サブカルチャーとは?訪日外国人の集客には、日本の伝統文化との融合がカギ

「海外から人気のサブカルチャーって、いったいどんなものがあるんだろう…」

と感じているインバウンド担当の方。

サブカルチャーとは、「社会の主流から外れた少数派の文化」であり、一部の人を中心に支持されています。アニメやマンガ、コスプレなどが当てはまり、これらは海外からの人気も高い日本文化の1つです。

日本のサブカルチャーに興味を持つ外国人は多いものの、まだまだ来日のきっかけにはなっていません。観光庁のアンケートで、訪日外国人に旅行中の目的を聞いたところ、

  • 日本食を食べること:71.2%
  • ショッピング:54.5%
  • 自然や景勝地の観光:47.9%

と、伝統的な日本文化を楽しみにしている人がほとんどです。対してサブカルチャーを目的とする人は、

  • 日本のポップカルチャーを楽しむ:10.4%
  • 映画やアニメに関係ある土地を訪問:4.9%

と、かなり少ないです。

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 平成 28 年 年次報告書」

この結果を見ると、本当にサブカルチャーが人気なのか、疑問を感じてしまいますよね。

そこで今回は、

  • サブカルチャーとは
  • サブカルチャーを使って観光客を呼び込む方法
  • アニメを通して訪日外国人の集客に成功した埼玉県の事例

を紹介します。サブカルチャーを使った集客と聞くと「難しそう…」と感じますが、その方法は意外と簡単です。

まずはサブカルチャーについて、大まかに理解しましょう。

サブカルチャーとは、社会の主流から外れた少数派の文化

サブカルチャーとは、「社会の主流から外れた少数派の文化」のことです。文学や美術、演劇など社会の中心となる文化に対して、一部の人々が中心となっている文化のことを指しています。

日本では、マイナーな趣味や嗜好、価値観など、伝統の反対にある文化のことをまとめて「サブカルチャー」と呼んでいます。

サブカルチャーに関係のある文化:メインカルチャーやハイカルチャー、ポピュラーカルチャー

サブカルチャーの対義語である、メインカルチャー、ハイカルチャーも知っておくと、サブカルチャーをより深く理解できます。

【メインカルチャー】

  • サブカルチャーの対義語。大学で学問として研究されているものや、新聞や雑誌で論評の対象となるもの。
  • 例)文学や美術、演劇、古典芸能など

【ハイカルチャー】

  • メインカルチャーの中でも、特に伝統的な文化のこと。学問や文学、美術、音楽などのうち、知識人や権力者などの社会的な地位がある人が好むもの。
  • 例)狂言や能、オペラ、バレエ、茶道など

そしてこれらと対照的な文化が「ポピュラーカルチャー」であり、サブカルチャーはこのポピュラーカルチャーの1つです。

【ポピュラーカルチャー】

  • 多くの人が広く愛好する文化。
  • 例)ポップミュージックやテレビ番組、スポーツなど

サブカルチャーの具体例:アニメやマンガから、パソコン、インディーズ音楽まで

サブカルチャーは例えば、

  • アニメ
  • マンガ
  • ゲーム
  • コスプレ
  • フィギュア

などが代表的なものです。

それだけでなく、

  • パソコン
  • PCパーツ
  • ラジオ

などの電子機器や、

  • ロリータなどの個性的なファッション
  • 古着
  • インディーズ系バンドの音楽

など、若者を中心に人気の文化も当てはまります。

サブカルチャーは日本だけでなく、海外からも人気があります。そのためサブカルチャーがきっかけで、日本に興味を持つ人も増えています。

しかし冒頭でもお伝えしたように、サブカルチャーはまだまだ日本を訪れるきっかけや目的にはつながっていません。

いったいどのようにサブカルチャーを活用すれば集客につながるのか、その方法を解説します。

サブカルチャーを訪日外国人の集客に役立てる方法とは?

