QQとは?訪日中国人の利用アプリに幅広く対応することが、集客や消費アップにつながる

「訪日中国人のよく使うアプリってWeChatしかないのかな…」

と思っている小売店の方。

中国では、QQというメッセンジャーアプリもよく使われています。2018年時点で約6億4千万人のユーザー数を記録している人気アプリです。

WeChatとQQの大きな違いは、QQにのみ“アバター作成やコミュニティへの参加などSNSの機能”があることです。そのため中国人は、「WeChatを仕事用」「QQをプライベート用」と使い分けることがほとんど。

そのためWeChatだけでなく、ほかのアプリを使ったインバウンド対策を導入することで、さらなる訪日中国人の集客が期待できます。

とはいえ、QQを使ってどのように対策できるのか、なかなかわかりにくいものですよね。

そこで今回は、

  • QQとは
  • インバウンド対策に活用できるQQの機能
  • QQを使って訪日中国人への対策をした大丸松坂屋の事例

を紹介します。「中国のアプリを使うのは難しそう…」と感じますが、その方法は意外と簡単です。

まずはQQについて、ざっくりと理解しましょう。

QQとは、約6億4千万の中国人が使うメッセンジャーアプリ

「騰訊(テンセント)QQ」(以下、QQ)は、中国のメッセンジャーアプリです。騰訊控股有限公司(以下、テンセント)が、1999年から提供しており、2018年時点でQQのアクティブユーザー数は、約6億4千万人を記録しています。

QQはすべて無料です。アカウント登録のときに渡される、9桁の番号を伝え合って友達になれば、メッセージの送受信や音声通話などが利用できます。

QQで利用できる機能一覧:連絡手段やSNSとして利用できる

QQは、「連絡手段」だけでなく、「SNS」としても利用できます。

QQの機能は、以下の通りです。

【連絡手段】

  • テキストメッセージ
  • 音声メッセージの送付
  • 音声通話
  • ビデオ通話
  • グループ通話
  • 写真の送付
  • ドキュメントなどファイルの送付

【SNS】

  • アバターの作成
  • 同じ趣味の人が集まるコミュニティへの参加
  • オンラインゲーム
  • ミニブログの公開

こうして見ると、日本のポータルサイト兼SNSである「Mobage(モバゲー)」やコミュニティに参加できる「mixi」、実名制のSNS「Facebook」などに近いサービスですね。

QQは日本語版も用意されており、Apple Storeと、Google Playからダウンロードできます。

QQとWeChatの違い:QQのみSNSの機能があること

ここまでQQが中国で、約6億4千万人に使われているアプリであることをお伝えしました。

しかし中国のメッセージアプリといえば、微信(以下、WeChat)をイメージする方が多いかと思います。

WeChatもQQと同じ、テンセントが開発しているメッセンジャーアプリです。WeChatは2011年からサービスを提供しており、ユーザー数は約9億人にものぼります。

ところがこの2つには、機能面で大きな違いがあります。以下で詳しく解説します。

WeChatにSNSのような機能はない

まずWeChatの機能は、

  • テキストメッセージでのやり取り
  • 音声メッセージでのやり取り
  • 音声通話
  • 決済機能(WeChat Pay)
  • タイムラインへの投稿

などがあり、すべて無料で利用できます。日本で使われているLINEと似ていますね。

しかしWeChatには、QQで利用できた以下の機能がありません。

  • アバターの作成
  • コミュニティへの参加
  • 音楽や動画の共有
  • オンラインゲーム
  • ミニブログ

機能が違うため、中国人にとってWeChatは連絡手段、QQはSNSという感覚です。

そのため多くの中国人が、

  • WeChat:ビジネス
  • QQ:ビジネスとプライベート

と使い分けているようです。

機能は違っても、多くの中国人のスマホにはWeChatとQQの両方がダウンロードされています。そのためWeChatだけでなく、QQを活用したインバウンド対策もできるはずです。

次はQQの中でも、特に訪日中国人への対策に役立つ2つの機能を紹介します。

QQのインバウンド対策:「QQお出かけ日本」と「QQ Wallet」を使って、快適な旅行を提供

QQの以下の機能は、インバウンド対策にも活用できます。

  • QQお出かけ日本
  • QQ Wallet

まずは「QQお出かけ日本」から紹介します。

「QQお出かけ日本」:訪日中国人向けに旅行情報を配信する公式コンテンツ

2017年10月、QQは「QQお出かけ日本(中国名:QQ出行日本)」を株式会社デジタルガレージと共同開発しました。

QQお出かけ日本では、アプリ内に都道府県ごとの、

  • 観光スポット
  • 飲食店
  • 買い物できる場所

を掲載しています。さらには地図機能もついており、

  • 目的地までのルート
  • 観光スポットの周辺情報

が検索できます。

というのも、訪日中国人は旅行中に困ったこととして、

  • 飲食店の情報が手に入らない:18%
  • 交通情報が手に入らない:14%
  • 中国語に対応していない:12%

と、答えています。

出典:株式会社フルスピード「ココが困るよニッポンで!」

QQお出かけ日本を使えば、新しい地図アプリなどをダウンロードする必要がありません。QQ内で情報収集からルート検索までできるため、旅行中のストレスを減らすことができます。

