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日本の観光地がノーモアツーリズムを主張。観光公害の事例と対策を解説します

「ノーモアツーリズムって何だろう…」

と感じている方。

ノーモアツーリズムは、観光地が「観光客はもうごめんだ」と拒否することです。

というのも日本や海外で、観光客の増加による混雑やポイ捨てなど「観光公害」の事例が報告されています。その結果、日常生活に支障が生じて地域住民が「もう観光しないでほしい」と主張しているのです。

地方自治体などは観光公害の事例を知っておくことで、地域住民の生活を守りながら観光客を受け入れることが可能です。

とはいえ、観光公害の具体的な事例は、なかなかわかりにくいですよね。

そこで今回は、

  • オーバーツーリズムによる観光公害の事例:海外と日本
  • ノーモアツーリズムにつながる観光公害の原因は観光客の変化
  • 観光地でのノーモアツーリズムを防ぐ観光公害への対策3つ

を紹介します。

「いきなり対策を実行するのは難しい」と感じるかもしれませんが、概要をつかむだけならハードルは高くありません。

まずは実際に起きている観光公害の事例について、ざっくりと見ていきましょう!

オーバーツーリズムによる観光公害の事例:海外と日本

多くの観光公害は「オーバーツーリズム」によって発生しています。

オーバーツーリズム(Over Tourism)とは「観光地の許容量を超える観光客が訪問し、観光資源を過剰に利用している状態」です。

その結果、地域で以下のような観光公害が発生しています。

【観光公害の例と影響】

観光公害 影響
渋滞や混雑 地域住民が公共交通機関を利用できなくなる、日常生活を送れない
ゴミのポイ捨てや悪臭、騒音 環境整備の費用の増加、健康被害
ギャンブルや飲酒によるトラブル 治安の悪化、イメージダウン
物価の高騰 家賃の値上がりなどで地域住民の住居が確保できない
観光客の私有地への立ち入り プライバシーの侵害、デモ

次は、観光公害の具体的な事例をお伝えしますね。

日本の事例:京都市

日本からは京都市の祇園など一部エリアで報告されている観光公害として、

  1. 雰囲気や景観を損なうマナー違反
  2. 交通機関の混雑など地域住民の生活への影響
  3. 外資系企業の進出による、地元企業や自治体の収益減少

の3つを紹介します。

事例1:雰囲気や景観を損なうマナー違反

1つ目は「雰囲気や景観を損なうマナー違反」です。

京都市の祇園や東山など一部エリアでは観光客の増加によって、以下のマナー違反が増えました。

  • ゴミのポイ捨て
  • 道端での座り込み
  • 撮影禁止スポットでの撮影
  • 落書き
  • 禁煙スペースでの喫煙
  • 飲食店への持ち込み、注文しないまま長居

その結果、街の景観が損なわれる、地域住民が対応に追われるなどの問題が発生しています。

事例2:交通機関の混雑など地域住民の生活への影響

2つ目は「交通機関の混雑など地域住民の生活への影響」です。

特にインバウンド客は、電車やバスなど公共交通機関を利用することが少なくありません。しかし電車やバスは、地域住民も利用するものです。

特に観光客が増える春や秋のシーズンは、混雑によって通勤や通学ができないなど、日常生活に支障をきたすことがあります。

事例3:外資系企業の進出による、地元企業や自治体の収益減少

3つ目は「外資系企業の進出による、地元企業や自治体の収益減少」です。

京都は宿泊施設が増えていますが、出店しているのは日本企業だけではありません。外資系企業が出店していることも多く、その場合は地域に利益が入りにくくなります。

また観光客の増加によってバスの本数を増やす、警備員を配置するなどの対応に追われていますが、整備費用は地域の税金から支払います。京都市が得るお金が少ないので、外資系企業が進出することはメリットが少ないようです。