サブカルチャーは、外国人が魅力的に感じる日本文化の1つです。

にもかかわらず、日本のポップカルチャーを楽しむ、アニメや英語の聖地を訪れることを目的として来日する外国人は、まだまだ多くありません。

実は、訪日外国人を呼び込むツールとしてサブカルチャーを活用するには、日本文化と絡めたアピールが欠かせません。その理由をお伝えします。

以下で使用するデータは、内閣府の調査を参考にしています。

出典:内閣府「クールジャパンの再生産のための外国人意識調査」

サブカルチャーは、外国人が良いと思う日本文化の1つ

サブカルチャーであるアニメやマンガは、外国人が良いと思う日本文化の1つです。内閣府の調査によると、実際に日本に興味を持ったきっかけにアニメ、マンガ、ゲームをあげている外国人は、

  • ヨーロッパ:75.0%
  • アジア:56.6%
  • アメリカやカナダ:23.1%

にものぼり、特にヨーロッパからの注目度が高いことがわかります。『セーラームーン』や『ドラゴンボール』など、日本でも名作と言われる作品が人気です。

このようにサブカルチャーは、日本に興味を持つ十分なきっかけとなっています。

サブカルチャーを目的に来日する観光客はまだまだ少ない

観光庁のアンケートを見ると、サブカルチャーやポップカルチャーが目的で来日した人は、

  • 日本のポップカルチャーを楽しむ:10.4%
  • 映画やアニメに関係ある土地を訪問:4.9%

という結果です。サブカルチャーを目的に来日する外国人はまだまだ少ないと言えます。

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 平成 28 年 年次報告書」

この結果には、近年の旅行スタイルの変化が関係しています。

以下で詳しく紹介します。

日本の伝統文化とサブカルチャーを絡めれば、訪日外国人の集客につながる

訪日外国人の旅行スタイルは、着物を着ることや温泉に入ること、日本食を食べることなど、「コト消費」という体験を重視した内容に変化しています。

観光庁のデータでも来日の目的として、

  • 日本食を食べること:71.2%
  • ショッピング:54.5%
  • 自然や景勝地の観光:47.9%

と答える人が多いです。

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 平成 28 年 年次報告書」

他にも、

  • 温泉への入浴:29.6%
  • 日本の歴史や伝統文化の体験:16.8%
  • 美術館や博物館を訪れる:13.9%

と、“美術”や“伝統芸能”など、日本の伝統的な文化も含まれています。

そして内閣府の調査によると、日本の伝統文化に興味のある人は、

  • ヨーロッパ:32.0%
  • アジア:9.9%
  • 北米:20.3%

と、特に「ヨーロッパなど欧米圏からの関心が高い」という結果が出ています。

この結果を見ると、「伝統芸能に興味があるならば、サブカルチャーをアピールしても意味がないかも」と思いますよね。

しかし日本に興味を持ったきっかけでは、アニメやマンガが支持を集めていました。訪日外国人は、日本の伝統的な文化とサブカルチャーの、両方に興味がある人が多いのです。

伝統文化とサブカルチャーを組み合わせれば、どちらに興味のある人にも、まんべんなくアプローチができるはずです。

サブカルチャーが集客に役立つことをお伝えしましたが、実際にサブカルチャーをどのように伝統文化と組み合わせるのか、なかなかイメージしにくいですよね。

そこでアニメ「らき☆すた」とおみこしを組み合わせて、訪日外国人の呼び込みにつなげた埼玉県の事例を紹介します。

埼玉県の事例:アニメ「らき☆すた」のおみこしを用意、世界中から観光客が集まる

埼玉県の久喜市は、女子高生の日常を描いた人気アニメ「らき☆すた」の舞台です。久喜市は聖地巡礼の代表的な場所であり、「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」にも選ばれています。

そしてこの久喜市は、関東で最大級のお祭り「土師(はじ)祭」が開催される場所でもあります。お祭りやおみこしは日本の伝統的な文化であり、海外で体験するチャンスはなかなかありません。

そこで久喜市は、らき☆すたのキャラクターが描かれたおみこしを2008年から用意しています。おみこしはファンや外国人など誰でも担ぐことができ、キャラクターの名前をかけ声としながら進んでいきます。

おみこしのほかにも、

  • コスプレイベント
  • スタンプラリー

などを、一緒に開催しています。

久喜市が選ばれている「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」については、「アニメツーリズムインフォメーションが成田空港にオープン。インバウンドの消費促進も狙った仕掛けとは?」で詳しく紹介していますので、気になる方はチェックしてください。

