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「災害アプリってどんなものがあるのかな」
と感じている方。
災害アプリは、地震や台風などが発生したときに必要な情報を発信してくれます。観光庁など公的機関が開発しているものも多く、緊急時でも訪日外国人が必要な情報を入手できます。
ホテルなど宿泊施設では災害アプリを案内しておくことで、訪日外国人の満足度が高まる可能性があります。
とはいえ、どのような災害アプリがあるのかは、なかなかわかりにくいですよね。
そこで今回は、
- おすすめの災害アプリ3つ
- 日本政府が取り組む緊急施策
- 災害時の情報提供が必要な理由
を紹介します。
「いきなり災害アプリを案内するのは難しい」と感じるかもしれませんが、概要をつかむだけならハードルは高くありません。
まずはおすすめの災害アプリについて、ざっくりと理解しましょう!
訪日外国人向け災害アプリ1:Safety tips
「Safety tips」は、観光庁の監修によって開発された災害情報を提供するアプリです。
特徴は以下の通りです。
- 災害情報はプッシュ通知でお知らせ
- 地震や噴火、熱中症などさまざまな情報を発信
- 大使館の連絡先や観光案内所など、災害時に必要なサイトも掲載
アプリの利用は無料のため、費用はかかりません。
Safety Tipsで特に注目したい機能は、以下の2つです。
【地震情報の確認】
地震情報は、過去の震度3をこえる地震のデータをもとに、震源地や震源の深さ、マグニチュードなどを確認できます。初めて訪日する外国人でも、過去のデータと現在地との位置関係をチェックし、地震にそなえることができます。
【外部アプリとの連携】
Safety tipsは、以下の外部アプリと連携できます。
- NAVITIME for Japan Travel
- Japan Official Travel App
- Japan Connected-free Wi-Fi
Safety tipsをダウンロードしていない訪日外国人にも、緊急時はスムーズに災害情報を提供できます。
災害情報をスムーズに入手できるため、私たち日本人もダウンロードしておくと安心できるアプリです。
対応言語
対応言語は、以下の5つです。
- 日本語
- 英語
- 韓国語
- 中国語(簡体字・繁体字)
提供できる災害情報
アプリ内で閲覧できる情報は、以下の通りです。
- 地震情報
- 気象情報
- 噴火警報
- 熱中症情報
- 避難勧告・指示
- 避難所情報
- 弾道ミサイルなど国民保護情報
また災害が発生したときに必要な、以下の情報も確認できます。
- 外国人の受け入れに対応している医療機関
- 災害時に取るべき行動
- 災害時に想定される質問集(コミュニケーションカード)
ダウンロード先
アプリのダウンロード先は、以下の通りです。
訪日外国人向け災害アプリ2:東京都防災アプリ
「東京都防災アプリ」とは、東京都が公式で提供しているアプリです。
「あそぶ」「まなぶ」「つかう」の3つのコンセプトをもとに、災害時に必要な情報をわかりやすく発信しています。
特徴は以下の通り。
- 災害発生時に役立つ情報が豊富
- イラストやキャラクターによる解説で楽しみながら学習可能
- オフラインにも対応
特に注目したい機能は、以下の3つです。
【東京防災モード】
防災ブック「東京防災」のコンテンツであり、災害時に取るべき行動の基礎を学ぶことができます。
【東京くらし防災モード】
防災ブック「東京くらし防災」のコンテンツであり、生活の中で取り組める防災対策を学ぶことが可能です。
【災害時モード】
実際に災害が発生したときに必要な知識や機能を搭載しています。
対応言語
対応言語は、以下の5つです。
- 日本語
- 英語
- 韓国語
- 中国語(簡体字・繁体字)
ただし、多言語で閲覧できるのは一部コンテンツに限られているので、注意してください。。
提供できる災害情報
アプリ内で閲覧できる情報は、以下の通りです。
- 防災マップ
- 地震情報
- 気象情報
- 避難情報
- 津波情報
- 火山情報
また対策として、以下の情報も役立ちます。
- 防災ブック内にある基礎知識や災害対策
- 災害時のシミュレーション
- 食品など備蓄物のチェックリスト
ダウンロード先
アプリのダウンロード先は、以下の通りです。
また公式リーフレットも公開されていますので、気になる方はご一読ください。
訪日外国人向け災害アプリ3:NHK WORLD TVアプリ
「NHK WORLD TVアプリ」は、NHKが災害情報だけでなく、日本での日常生活や訪日旅行に必要な情報を幅広く提供するアプリです。
特徴は以下の通り。
- 英語のプッシュ通知で災害情報をお知らせ
- NHKワールドが配信する緊急ニュースも閲覧可能
- 訪日旅行中の情報収集にもおすすめ
NHK WORLD TVが発信するのは、災害情報だけではありません。テレビとラジオを通して日本のニュースや時事番組、スポーツ中継なども発信しています。
日本に在住している外国人の情報収集にも活用できます。
対応言語
対応言語は、英語のみです。ただしNHKは、近日中に中国語など多言語に対応すると発表しています。
またNHK WORLD TVのホームページは、韓国語やタイ語、アラビア語など35言語に対応しています。そのため、NHK WORLD TV自体を利用する外国人は少なくありません。
