ベジタリアンとは?飲食店のベジタリアン対応から、食事の注意点まで解説します

「ベジタリアンのお客さまに、どのようなメニューを用意すればいいのだろう…」

と感じているレストランやカフェの方。

ベジタリアンとは、肉や魚を食べない菜食主義者のことです。個人差はありますが、野菜や果物などを中心に食べる、海外では人気の高い食事スタイルです。対して日本ではまだまだ浸透していないため、ベジタリアン向けメニューを用意しているレストランは多くありません。

そのためベジタリアンである訪日外国人は、「日本では食事できる場所がなかなか見つからない」と感じています。ベジタリアン向けのメニューを用意するだけでも、ほかのレストランとの差別化に。さらなる集客につながることが期待できます。

とはいえ、日本ではまだまだ少ない食事スタイルのため、いきなりベジタリアン向けのメニューを考えるのは難しいですよね。

そこで今回は、

  • ベジタリアンとは
  • ベジタリアン向けのメニューを用意する3つのメリット
  • ベジタリアン用メニューを開発した「パプリカ食堂ヴィーガン」の事例

を紹介します。「肉や魚を使わないメニューって難しそう…」と感じますが、概要をつかむだけならば簡単です。

まずはベジタリアンについて、ざっくりと理解しましょう!

ベジタリアンとは、肉や魚を食べない菜食主義者のこと

ベジタリアンとは、肉や魚を食べない“菜食主義者”のことです。彼らの食事は、

  • 野菜
  • 果物
  • 豆類
  • イモ類
  • 穀物

などが中心です。

「ベジタリアン」の由来は英語の“Vegetable(ベジタブル)”ではありません。ラテン語の“Vegetus(ベジェトゥス)”に由来しており、「健全な」「新鮮な」という意味があります。

ベジタリアンが食事にこだわる理由は、「健康維持」「宗教のルール」「動物愛護」など、人それぞれです。

ベジタリアンの種類:ビーガンやペスコ・ベジタリアンなど主に5種類

個人差はありますが、ベジタリアンは肉や魚だけでなく、卵や乳製品を食べない人もいます。そのためベジタリアンの中でも、主に以下の5種類にわけることができます。

ここで記載している植物性食品とは、野菜や果物、豆、キノコ、穀物などです。

【ペスコ・ベジタリアン】

  • 食べるもの:植物性食品、魚、卵、乳製品
  • 食べないもの:肉

【ラクト・オボ・ベジタリアン】

  • 食べるもの:植物性食品と乳製品、卵
  • 食べないもの:肉、魚

【ラクト・ベジタリアン】

  • 食べるもの:植物性食品、乳製品
  • 食べないもの:肉、魚、卵

【オボ・ベジタリアン】

  • 食べるもの:卵
  • 食べないもの:肉、魚、乳製品

【ビーガン】

  • 食べるもの:植物性食品
  • 食べないもの:肉、魚、卵、乳製品

ほかにもフルーツやナッツしか食べない「フルータリアン」、肉は食べないけれど魚は食べる「ノン・ミート・イーター」などのタイプもあります。

ベジタリアンについては「訪日客の5%がベジタリアン 多様化する「食」への対応が急務」でも紹介しています。

ベジタリアンの多い国:インドや台湾など世界各国に広まる考え方

ベジタリアンは、まだまだ日本では少数派です。しかし世界中で支持されている食事スタイルであり、主に以下の国に多いです。

  • インド
  • イギリス
  • スイス
  • 台湾
  • イスラエル

ほかには、

  • アメリカ
  • ドイツ
  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • スウェーデン

などの国にも多いです。

出典:Frembassy「2017年の訪日外国人ベジタリアン〜人数と市場規模〜」

インドや台湾にベジタリアンが多い理由は、宗教が大きく関係しています。

インドでメジャーなヒンドゥー教では、牛は神のような存在であり、食べることが許可されていません。またインドにはイスラム教徒も多く、ムスリム(イスラム教徒)は豚肉を不浄なものと考えています。そのため野菜中心の食生活が好まれます。