海外の事例:スペインのバルセロナ、オランダのアムステルダム

次は海外の事例として、

  • スペイン:Airbnbなど民泊の増加による地域住民が使う空室の減少
  • オランダ:若い観光客の増加による騒音や軽犯罪などの発生

の2つを紹介しますね。

スペイン:Airbnbなど民泊の増加による地域住民が使う空室の減少

1つ目はスペインのバルセロナで起きている「Airbnbなど民泊の増加による地域住民が使う空室の減少」です。

スペインのバルセロナは観光都市でもあるので、Airbnbなど民泊が増加しています。しかしAirbnbはマンションやアパートを使うため、空室が減りかねません。

その結果、地域住民が住居として借りる部屋が少なくなり、引っ越し先が見つからなくなっています。

オランダ:若い観光客の増加による騒音や軽犯罪などの発生

2つ目はオランダのアムステルダムで起きている「若い観光客の増加による騒音や軽犯罪などの発生」です。

オランダのアムステルダムはナイトスポットの多さから、若者に人気の旅行先でもあります。

しかしそのぶん飲酒による騒音やケンカ、軽犯罪などが発生するようになりました。

次は、観光公害の原因を詳しく解説しますね。

観光公害の原因は観光客の変化

観光公害の原因は、主に「観光客の変化」です。

実は先ほど紹介した京都は、観光客が爆発的に増えているわけではありません。データを見ると、むしろ減少傾向にあります。

【京都府の観光入込客数】

  • 2014年:約8,375万人
  • 2015年:約8,748万人
  • 2016年:約8,741万人
  • 2017年:約8,687万人
  • 2018年:約8,505万人

しかし内訳を見ると、インバウンド客は毎年増えています。

【外国人宿泊客数】

  • 2014年:約186万人
  • 2015年:約321万人
  • 2016年:約325万人
  • 2017年:約361万人
  • 2018年:約459万人

出典:京都府「平成30年京都府の観光入込客数等について~観光消費額、外国人宿泊客数が過去最高を更新~」
https://www.pref.kyoto.jp/kanko/news/2019/6/documents/sankou3.pdf

インバウンド客は自国の文化をもとに育ったので、日本人と文化や習慣が異なります。

旅行中も自国の習慣をもとに行動するので、一部のふるまいは日本で「マナーが悪い」といわれるのです。

ここまで観光公害の原因を紹介しましたが、ノーモアツーリズムを防ぐことは可能です。次でその対策を紹介しますね。

観光地でのノーモアツーリズムを防ぐ観光公害への対策3つ

次は観光公害への対策として、

  1. 観光客に向けてマナーやルールを提唱する
  2. 宿泊者を対象とする税制度を導入する
  3. 観光スポットで事前に予約をしてもらう

の3つを紹介しますね。

対策1:観光客に向けてマナーやルールを提唱する

1つ目は「観光客に向けてマナーやルールを提唱する」です。

観光客のマナー違反には、多言語やピクトグラムを活用してマナーやルールを伝えるのがおすすめです。

例えば京都市では、舞妓さんの無断撮影が問題になっていました。そこで祇園では、撮影禁止を伝える立て札を設置しています。イラストを使って撮影や飲食、私有地への踏込みなどを控えるように伝えています。

マナー問題の解決につながるインバウンド対策は、「訪日外国人のマナー問題が深刻化。異文化を理解し、適切なインバウンド対策を進めよう!」をご一読ください。

対策2:宿泊者を対象とする税制度を導入する

2つ目は「宿泊者を対象とする税制度を導入する」です。

地域の利益を増やすためには、観光税など地域に入る税金を導入するのがおすすめです。宿泊税などの導入は、結果として観光客を分散させることも少なくありません。

新たな収入源となるうえに、観光客の増加による混雑や渋滞の解消も期待できます。

対策3:観光スポットでは事前に予約してもらう

3つ目は「観光スポットでは事前に予約してもらう」です。

事前予約の制度を導入することで、混雑の解消が期待できます。

例えば岐阜県の白川郷ではライトアップを開催していますが、2019年より事前予約の制度を導入しました。観光ベンチャーNOFATE株式会社の協力によって予約を管理し、オーバーツーリズムの解消に成功しています。

観光客の数を限定することで混雑を解消し、地域住民の日常生活もスムーズに送れるようになります。

観光公害によるノーモアツーリズムを防ぎ、地域住民の生活を守る

今回は、観光公害の事例やインバウンド対策について解説しました。

おさらいすると、観光公害として以下のような事例が報告されています。

  1. 雰囲気や景観を損なうマナー違反
  2. 交通機関の混雑など地域住民の生活への影響
  3. 外資系企業の進出による、地元企業や自治体の収益減少
  4. Airbnbなど民泊の増加による地域住民が使う空室の減少
  5. 若い観光客の増加による騒音や軽犯罪などの発生

そしてノーモアツーリズムを防ぐ対策として、以下の3つをお伝えしました。

  1. 観光客に向けてマナーやルールを提唱する
  2. 宿泊者を対象とする税制度を導入する
  3. 観光スポットで事前に予約をしてもらう

観光公害によるノーモアツーリズムを防ぐことで、住民の生活を守りながら地域活性化を実現できます。

また観光公害を減らしたあとは、持続可能な観光「サスティナブルツーリズム」を考えることも必要です。

サスティナブルツーリズムについて、詳しくは「サスティナブルツーリズムとは?環境や文化を守ることが、持続的な観光客の呼び込みに」をご一読ください。

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