さらにメーカーや小売店、飲食店は、QQお出かけ日本の中で広告配信ができます。これにより自社情報の掲載、クーポンの配信などが可能に。

中国人がいつも使うアプリ内でお得な情報を配信すれば、さらなる集客につながることが期待できます。

QQ Wallet:自国の決済方法に対応していれば、買い物がしやすくなる

QQでは、「QQ Wallet」という決済機能も利用できます。

近年、インバウンド客の旅行スタイルは、買い物などの「モノ消費」から、観光や日本文化の体験をする「コト消費」に変わりつつあると言われています。

しかし観光庁の調査によると、訪日中国人の消費の内訳は、

  • 買い物:2,150億円
  • 宿泊費:851億円
  • 飲食費:679億円

と、まだまだ買い物がトップです。

出典:観光庁「【訪日外国人消費動向調査】2018年1-3月期の調査結果(速報)」

そして買い物の中でも、特に「化粧品・香水」が人気です。訪日中国人のうち79.7%の人が購入しており、単価は49,153円と高額です。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査 2017年年間値の推計」

ドラッグストアや百貨店、ショッピングモールなどの小売店がQQ Walletに対応していると、訪日中国人は両替の必要がありません。

WeChat Payだけでなく、あらゆる決済方法に対応することで、訪日中国人は自分に合った支払い方法を選択することが可能に。買い物がしやすくなることで、購入のハードルも下がります。

ドラッグストアで中国人から人気の日本製品については、「中国人が選ぶ神薬12選とは?イラストや使い方など、分かりやすいアピール方法がカギ」で詳しく紹介しています。

とはいえ、QQ Walletを導入して本当に効果があるのか、なかなかイメージできませんよね。

そこでQQ Walletを導入している、大丸松坂屋の事例を紹介します。

大丸松坂屋の事例:QQ Walletの導入で、訪日中国人の化粧品購入を後押し

株式会社大丸松坂屋百貨店(以下、大丸松坂屋)は、2016年4月からQQ Walletを導入しています。

導入は以下の8店舗にある化粧品売り場のみです。

【大丸】

  • 札幌
  • 東京
  • 梅田
  • 心斎橋
  • 京都
  • 神戸

【松坂屋】

  • 上野
  • 名古屋

大丸松坂屋はもともと、2015年9月にすでにWeChat Payを導入していました。

しかしQQ Walletも、利用者が1億人を超える人気の決済方法。そこで大丸松坂屋は、訪日中国人がより買い物しやすくなるように、QQ Walletの導入を決意したのです。

QQ Walletの導入が後押しとなり、免税対象の商品の売上が479億円に

QQ Walletなど新しい決済方法の導入も後押しとなり、2017年度の免税対象である商品の売上は、479億円を記録しています。

この売上のために大丸松坂屋は、

  • 免税サービス
  • 中国語のできるスタッフの用意
  • 手荷物預かりサービス

などを実施しています。

言語や手荷物も、訪日中国人が抱えるストレスの1つです。これらをすべて解消して買い物しやすい環境を整えることが、消費アップにつながったのです。

訪日中国人への対応というと、まずWeChat関連のサービスを思い浮かべますよね。もちろんWeChatの導入も必要ですが、中国人に利用されているサービスは1つではありません。

QQなどほかのアプリにも幅広く対応することで、さらなる集客や消費アップが期待できます。

免税については、「インバウンド消費を加速させる免税店!タックスフリーとデューティーフリーを正しく理解し、上手に活用しよう」で詳しく解説しています。

QQを使った訪日中国人への対策が、集客や消費アップにつながる

ここまでをおさらいします。

QQとは、中国のテンセントが提供するメッセンジャーアプリです。中国では約6億4千万人が使っており、無料でメッセージのやり取りや音声通話、さらにはコミュニティへの参加、アバターの作成などができます。

QQをインバウンド対策として活用するなら、以下の2つの機能が役立ちます。

  • QQお出かけ日本
  • QQ Wallet

そしてQQ Walletを導入した事例として、大丸松坂屋を紹介しました。大丸松坂屋はQQ Walletの導入に加えて、

  • 免税サービス
  • 中国語のできるスタッフの用意
  • 手荷物預かりサービス

などを用意し、訪日中国人が買い物に集中できる環境を用意。これらのインバウンド対策によって、免税対象となる商品の売上が479億円を記録しました。

訪日中国人のよく使うアプリとしてWeChatがありますが、同じくらいQQも使われています。小売店が幅広いニーズに対応することで、訪日中国人が買い物をしやすい環境を整えることが可能に。集客だけでなく、消費アップも期待できます。

訪日中国人のインバウンド対策については、「国慶節とは?概要と中国人インバウンド客への対策をご紹介」でも紹介しています。気になる方は、合わせてチェックしてみてくださいね。

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