DMO(Destination Management Organization)とは?地域においてインバウンドを獲得する仕組みを解説

「DMOって何だろう?インバウンド客を獲得するためには、どのように活用すればいいのかな…」

と思っている方。

DMOは「Destination Management Organization」の略で、「観光地域づくりを実現するための戦略を考える組織」を指します。海外ではすでに実績があり、インバウンド観光を考えるうえで注目されている仕組みです。

とはいえ、具体的にどのようなものかはわかりにくいですよね。

そこでこの記事では、

  • DMOとは「地域がインバウンド観光を主導していくための組織」のこと
  • 日本版DMOに必要な3つの役割
  • 日本版DMOを設立するには
  • 国内のDMO事例3選

の順にお伝えします。

横文字が多くてハードルが高そうに感じますが、概要を押さえることは難しくありません。

まずはこの記事でDMOについて知りましょう!

DMOとは「地域がインバウンド観光を主導していくための組織」のこと

DMOとは「地域がインバウンド観光を主導していくための組織」です。DMOでは観光地を盛り上げるために行政と民間が一体となり、マーケティングやマネジメントを用いてインバウンド観光に取り組みます。

すでに海外では実践されている取り組みで、代表的な例が「バルセロナ観光局」です。

バルセロナ観光局は1994年のバルセロナオリンピック開催に向けて、市と商工会議所が一緒になり作られました。

これまで、

  • 独自の観光商品の製作、販売
  • ツーリズムバスの運営
  • FCバルセロナを活用した旅行企画
  • コンベンション誘致

など、さまざまな取り組みを実施しています。

結果として、当初450万人だった宿泊者数が2013年には1,600万人まで増加。収入も400万ユーロ(約5.2億円)から4,400万ユーロ(約57.3億円)まで大幅に増えています。

日本でDMOが初めて取り上げられたのは、2014年12月27日に閣議決定された「まち・ひと・しごと創生総合戦略」です。

そして「まち・ひと・しごと創生基本方針2015」の中で、

  • 地域の観光を戦略的に盛り上げるために日本版DMOを確立すること
  • 欧米の事例を参考に、日本版DMOを早急に育成すること

が示され、欧米型のプロフェッショナルな組織をモデルとして日本版DMOを構築することが、地方創生の柱の1つとなりました。

出典:まち・ひと・しごと創生基本方針2015

日本版DMOに必要な3つの役割

日本版DMOに必要とされている役割は3つです。

  1. さまざまな関係者を巻き込み、ノウハウを積極的に取り込むこと
  2. 必要なデータの収集や分析をしっかりと行うこと
  3. 行政の発想だけにとらわれず、民間の手法を導入すること

このように日本版DMOでは、これまでの地域の観光開発で不足していた部分をしっかりと確立させることが求められています。

さまざまな垣根を越え、データにもとづいた効果的なアクションを積極的に採用することが日本版DMOの基本スタンスです。

DMOと観光協会の違いは?

日本には以前から「観光協会」があるため、「DMOと観光協会はどう違うの?」という疑問が生じるかと思います。

DMOが観光協会と異なるポイントは主に、

  1. 行政の区域に制限されずに動くこと
  2. 行政のように公平性に縛られず、成果を上げるために動くこと

の2つです。

観光協会は行政の許可や指導を受けることにより、組織としての意思決定が遅れがちな点がデメリットでした。

DMOでは地域が主体となってアクションが取りやすい仕組みが整えられており、観光協会の短所を解消しています。

次は、実際に日本版DMOを設立する手順についてお伝えしますね。

出典:観光庁「日本版DMOとは?」

日本版DMOを設立するには

日本版DMOを設立するには、まずは活動する範囲に応じた区分を選ぶことが必要です。

  1. 広域連携DMO:いくつかの都道府県にまたがるDMO
  2. 地域連携DMO:いつくかの地方公共団体にまたがるDMO
  3. 地域DMO:単独市町村のDMO

