メディカルツーリズムとは?日本における現状とインバウンド獲得のポイントを解説

「メディカルツーリズムって何だろう。インバウンド集客への影響や具体的な対策を知りたい。」

と思っている方。

メディカルツーリズムは医療サービスを目的とした海外への渡航です。いま、自国では受けることのできない高度な医療や割安なサービスを求めて、海外へ渡航する富裕層が増えています。

とはいえ、具体的にどのようなものなのかはわかりにくいですよね。

そこでこの記事では、

  • メディカルツーリズムとは、医療サービスを目的とした海外への渡航
  • 日本におけるメディカルツーリズムの現状
  • メディカルツーリスト獲得に必要な3つのポイント

の順にお伝えします。

メディカルツーリズムは横文字でハードルが高く感じるかもしれませんが、概要を押さえることは難しくありません。

まずはこの記事で、メディカルツーリズムについて大まかに知りましょう!

メディカルツーリズムとは、医療サービスを目的とした海外への渡航

メディカルツーリズムとは、医療サービスを目的とした海外への渡航です。

自国ではなく、わざわざ国外へ医療を受けに行く理由は大きく3つあります。

  1. 自国には無い高度な医療を受けることができる
  2. 安価に医療を受けることができる
  3. 医療を受けるまでの待機時間を短くできる

受入先である病院は、高度な医療技術や最新の設備を持ち、ホテル並みの施設とサービスを低価格で提供しています。

また国によっては手術を受けるまでに半年以上待たされることもあり、早期の治療を望む富裕層などが海外へ流出しているのです。

近年アジア諸国では、医療を国家の観光資源としてとらえ、メディカルツーリズムを国策として積極的に取り込んでいます。

メディカルツーリズムは、

  • 査証の取得
  • 長期間の滞在
  • 観光アクティビティ

をともなうことから、一般の旅行者に比べて観光消費額が高いのが特徴です。顧客単価の高いメディカルツーリズムは、インバウンド戦略においても欠かせないキーワードといえます。

アジアにおけるメディカルツーリズムで一歩先ゆくシンガポール、タイ、韓国

アジアの国々の中で、いち早くメディカルツーリスト(国際医療患者)を受け入れ始めたのがシンガポールです。

シンガポールでは2000年から国策として患者の誘致を始めています。国内に世界有数のバイオポリス(バイオメディカル研究開発施設)を設けるなどして、世界有数の医療ハブの地位を築きました。

またタイでは2002年から国策として患者の誘致を始めています。医療だけでなく、

  • タイ伝来の古式マッサージ
  • スパ

などのリラクゼーションも展開し、中東や欧州から多くの患者を獲得することに成功しました。

シンガポールに続いて参入したのが韓国です。

2009年に医療法を改正して医療ビザがスタート。美容大国として、漢方を併用した独自の治療法などを前面に押し出すことでPRし、アジア富裕層の獲得に成功しました。

ほかにも現在、

  • マレーシア
  • フィリピン
  • 台湾

など、アジア諸国でメディカルツーリズムへの関心が高まり、その整備が進んでいます。

次は、日本におけるメディカルツーリズムの現状と課題についてお伝えしますね。

日本におけるメディカルツーリズムの現状

日本におけるメディカルツーリズムは、アジア諸国に比べてやや出遅れましたが、2009年に

  • 厚生労働省「医療ツーリズムプロジェクトチーム」
  • 経済産業省「サービス・ツーリズム(高度健診医療分野)研究会」
  • 観光庁「インバウンド医療観光に関する研究会」

が相次いで立ち上がっています。

また2011年1月には、「医療滞在ビザ」を解禁。医療滞在ビザにより、

  • 最長6ヶ月滞在が可能
  • 3年以内なら何度でも入国可能

となり、日本へ医療を受けに来るハードルが低くなりました。

医療滞在ビザ発給数からもわかるように、年々メディカルツーリストは増加しています。

【医療滞在ビザ発給数の推移】

医療滞在ビザ発給数(人)
2017年 1,383
2016年 1,307
2015年 946
2014年 611
2013年 299
2012年 188

出典:外務省「平成29年(2017年)ビザ(査証)発給統計」

日本政策投資銀行の想定によれば、2020年の時点でメディカルツーリズムの潜在的な需要は、年間約43万人です。潜在需要が実現した場合のメディカルツーリズムの市場規模は約5,500億円、経済効果は約2,800億円が見込まれています。

