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深度游とは?中国人の新しい旅行スタイルのニーズや成功事例を紹介します

「深度游って何だろう」

と感じている方。

「深度游」とは、ひとつの場所に長く滞在する旅行スタイルです。近年、中国人インバウンド客の間で人気が高まっており、気になる場所を深く味わう人が増えています。

地方自治体が「深度游」のニーズを満たす内容をプロモーションすることで、訪日中国人の集客が期待できます。

とはいえ、深度游の具体的な意味や効果は、なかなかわかりにくいですよね。

そこで今回は、

  • 深度游とは
  • 中国人が深度游を求める理由
  • 深度游をプロモーションして成功した事例

を紹介します。

「いきなり深度游をアピールするのは難しい」と感じるかもしれませんが、概要をつかむだけならハードルは高くありません。

まずは深度游について、ざっくりと理解しましょう!

深度游とは、1ヶ所に長く滞在する中国人の新しい旅行スタイルのこと

「深度游」とは、ひとつの場所に長く滞在する旅行スタイルです。その土地の文化や生活スタイル、環境などをしっかりと理解することから、「深く味わう旅」という意味があります。

深度游はこれまでの旅行スタイルのように、有名な観光地を1度に何ヶ所もめぐることはありません。個人の興味や関心の高い場所を中心に訪れ、ひとつの場所に長く滞在することが多いです。

そして深度游は、近年の訪日中国人の旅行スタイルを示す言葉でもあります。

数年前まで中国人の旅行というと、大きな買い物袋をいくつも手に持っているイメージがあったかと思います。

しかし近年、中国人インバウンド客は買い物だけでなく、日本の文化や習慣、食事など体験を重視することが増えてきました。さらには日本に深く溶け込むような、ゆっくりとその土地を味わう旅を好む人が多いです。

旅行スタイルが変化する背景には、「コト消費」の人気があります。次で詳しくお伝えしますね。

深度游が増加する背景は、「コト消費」の需要の高まりがある

近年、中国人だけでなく多くの訪日外国人が「コト消費」を好んでいます。

コト消費とは、日本の食事や文化、習慣などを体験する旅行スタイルのこと。対して買い物など、消費がメインの旅行を「モノ消費」といいます。

インバウンド消費では、宿泊や飲食が「コト消費」、買い物が「モノ消費」にあたります。

実際にインバウンド消費を見ると、以下のように変化しています。

【2017年】

  • 宿泊代:1兆2,451億円
  • 飲食代:8,857億円
  • 買い物代:1兆6,393億円

【2018年】

  • 宿泊代:1兆3,212億円
  • 飲食代:9,783億円
  • 買い物代:1兆5,763億円

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html

まだまだ買い物代が大きいですが、宿泊代と飲食代も少しずつ増えていることがわかります。

このように訪日外国人のニーズが変化しているため、中国人インバウンド客の求めるものや旅行スタイルも変化していると考えられます。

今までの旅行との違いは、滞在する期間や時間

深度游と今までの旅行の違いは「その土地に滞在する期間や時間」です。

これまでの旅行では、ひとつの場所に何日も滞在することがほとんどありませんでした。スケジュールの決まったツアー客が多く、1日に何ヶ所もまわる必要があったためです。

しかし深度游はひとつの場所を深く味わううえに、インバウンド客は個人や家族、友人と旅行していることが多いです。自由にスケジュールを決めることができるため、ひとつの場所に何日も滞在することがめずらしくありません。

今までの旅行よりもひとつの場所に滞在する時間が長くなるため、そのぶん消費額も大きく増えることが期待できます。

ここまで深度游について解説しました。

とはいえ、中国人が買い物などの「モノ消費」から深度游などの「コト消費」を好むようになった理由は、なかなかわかりにくいですよね。

そこで次は、中国人が深度游を求める理由をお伝えします。

訪日中国人が「深度游」を求める3つの理由

中国人が深度游を好む理由として、

  1. すでに首都圏を旅行した人が多いから
  2. 親子旅行のニーズが高まっているから
  3. ビザ緩和で個人旅行がしやすくなったから

の3つを解説しますね。

理由1:多くの中国人はすでに首都圏を観光しているから

1つ目は「多くの中国人がすでに首都圏を旅行したから」です。

東京や大阪などは「ゴールデンルート」といわれ、訪日旅行の定番ルートとして定着しています。初めての訪日旅行では、このルートをもとに旅行する人も少なくありません。

しかし訪日旅行を何度も経験している中国人は、東京や大阪をすでに訪問していることが多いです。そのため新たな魅力や刺激を求めて、地方への旅行を考えている人が増えています。