より多くの外国人に情報を提供できるアプリです。
提供できる災害情報
アプリ内で提供できる災害情報は、以下の通りです。
- 地震情報
- 津波警報
- 津波注意報
- NHKワールドの緊急ニュース
- Jアラート(全国瞬時警報システム)
また国際放送オリジナルのニュースを発信することもあります。
ダウンロード先
アプリのダウンロード先は、以下の通りです。
ここまでおすすめの災害アプリを紹介しました。
実は日本政府は訪日外国人の安全を確保するために、災害アプリ以外にもいくつかの緊急施策を考案しています。次で詳しくお伝えしますね。
災害アプリ以外に日本政府が提供する外国人向け施策
ここからは日本政府の緊急施策として、
- 多言語のコールセンター
- 鉄道における災害時の情報提供
- 空港における情報提供とツールの確保
- 国民生活センターの窓口設置
の4つを紹介します。
施策1:多言語のコールセンター
1つ目は「日本政府観光局(JNTO)による多言語のコールセンターを設置したこと」です。
日本政府観光局(JNTO)は、災害にそなえて24時間365日対応できるコールセンターを設置しました。
対応言語は、以下の3つです。
- 英語
- 中国語
- 韓国語
またコールセンターだけでなく、中国版Twitter「Weibo」や中国版LINE「WeChat」など、訪日外国人がよく使うSNSでの情報発信にも取り組んでいます。
施策2:鉄道における災害時の情報提供
2つ目は「鉄道会社による多言語でのアナウンス」です。
災害が発生したとき、鉄道会社では積極的に英語による放送を実施します。また新幹線の窓次や券売機、切符売り場などでも、多言語による運行情報の伝達を心がけます。
施策3:空港における情報提供とツールの確保
3つ目は「空港で多言語対応のできる人材育成と新規雇用」、そして「災害時に役立つツールの確保」です。
空港は、多くの訪日外国人が利用する場所です。そのため多言語に対応できる職員を採用する、研修を強化するなど、人材の確保と育成に力を入れています。
また緊急時には、スマホのバッテリーがなくなることも少なくありません。
十分な連絡手段を確保するために、
- 携帯電話専用の充電機器
- 多数個口のある電源タップ
- モバイルバッテリー
など、必要なツールを用意していきます。
施策4:国民生活センターに相談窓口を設置
4つ目は「国民生活センターに相談窓口を設置したこと」です。
災害時、情報を入手できる手段はなるべく多く用意しておきたいものです。
そこで国民生活センターでは相談窓口を設置し、以下の情報を提供します。
- 災害情報
- 交通情報
- 避難情報
- 避難誘導
- 救急利用
ここまで日本政府が取り組む災害時の緊急施策についてお伝えしました。
実は近年、訪日外国人から「災害情報を発信してほしい」などのニーズが高まっています。
次でその理由を詳しくお伝えしますね。
災害アプリなど訪日外国人向けの情報提供が必要な理由
災害アプリなどによる情報発信が求められる理由は、「2018年に発生した災害で多くの訪日外国人が困ったから」です。
2018年、日本では多くの災害が発生しました。
例えば、
- 大阪北部地震
- 台風21号
- 北海道胆振東部地震
などです。
そしてこれらの災害にともなって、関西国際空港の閉鎖、観光施設やテーマパークの閉園など、想定外のトラブルも発生しました。
しかし緊急のトラブルが起きたとき、多くの情報は日本語で伝えられています。多言語での情報発信が少ないため、困る訪日外国人が少なくありません。
実際に台風21号が発生したとき、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは2日間閉園しました。公式ホームページで閉園情報を掲載したものの、当日はパーク前で困り果てる外国人の姿が見られています。
地震など災害時は、スムーズな情報提供が欠かせません。アプリなどすぐに情報が届くツールを活用するだけでも、訪日外国人がトラブルに巻き込まれる可能性を下げることができます。
スムーズに訪日旅行を楽しめることで、結果として訪日外国人の満足度も高まります。
ホテルや地方自治体、旅行会社などは訪日外国人に災害アプリの情報を提供そ、緊急時にそなえてみてください。
災害アプリなど緊急時に役立つツールをそなえて、訪日外国人の安全を確保
今回は、災害アプリなど緊急時に役立つツールを解説しました。
おさらいすると、紹介したアプリは以下の3つです。
- Safety tips
- 東京都防災アプリ
- NHK WORLD TVアプリ
また日本政府が取り組む緊急施策として、以下の4つをお伝えしました。
- 多言語のコールセンターの用意
- 鉄道における災害時の情報提供
- 空港における情報提供とツールの確保
- 国民生活センターの窓口設置
ホテルや観光施設が災害アプリなどを案内することで、訪日外国人の安全確保につながります。
また災害の経験をもとにインバウンド対策に取り組む例として、関西があります。
詳しくは「台風21号で関西国際空港が閉鎖に。インバウンド産業への影響と災害時に必要な対策とは」をご一読ください。
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