区分を選んだうえで、登録に必要な要件を満たしているか審査されます。日本版DMO必要な要件は、

  1. 観光地域づくりにおいて、さまざまな関係者の合意形成ができること
  2. データの継続的な収集・分析と、データにもとづいた戦略、KPI、PDCAサイクルが確立されていること
  3. 観光事業と戦略をマッチさせる仕組み作りとプロモーションの実施

の3つ。

以上をはっきりとさせたうえで所定の申請書を作成し、地方公共団体と連名で提出します。

ちなみに平成30年3月30日時点の登録件数は、

  1. 広域連携DMO:7件
  2. 地域連携DMO:39件
  3. 地域DMO:24件

の合計70件です。登録された法人や活動計画については『観光庁「日本版DMO及び日本版DMO候補法人の登録一覧」』から確認できます。

次は、国内のDMO事例についてお伝えしますね。

出典:観光庁「日本版DMOになるには」

国内のDMO事例3選

ここでは、国内のDMO事例を3つご紹介します。

  1. 広域連携DMO「せとうちDMO」
  2. 地域連携DMO「ふらの観光協会」
  3. 地域DMO「NPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構」

1. 広域連携DMO「せとうちDMO」

せとうちDMOでは、米国の観光客が2010年間からの4年間で高い伸び率を記録していることに着目。その立役者である米国の政府観光局「ブランドUSA」が行っている、

  • 市場の選考方法
  • トラベルライフサイクルの考え方

などを、戦略の参考にしています。

具体的な取り組みは、

  • ドライブ旅行の認知度向上と周遊促進
  • 瀬戸内おみやげコンクール
  • 観光活性化ファンド等を通じた事業者支援

などです。

出典:広域連携DMO「せとうちDMO」

2. 地域連携DMO「ふらの観光協会」

ふらの観光協会は「富良野・美瑛」のブランディングを目指し、6市町村の行政と各観光協会を中心に交通・食関連事業者など27団体で構成されたDMOです。

「旅前」「旅中」「旅後」それぞれのフェーズで個々の施策を進めながら、全体としてマーケティングデータを収集・分析し事業化につなげています。

具体的な取り組みは、

  • 眺望の良い場所をピックアップしてベンチを設置する「田園テラス」計画
  • 二次交通(循環バス、シャトルバス、レンタサイクルなど)の仕組みの整備
  • 外国語にも対応できる「スキーホスト」の育成

などです。

出典:地域連携DMO「ふらの観光協会」

3. 地域DMO「NPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構 」

阿寒観光協会まちづくり推進機構は、阿寒湖温泉地区の観光客減少に危機感をもった住民が主体となってつくられたNPO法人によるDMOです。

入湯税を見直すことで財源を確保し、

  • ウェルカムゾーンの「阿寒フォレストガーデン」の整備
  • アドベンチャーツーリズムのプロジェクト開発
  • アイヌ文化を体験できる「阿寒パロコロプロジェクト」の推進

などを実施しています。

出典:地域DMO「NPO法人 阿寒観光協会まちづくり推進機構 」

DMOは地域のインバウンド観光を盛り上げる起点になる

ここまでDMOについてお伝えしました。

おさらいすると、DMOとは「地域がインバウンド観光を主導していくシステム」のことです。

DMOを採用し、地域がメインとなって観光を推し進めることで、地域が伝えたい魅力をより効果的に広めることができます。そのためには、

  1. さまざまな関係者を巻き込み、ノウハウを積極的に取り込むこと
  2. 必要なデータの収集や分析をしっかりと行うこと
  3. 行政の発想だけにとらわれず、民間の手法を導入すること

の3つが必要とされており、地域の目線とマーケットの目線を融合させることがDMOの真の役割です。

今後増えていく訪日外国人観光客(インバウンド)を獲得するためにも、DMOは地域にとって欠かせない存在となるに違いありません。

地方のインバウンド獲得については「コト消費がインバウンド産業に与える影響とは?地方はモノ消費と絡めて集客につなげよう」をご一読ください。

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