東京都が美術館・博物館等の観光施設の国際化支援補助金をスタート。インバウンド対応力の強化へ向けて動きが本格化

「観光施設の国際化支援補助金って何のためにやっているんだろう。」

と思っている方。

観光施設の国際化支援補助金は、年々増えている外国人観光客へ対応するために東京都が始めた制度です。補助金を使い、外国人観光客が安心して利用できる設備を整えることを目的としています。

とはいえ、具体的にどのようなものなのかはわかりにくいですよね。

そこでこの記事では、

  • 観光施設の国際化支援補助金とは、インバウンド対応力を強化するための制度
  • 観光施設の国際化支援補助金の概要

についてお伝えします。

補助金の仕組みは少し難しく感じるかもしれませんが、押さえるポイントはそれほど多くありません。

まずはこの記事で、観光施設の国際化支援補助金についてざっくりと知りましょう!

観光施設の国際化支援補助金とは、インバウンド対応力を強化するための制度

観光施設の国際化支援補助金とは、インバウンド対応力を強化するための制度です。

この制度は2017年11月から東京都が実施しており、東京都内の美術館・博物館などの観光施設に対して支援を行います。

支援を希望する美術館や博物館は、外国人観光客の利便性をアップさせるために

  • 案内や解説の多言語対応
  • wi-fiの導入
  • クレジットカード対応
  • 施設をバリアフリー化

などに対して補助金を使うことが可能です。

外国人観光客の不満の上位は「言語の問題」と「wi-fiサービスの不足」

2017年に観光庁が外国人観光客を対象に実施した「日本を旅行中に困ったこと」に対してのアンケート結果は以下の通りです。

  1. 施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない:32.9%
  2. 無料の無線LANが無い:28.7%
  3. 多言語表示の少なさ・わかりにくさ:23.6%

この結果によると、外国人観光客が不満を感じているのは、主に「言語の問題」と「wi-fiサービスの不足」だとわかります。

出典:観光庁「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」

東京都は積極的にインバウンド対策を推進

東京都は2015年2月に「国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針」を策定しました。

案内サイン標準化指針は、

  • 日本語と英語の2言語を基本として、ピクトグラム(絵文字)を効果的に使うこと
  • 施設の状況にあわせて、中国語や韓国語、その他の言語にも対応すること
  • 中国語は簡体字の使用を基本とし、状況にあわせて繁体字を使用すること

の3つです。

すでに駅構内の案内などは、このガイドラインに沿って対応が進んでいます。

日本を訪れる外国人観光客のうち、約半数近くは東京を訪れており、東京は「外国人観光客がまず最初に訪れる都市」といっても過言ではありません。

東京都はこのような背景から、インバウンド受け入れの環境整備を急ピッチで進めています。「案内サイン標準化指針」や「観光施設の国際化支援補助金制度」は、その環境整備のうちの1つです。

出典:東京都産業労働局「国内外旅行者のためのわかりやすい案内サイン標準化指針」

「補助金」と「助成金」はどう違うの?

国や自治体から受け取ることのできるお金には「補助金」と「助成金」の2つがあります。

どちらも申請することで受け取ることのできるお金で、返済の必要がない点は共通していますが、異なる点は以下の通りです。

  • 補助金:申請をしても、審査に通過しなければ受け取れない
  • 助成金:要件を満たしたものであれば、原則だれでも受け取れる

補助金については予算や期限が決まっているものが多く、観光施設の国際化支援補助金についても、支援対象は「平成31年度末までに事業が完了するもの」とされています。

次は、観光施設の国際化支援補助金の概要についてお伝えしますね。

観光施設の国際化支援補助金の概要

ここでは、観光施設の国際化支援補助金の概要について

  • 補助の対象になる施設
  • 補助の対象になる事業
  • 補助金の金額と募集期間

の順にお伝えします。

補助の対象になる施設

補助の対象になる施設は、東京都内にある民間の美術館・博物館などです。

具体的には以下の3つが対象となります。

  1. 登録博物館:博物館法第3条により「博物館が行う事業」を実施する施設
  2. 博物館相当施設:博物館法第29条により「博物館の事業に類する事業」を実施する施設
  3. その他の施設:歴史、芸術、民俗、産業、自然科学などの資料を収集、保管および展示する施設

商品の展示販売を行うギャラリーや、アンテナショップ、ショールームなどは対象外です。

補助の対象になる事業

補助の対象になる事業は、以下の4カテゴリに分かれます。

  1. 多言語への対応
  2. データ通信技術の活用
  3. 電子決済サービスの導入
  4. 観光客の安全・安心の確保
1. 多言語への対応

パンフレットやホームページ、施設の案内や展示物の解説などを多言語化することなどが該当します。音声ガイド機器の導入や更新、職員およびボランティアの育成も対象とすることが可能です。

多言語への対応は「外国人観光客が日本観光で不満に感じる点」において常に上位にランクインする課題であり、早急な対応が求められています。

2. データ通信技術の活用

wi-fi環境の整備やデジタルサイネージ(電子看板)の導入などが該当します。また、スタッフが対応するさいに必要な通訳アプリの導入も対象とすることが可能です。

3. 電子決済サービスの導入

クレジットカードや電子マネーなどの決済に対応できる機器を導入することが該当します。海外ではクレジットカードで支払いをすることが多いため、外国人観光客の利便性を高めるうえで重要なポイントです。

4. 観光客の安全・安心の確保

敷地内をバリアフリー化したり、避難経路の表示を多言語化したりすることが該当します。

車いすを利用する外国人観光客は年々増えており、ハンディキャップを持った方への対応は早急に進めなければいけないポイントです。国土交通省でも2018年3月より、車いす利用者への対応として、リフト付きバスを貸し出しやすくする制度を始めています。

補助金の金額と募集期間

補助金の金額は、1施設当たり1,000万円が限度に定められています。また条件として、補助対象経費の2分の1以内であることが必要です。

平成27年度から平成31年度までの5か年の合計額が上限に達するまで申請できますが、補助金申請額が予算額に達した時点で受付は終了します。

インバウンドをさらに呼び込むためには、必要なインフラを整えることが重要

ここまで、美術館・博物館等の観光施設の国際化支援補助金についてお伝えしました。

おさらいしますと、観光施設の国際化支援補助金は、インバウンド対応力を強化するための制度です。

この制度は2017年11月から東京都が実施しているもので、支援を希望する美術館や博物館は一定の補助を受けることができます。

補助金は、外国人観光客の利便性アップのため、

  • 案内や解説の多言語対応
  • wi-fiの導入
  • クレジットカード対応
  • 施設をバリアフリー化

などに対して使用が可能です。

この制度が設けられた背景には、外国人観光客が不満に感じる点として

  1. 施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない:32.9%
  2. 無料の無線LANが無い:28.7%
  3. 多言語表示の少なさ・わかりにくさ:23.6%

と回答していることがあります。

東京都は、「案内サイン標準化指針」の策定など、早くからインバウンド対策を進めてきました。「観光施設の国際化支援補助金制度」はインバウンド対策を後押しして、さらなるインバウンド獲得を実現してくれるでしょう。

その他の補助金事例については、「神奈川県厚木市、外国語メニューなどに補助金を提供する新制度を導入」をご一読ください。

 

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