台湾は「台湾素食」という文化が由来です。これは日本の“精進料理”に似ており、豆腐などが中心。仏教徒の多い台湾ではよく食べられています。

対して日本のベジタリアン人口は、たったの4.5%です。そのため国内には、ベジタリアン向けメニューを提供するレストランがほとんどありません。

出典:Vegewel Style「日本のベジタリアン・ビーガン・ゆるベジ人口調査 by Vegewel」

このままではベジタリアンの外国人が日本を訪れたとき、極端に言えば食事をする場所がありません。実際に多くのベジタリアンは、日本に旅行している間、コンビニのおにぎりやインド料理屋などで食事を済ませています。

ベジタリアンへの対応はメニューの用意など、手間がかかるように見えます。しかし飲食店がベジタリアンに対応することは、集客や売上アップにつながります。インバウンド客が増えている昨今、ベジタリアンメニューの導入は検討してもよい時期に来ているはずです。

次で詳しく解説します。

レストランがベジタリアン向けメニューを提供する3つのメリット

日本の飲食店がベジタリアンへの対応をするメリットは、

  1. ベジタリアンの訪日外国人を集客できる
  2. ハラルフードを求めるイスラム教徒も集客できる
  3. 健康志向である日本人のお客さまも呼び込むことができる

の3つです。1つずつ解説します。

1.ベジタリアンの訪日外国人を集客でき、売上アップが期待できる

東京都が訪日外国人にアンケート調査をしたところ、飲食店に対して以下の声が寄せられています。

  • レストランがベジタリアンに対応しているのかわからなかった:10%
  • メニューが日本語のみで、使用されている食材や調味料がわからなかった:30%

出典:東京産業労働局「飲食店」

料理に入っている食材や調味料がわからないと、ベジタリアンは「もしかしたら肉が入っているかもしれない」と食べることを避けます。なぜならチキンブイヨンなど、肉を使ったスープもNGとしているベジタリアンも少なくないからです。

さらにはそもそもベジタリアンに対応している飲食店なのかわからないため、レストランへの入店を避けることも。せっかく日本に来たのに、なかなか食事を楽しむことができません。

レストランがベジタリアン向けのメニューを提供し、多言語で案内をすることで、ベジタリアンの方が安心して来店できます。

2.野菜中心のメニューはハラルフードにも対応できる

ベジタリアンの食事は、イスラム教徒の“ハラルフード”に似ています。

例えばムスリムは豚肉を食べることができないため、食事は野菜や豆類が中心です。そして日本には、ハラルフードに対応しているレストランもまだまだ多くありません。そのため来日したムスリムは、「安心して食事できるレストランが少ない」と感じています。

ベジタリアン向けのメニューでは、豚肉を使用しないため、ムスリムも食べることができます。そして口コミなどで「ムスリムも食事ができる」と広まることで、ムスリムの集客にもつながります。

「ハラルフードって何だろう…」と思った方は、「ハラルフードとは?豚肉やアルコールを使わない日本食の提供で、ムスリムの集客につながる」で詳しく解説していますので、チェックしてみてください。

3.健康志向の日本人のお客さまを呼び込むことができる

日本でも近年、健康や食事に気をつかう人が増えています。そのため肉を使わないメニューは、日本人からも注目を集める可能性があります。

実際に日本人で食事に気を使う人は、

  • 「糖質制限」で炭水化物を減らしている:12.5%
  • 無添加やオーガニックフードを好んで食べる:6.8%

と、そこまで多くはありませんが存在しています。

出典:Vegewel Style「日本のベジタリアン・ビーガン・ゆるベジ人口調査 by Vegewel」

ベジタリアン向けのヘルシーなメニューを提供することで、食や健康に関心の高い日本人の集客にもつながる可能性があります。

このようにベジタリアンへの対応を考えることは、ムスリムや健康志向の日本人の集客にもつながり、さらなる集客が期待できます。

とはいえ、いきなりベジタリアン向けのメニューを考えるのは難しいですよね。

そこでビーガン向けメニューを提供する、大阪の「パプリカ食堂ヴィーガン」の事例を紹介します。

事例:大阪「パプリカ食堂ヴィーガン」がベジタリアンやビーガン向けメニューを提供

大阪の心斎橋近くにある「パプリカ食堂ヴィーガン」(以下、パプリカ食堂)は、野菜や穀物、豆類などを中心とした食事を提供するレストランです。

店長の中井純一さんは、もともとイタリアンバルを経営していました。しかし体を壊したことがきっかけで、野菜中心の食生活に。そこで初めて、日本はベジタリアンに対応するお店が少ない事に気付き、自分がお店を作ることに決めたのです。