そして地方には独自の文化や習慣、郷土料理などがあるかと思います。地方ならではの魅力を味わうために、「深度游」として何日も同じ場所に滞在する人が増えているのです。

「深度游」によって訪日中国人が増えている地方自治体:三重県

三重県は近年、中国人インバウンド客が増えている地方エリアのひとつです。実際に三重県を訪問するインバウンド客のうち、約40%は中国人だといわれています。

その理由は、以下の2つ。

  • 三重県は大阪や京都など定番の観光地からアクセスしやすい
  • 「食(伊勢海老)」や「文化(伊勢神宮や伊賀忍者)」など、さまざまな角度から楽しめる

食事や文化など、コト消費のニーズを満たせる観光資源が少なくありません。その結果、多くの中国人インバウンド客が三重県を訪問しています。

出典:わらしべBiz「訪日インバウンド最新動向:「爆買い」より「深度游」?そのワケは」
https://warasibe.jp/column/488

理由2:中国では親子旅行のニーズが高まっているから

2つ目は「親子旅行のニーズが高まっているから」です。

実は中国では、以下2つの理由から親子旅行を計画する人が増えています。

  • 2014年に放送した親子旅行のテレビ番組がヒットしたから
  • 小学校で夏休みの体験を新学期に発表する必要があるから

中国の小学校では、夏休みに体験したことを発表やレポートとして提出することが少なくありません。子供たちに思い出にも学習にもなる体験をさせるために、保護者の方は夏休み前から題材を探しています。

その体験として、日本の地方での文化体験などが選ばれることも。実際に、日本政府観光局(JNTO)なども、親子旅行をプロモーションしています。

このようなニーズから、地方での深度游をテーマとした親子旅行はさらに増えることが期待できます。

理由3:ビザ緩和によって、個人旅行をしやすくなったから

3つ目は「ビザ緩和によって個人旅行をしやすくなったから」です。

今まで中国人が訪日旅行をするとなると、団体旅行での訪問が必要でした。中国人の個人へのビザ発給には、経済力などさまざまな条件があったためです。

しかし2019年のビザ緩和によって、以下に該当する人は個人の観光ビザを申請できるようになりました。

  • 一定の経済を有する者とその家族
  • 一部の大学生や大学院生、卒業生

滞在期間も15日、または30日と長く、地方まで足を伸ばすことも可能です。

個人で旅行しやすくなったため、深度游のニーズがさらに高まると予想されます。

中国人へのビザ緩和について、詳しくは「【2019年版】外務省は中国など一部の国へビザ緩和を実施。インバウンド客への効果や影響も解説します」をご一読ください。

ここまで深度游が求められる理由を解説しました。

次は、実際に深度游をアピールして成功した事例を紹介します。

中国人に「深度游」をアピールした事例:朝日新聞社と九州エリア

株式会社朝日新聞社は、2016年に「潮日本(旧名:日本購物攻略)」で、深度游をアピールする新連載「日本深度游攻略」をスタートしました。

この連載は、株式会社i.JTBが運営する訪日旅行の予約サイト「JAPANiCAN.com」の中華圏出身のスタッフが担当しています。

第1回目の連載では、九州各県の魅力をアピール

第1回目の連載では、九州にある各都道府県の魅力をアピールしています。

またこの年は熊本地震が発生していたことから、「九州ふっこう割」を企画。JTBが取り扱う宿泊施設を紹介し、予約の増加につながるように工夫しました。

またサイト内では、日本にある企業や自治体のPR記事を配信。さらに値引きクーポンなども配信することで、購入や訪問につなげています。

その結果、九州を訪問する中国人の数は以下のように変化しています。

  • 2015年:19万8,594人
  • 2016年:20万7,800人
  • 2017年:23万1,040人

またクルーズ船を使った入国者数も含めると、2017年に九州を訪問した中国人インバウンド客は184万9,446人を記録しました。

出典:国土交通省「九州の外国人入国者数」
http://wwwtb.mlit.go.jp/kyushu/toukei/kankou/file04.htm

中国人向けメディアなどで深度游をアピールすることで、地方に中国人インバウンド客が増える可能性は十分あります。

「深度游」のアピールで、地方に中国人インバウンド客を呼び込む

今回は「深度游」について解説しました。

おさらいすると、深度游とは中国人の新たな旅行スタイルです。その土地の文化や生活スタイル、環境などを深く理解するために、ひとつの場所に長く滞在します。

中国人が「深度游」を求める理由は、以下の3つです。

  1. すでに首都圏を旅行した人が多いから
  2. 親子旅行のニーズが高まっているから
  3. ビザ緩和で個人旅行がしやすくなったから

そして「深度游」をアピールした事例として、朝日新聞社を紹介しました。朝日新聞社のメディアで九州を紹介したことによって、中国人インバウンド客の数が増えています。

地方はその土地での深度游をプロモーションすることで、中国人インバウンド客の増加が期待できます。

また「深度游」は、スローツーリズムと似ているところがあります。

スローツーリズムについて、詳しくは「スローツーリズムとは?意味や効果、地方自治体の取り組み事例などを紹介します」をご一読ください。

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