」にて、日本の一般医薬品12個が「神薬」として紹介されました。

取り上げられた製品を見ると、龍角散やサロンパスなど、日本人にとってはなじみのあるものばかり。しかしこの紹介がきっかけで、神薬を購入する訪日中国人が増えています。

「神薬」に選ばれた12個の医薬品

神薬に選ばれた医薬品は、以下の12個です。

目薬

サンテボーティエ(参天製薬)

消炎鎮痛剤

アンメルツヨコヨコ(小林製薬)
サロンパス(久光製薬)

液体絆創膏

サカムケア(小林製薬)

冷却シート

熱さまシート(小林製薬)

頭痛薬

イブクイック(エスエス製薬)

外皮用薬

ニノキュア(小林製薬)

L−システイン製剤

ハイチオールC(エスエス製薬)

便秘薬

ビューラックA(皇漢堂製薬)

口内炎治療薬

口内炎パッチ大正A(大正製薬)

女性保健薬

命の母A(小林製薬)

のど薬

龍角散(龍角散)

日本人からすると日常的に使う医薬品で、特別な薬が入っているわけではありません。いったいなぜ一般の医薬品が、中国人から「神薬」と呼ばれるほど人気を集めたのでしょうか。

次で人気の理由や、各企業のアピール方法を解説します。

12個の神薬に選ばれた各企業の戦略とは?

12個の医薬品が中国人から人気を集めた理由は、以下の3つです。

  1. ニッチな市場をねらったこと
  2. 分かりやすいイラスト付きのパッケージ
  3. 1つの商品をさまざまな視点からアピール

今回は1と2を小林製薬株式会社(以下、小林製薬)、3を株式会社龍角散(以下、龍角散)の戦略から解説します。

小林製薬の戦略:ニッチな市場をねらって確実に利益を出す

2017年に紹介された神薬12個のうち、5個が小林製薬の製品です。

  1. アンメルツヨコヨコ
  2. サカムケア
  3. 熱さまシート
  4. ニノキュア
  5. 命の母A

選ばれた理由は小林製薬の「ニッチな市場をねらう」という戦略と、「イラスト付きの分かりやすいパッケージ」にありました。

戦略1:規模の小さいニッチな市場をねらう

小林製薬が販売する医薬品は、市場規模の小さい製品ばかりです。

例えば熱冷ましの冷却シート。この市場規模は47億円と、医薬品マーケットの中ではそこまで高額ではありません。しかし小林製薬の「熱さまシート」だけで、53%のシェアを占めています。

市場規模の半分以上を占めることで、小林製薬は熱さまシートだけで約20億円を超える利益をあげているのです。

この戦略を小林製薬は、「小さな池の大きな魚」と表現しています。ライバルの多い大きな市場に参入するのではなく、小さい市場をねらうこと。この方法が確実な利益につながると考えています。

出典:小林製薬「さらなる成長に向けた注力課題」

戦略2:イラスト付きパッケージで日本語が分からなくても使用できる

神薬の中でも、「熱さまシート」は特に人気を集めています。その理由は、日本語を理解できない訪日中国人にも分かりやすい、イラスト付きパッケージです。

日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、日本製品に対して「使い方や機能、効能が分かりにくかった」と感じている人が、27.1%も存在していることが分かっています。

出典:日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部 中国北アジア課「中国の消費者の日本製品等意識調査」

いくら効果の高い製品でも、使い方が分からなければ効果を実感できません。

対して熱さまシートのパッケージには、風邪をひいている男性や子どもがおてごに熱さまシートを貼っているイラストが書いています。

このイラストを見るだけで、中国人は「風邪をひいたときはおでこに熱さまシートを貼れば、熱を下げることができる」と理解。日本語を知らなくても使い方が分かり、購入を後押ししています。

小林製薬は神薬に選ばれてから、売上高が367億円も増加

神薬に選ばれてから、小林製薬の売上高は以下のように変化しています。

  • 2016年度:1,200億円
  • 2017年度:1,567億円

1年間で367億円も売上がアップ。ニッチな市場をねらいつつ、訪日中国人に分かりやすい販売方法を行ったことが、利益につながる要因の1つでした。

次は龍角散が行った、のど薬のアピール方法をご紹介します。

龍角散の戦略:1つの商品をさまざまな視点からアピール

龍角散は本来、せきやたんといったのどの症状を「止める」ための製品です。しかし龍角散は、これを使えば春は花粉やほこり、冬は乾燥からのどを「守る」ことができると宣伝しました。

というのも、中国では大気汚染が進んでおり、汚染から体を守りたいと考える人が増えています。この中国人のニーズに龍角散の新しい使い方がマッチし、購入につながったのです。

龍角散は神薬として紹介されたことで、売上高が16億円アップ

龍角散は神薬に選ばれてから、売上高が以下のように変化しています。

  • 2016年度:135億円
  • 2017年度:151億円

出典:事業構想「龍角散 風邪薬だけではない強み 10年で売上高3倍に」

1年間で16億円も売上がアップ。このようにイラストや使い方など、訪日中国人のニーズに合わせたアピールが、人気を集めるきっかけとなったのです。

すでに日本人からなじみ深い医薬品であっても、今までと異なる使い方をアピールしたり、パッケージを変えたりすれば、訪日中国人という新たな顧客を得ることができるはずです。

神薬のように訪日中国人に合わせた販売方法で、売上高アップにつなげる

ここまでをおさらいします。

2017年の秋、日本で販売する医薬品12個が中国のポータルサイト「捜狐(ソウフ)」で紹介されました。この「神薬12選」は、訪日中国人が買い物をするときの定番商品です。

これらの医薬品が神薬に選ばれた理由は、

  1. ニッチな市場をねらったこと
  2. 分かりやすいイラスト付きのパッケージ
  3. 1つの商品をさまざまな視点からアピール

の3つです。

まず「ニッチな市場をねらう」「分かりやすいイラスト付きパッケージ」という2つの戦略は、小林製薬のものです。この戦略によって、小林製薬からは5個の医薬品が神薬に選ばれました。

これは「小さな池の大きな魚」という戦略がカギ。大きな市場に参入するのではなく、「小さいけれどニーズのある市場をねらうことで、確実な利益をあげることができる」と、小林製薬は考えているのです。

結果として、「熱さまシート」は47億円ある市場規模のうち、53%のシェアを小林製薬が占めています。

さらに熱さまシートは、分かりやすいパッケージが訪日中国人に好評です。熱さまシートを使用するイラストをパッケージに描いたことで、日本語の分からない中国人でも、使い方がすぐに理解できたのです。

最後の「1つの商品をさまざまな視点からアピールする」という戦略は、龍角散のものです。

のど薬の「龍角散」を、症状を止める製品としてではなく、のどを守る製品としてアピール。春は花粉やほこり、冬は乾燥の対策にするという使い方が、大気汚染が進む中国人のニーズに合っていたのです。

これらのアピール方法が1つの理由となり、小林製薬は367億円、龍角散は16億円も売上がアップしています。

すでに日本人には定番である医薬品でも、訪日中国人のニーズに合った戦略を考えれば、人気製品になる可能性は十分にあります。そして人気を集めれば、大幅な売上アップにつながるはずです。

訪日中国人の対策については、「国慶節とは?概要と中国人インバウンド客への対策をご紹介」でもご紹介しています。訪日中国人の旅行スタイルや消費動向も知りたい方は、こちらもチェックしてみてください。

 

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