「らき☆すた」のおみこしがきっかけで、外国人の観光客が増えている

2008年から10年続く「らき☆すた」のおみこしは、外国人の観光客が増えるきっかけにもなっています。

もともと2007年には3万人だったお祭りの参加者が、「らき☆すた」のおみこしをはじめてから、

  • 2008年:5万人
  • 2014年:7万5千人

と増加しています。

外国人の観光客は、まだまだ中国や台湾など東アジアが中心です。しかし近年は、北米やヨーロッパからの参加者が増えるなど、世界中から参加者が集まっています。

他にも聖地巡礼をする人が増えてから、「らき☆すた」のキャラクターが描かれている絵馬型の携帯ストラップを販売するイベントも開催しています。

このストラップはこれまでに合計で3万5,000個、2億2,000万円を売り上げる結果に。訪日外国人を呼び込むだけでなく、消費アップのきっかけにもなっています。

このように日本の伝統文化とサブカルチャーを絡めることで、より幅広い外国人の観光客へのアプローチが可能に。サブカルチャーが、訪日外国人の増加につながることが期待できます。

「らき☆すた」の聖地巡礼については、「聖地巡礼」でインバウンド需要を加速させる!参考にすべき3つの事例と自治体側に必要な姿勢」で詳しく紹介しています。合わせてチェックしてみてください。

サブカルチャーと日本文化を絡めれば、訪日外国人を増やすきっかけになる

ここまでをおさらいします。

サブカルチャーとは、文学や美術、演劇など社会の中心となる文化に対して、一部の人々が中心となっている少数派の文化を指しています。

日本では特に、マイナーな趣味や嗜好、価値観などをまとめて「サブカルチャー」と呼んでおり、アニメやマンガ、コスプレ、ロリータファッションやインディーズ系バンドの音楽などが当てはまります。

サブカルチャーは、海外から人気の日本文化の1つです。実際にアニメやマンガがきっかけで日本に興味を持った人は、

  • ヨーロッパ:75.0%
  • アジア:56.6%
  • アメリカやカナダ:23.1%

もいることが、内閣府の調査で明らかになっています。

しかしサブカルチャーを目的として来日する人は、まだまだ多くありません。

これには訪日外国人の旅行スタイルの変化が関係しています。外国人は日本の伝統文化の体験である「コト消費」を求めているのです。

そのためサブカルチャーと伝統文化を絡めることで、訪日外国人のニーズを満たし、来日のきっかけになることが予想されています。

実際の事例として、アニメ「らき☆すた」とおみこしを掛けあわせた、埼玉県の久喜市を紹介しました。久喜市は、「らき☆すた」のキャラクターが描かれたおみこしを2008年から用意し、

  • 2008年:5万人
  • 2014年:7万5千人

と、参加者の数を増やし続けています。

さらにはキャラクターの描かれた絵馬型ストラップを販売し、合計で3万5,000個、2億2,000万円の売上を記録しています。

このようにサブカルチャーを日本の伝統文化と絡めてアピールすれば、興味のある外国人が訪れるきっかけに。そして訪日外国人が増えるだけでなく、消費アップも期待できます。

サブカルチャーの1つとして、「ロボットレストラン」も訪日外国人から人気を集めています。集客方法が気になる方は、「新宿歌舞伎町「ロボットレストラン」がインバウンド集客に成功した4つの理由とは?口コミやSNSでの拡散がカギ」をチェックしてみてください。

PR: ANAの広告媒体で訪日旅客に街の魅力をお届け!

ANAのブランド力、航空媒体という特殊性で、地域や街のブランディングや商品・サービスのPRをお手伝いします。


お問い合わせはこちら:

インバウンドNOW運営事務局

担当:陳、田中

proj_ana_media@g.s-cubism.jp

関連記事

  1. 【インバウンド対策】ニセコにオーストラリア人を集めた方法とは?

  2. 沖縄美ら海水族館がインバウンドに、人気の観光地ランキングで第18位にランクイン。その理由とは?

  3. 健康維持が目的のウェルネスツーリズム。資源豊富な日本で、新たなインバウンド対策になるか?

  4. ランドオペレーターはインバウンドの満足度を決める。役割や登録手続きなどを解説

  5. インバウンドに人気の奈良公園。インバウンド獲得に向けて官民一体となった取り組みがスタート

  6. タイのサッカー選手・ティーラシンがサンフレッチェ広島へ加入。訪日タイ人への影響と地方へ呼び込む方法と…

  7. 訪日外国人のレンタカー利用率は?地方への集客と事故防止には、多言語の交通マニュアルを用意しよう

  8. 【2018年版】ウェルネストラベルとは?観光×健康でインバウンド獲得のチャンス!

メールマガジン



PR


インバウンド資料ダウンロード



アーカイブ

人気記事ランキング

おすすめ記事

PAGE TOP