パプリカ食堂で提供するベジタリアンやビーガン向けメニュー

パプリカ食堂では主なメニューとして、

  • カキフライ(キノコと豆腐を使用)
  • ハンバーグ定食(モックミートと呼ばれる小麦粉から作った肉を使用)
  • ヴィーガン寿司(魚の代わりに野菜を使用)

などを提供しています。

調味料もすべて手作り。例えばマヨネーズは、豆乳やオリーブオイルから1時間かけて作っています。

お店ではビーガン向けの料理だけでなく、

  • マクロビオティック(玄米菜食)
  • ローフード(酵素栄養学)

なども食べることができます。

ビーガンメニューを提供した結果、誰が来ても楽しめるレストランに

パプリカ食堂に訪れたベジタリアンやビーガンの外国人は、

  • 今で食べたモックミート(肉風の食材)の中で一番おいしかった
  • スタッフが玉ねぎ抜きなど、柔軟に対応してくれて親切だった
  • ベジタリアンではない友人と来ても楽しめた

などと感じており、人気を集めています。

そしてお店には訪日外国人はもちろんのこと、

  • ヨガを習うなど健康意識の高い人
  • 動物愛護を訴える人
  • 病気がきっかけで健康志向になった人

など、日本人も来店しています。

このようにベジタリアンだけでなく、健康志向の人やベジタリアンではない友人からも大人気。どんな人が来ても、食事を楽しむことができるレストランです。

ベジタリアンに日本の食事を提供するときの注意点

ベジタリアンの訪日外国人へ食事を提供するときは、以下の注意点があります。

  • かつおだしなど、原材料にも注意する
  • メニューは多言語で表記する

かつおだしは日本食によく使用されていますが、魚のためベジタリアンは食べることができません。こんぶだしなどで対応する必要があります。

また食事メニューに、英語や中国語など多言語での案内も必要です。メニューに何が使われているのかわからなければ、安心して食事できません。いくつかの言語でメニューと材料を表記しましょう。

もしも「英語ができるスタッフがいない…」ときは、翻訳サービスを使いましょう。詳しくは「インバウンド客への多言語対応でスムーズな接客を! 手軽にできる対策からおすすめアプリまでご紹介」をチェックしてみてください。

注意点はありますが、ベジタリアンやビーガン対応をすることで、さらなる訪日外国人の集客につながります。そして注目が集まることで、ムスリムや日本人など、幅広いお客さまの集客も期待できます。

まずはパプリカ食堂を参考に、新しいメニューを考えてみてはいかがでしょうか。

飲食店がベジタリアンへ対応することで、さらなる集客が期待できる

ここまでをおさらいします。

「ベジタリアン」とは、肉や魚を食べない菜食主義者のことです。野菜や果物、キノコ、豆類、芋類などを好んで食べます。

ベジタリアンはインドや台湾、スイスなど世界各国に存在し、レストランにはベジタリアン向けのメニューが用意されています。しかし日本のベジタリアンは、たったの4.5%。そのためベジタリアンやビーガン対応のレストランはほとんどなく、訪日外国人は飲食店探しに困っています。

レストランやカフェなどがベジタリアンへの対応をすることは、3つのメリットがあります。

  1. ベジタリアンの訪日外国人を集客できる
  2. ハラルフードを求めるイスラム教徒も集客できる
  3. 健康志向の日本人のお客さまの呼び込みにもつながる

そして事例として、ベジタリアン対応のレストラン「パプリカ食堂ビーガン」を紹介しました。パプリカ食堂は小麦粉から作った肉や野菜を使うことで、ベジタリアンやビーガンの食事に対応しています。

その結果、ベジタリアンやビーガンだけでなく、健康志向の日本人やベジタリアンではない観光客も食事を楽しむことができるレストランに。このように飲食店は、ベジタリアンへの対応をすることで、さらなる集客や売上アップが期待できます。

今回はメニューについて紹介しましたが、お店の存在をアピールしなければ来店にはつながりません。

飲食店のインバウンド集客については、「飲食店のインバウンド集客に必要な対策とは?お店づくりからネット集客までを解説」で詳しく解説していますので、チェクしてみてください。

 

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