なお、2020年において日本を訪れるメディカルツーリストの国籍・人数予測は以下の通りです。経済産業省が中国、ロシアの富裕層をターゲットとした実証実験を行っており、その2ヶ国からの人数増加が高く予測されています。

  • 中国:31.2万人
  • 米国:5.9万人
  • ロシア:5.4万人

出典:日本政策投資銀行「進む医療の国際化~医療ツーリズムの動向~」

メディカルツーリスト獲得に必要な3つのポイント

医療機関がメディカルツーリストを獲得するためのポイントは、

  1. JCI認証の取得
  2. 海外医療機関とのカルテ・情報共有
  3. 医療コーディネーターの確保・育成

の3つです。

1. JCI認証の取得

JCI(Joint Commission International)認証」は、アメリカに本拠を置く医療機関の格付け機構です。

海外の病院を探す際はこの格付けが参考にされることが多いため、メディカルツーリストの獲得においては重要なポイントといえます。

日本では2009年に亀田総合病院(千葉・鴨川)、2011年にNTT東日本関東病院(東京・品川)がJCI認証を取得。2018年8月現在では、日本では26の医療施設がJCI認証を取得しています。

ちなみに世界におけるJCI認定病院数の多い国上位3ヶ国は、

  1. アラブ首長国連邦(UAE):193施設
  2. サウジアラビア:104施設
  3. 中国:104施設

です。

2. 海外医療機関とのカルテ・情報共有

2つ目のポイントは、海外医療機関とのカルテ・情報共有です。

外国人患者を適切に診断するには、

  • カルテ
  • 医療渡航データ
  • 疾患などの情報

などが必要ですが、海外の医療機関とうまく連携が取れないケースがあります。あらかじめ患者と十分なコミュニケーションを図り、漏れなく情報を集めなければいけません。

その課題については現在、日本においてメディカルツーリズムを推進している社団法人「MEJ(Medical Excellence JAPAN)」が解決策を検討中です。

3. 医療コーディネーターの確保・育成

3つ目のポイントは、医療コーディネーターの確保・育成です。

医療を受けるために海外を訪れる患者は、大きな不安を抱えています。その不安を和らげ、病院と患者をストレスなくつなぐのがコーディネーターです。

コーディネーターに必要な役割は、

  • 医療通訳
  • 空港エスコート
  • カウンセリング

など、多岐にわたります。これらの役割を担うことのできる人材の確保・育成がメディカルツーリストの獲得において重要です。

メディカルツーリズムは、インバウンドビジネスにおいて大きなチャンス

ここまで、メディカルツーリズムについてお伝えしました。

おさらいしますと、メディカルツーリズムとは、医療サービスを目的とした海外への渡航です。

国外へ医療を受けに行く理由は大きく3つあります。

  1. 自国には無い高度な医療を受けることができる
  2. 安価に医療を受けることができる
  3. 医療を受けるまでの待機時間を短くできる

メディカルツーリズムは、一般の旅行者に比べて観光消費額が高いのが特徴です。

そのため近年、医療を国家の観光資源としてとらえ、メディカルツーリズムを国策として積極的に取り組む国が増えています。

メディカルツーリズムは、2020年までに年間約43万人の需要が見込まれており、

  • 市場規模:約5,500億円
  • 経済効果:約2,800億円

は日本にとっても大きなインバウンドビジネスのチャンスです。

メディカルツーリストを獲得するためのポイントは3つ。

  1. JCI認証の取得
  2. 海外医療機関とのカルテ・情報共有
  3. 医療コーディネーターの確保・育成

外国人患者が安心して医療サービスを受けることができるためにも、環境の整備が欠かせません。

医療滞在ビザについて詳しくは、「医療滞在ビザとは?外国人の受け入れを増やせば、日本の医療サービスを海外に広めるきっかけにも」をご一読ください。

 

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