台東区ハラール認証取得助成事業とは。インバウンド市場において欠かせないムスリムへの対応事例を解説

「台東区がハラール認証取得助成事業を始めたのはなんでだろう?」

と思っている方。

ハラール認証はムスリム(イスラム教徒)にとって、安心して飲食を楽しむための重要な目印です。さらなるインバウンド獲得につなげるため、

  • 飲食店
  • 旅館、ホテル
  • 航空会社

などで、自発的にハラール認証を取得する動きが出ています。

とはいえ、具体的にどのようなものなのかはわかりにくいですよね。

そこでこの記事では、

  • ハラール認証とは、ムスリムが口にしてもよい食品などを管理する制度
  • 台東区ハラール認証取得助成事業の概要
  • ハラール認証の取得方法

の順にお伝えします。

ハラール認証というとややこしく感じるかもしれませんが、概要を押さえるのは難しくありません。

まずはこの記事で、ハラール認証と台東区の取り組みについて大まかに知りましょう!

ハラール認証とは、ムスリムが口にしてもよい食品などを管理する制度

ハラール認証とは、ムスリムが口にしてもよい食品などを管理する制度です。

「ハラール」とはイスラム教の言葉で「許されている」を意味し、ムスリムの生活において重要な判断基準になっています。

ハラール認証が生まれた理由は、食べ物の加工や流通が広がるにつれて目の前の商品がハラールなのかどうかを判別しづらくなってきたためです。流通している商品がハラールであることを保証する専門家が必要となり、ハラール認証制度が生まれました。

イスラム教で禁止されている飲食物は、

  • 豚肉
  • イスラムの方式にしたがって処理されていない肉
  • お酒

などです。

ハラール認証を受けるということは、上記のような禁止されている飲食物を提供しないことの保証となります。

ハラール認証が重要視されるようになった背景は「ムスリム観光市場の増加」

日本でハラール認証が重要視されるようになった背景には、ムスリム観光市場の増加があります。

マスターカードとクレセントレーティングが発表した「ジャパンムスリムトラベルインデックス2017(JMTI)」によると、2016年に海外旅行をしたムスリムは約1億2,100万人でした。

この数字は2020年までに1億5,600万人に増えることが予測されており、ムスリムによる旅行支出は2,200億ドル(日本円で約24兆6,400億円) に達する見込みです。

日本政府は訪日ムスリム旅行者へ対応するため、2018年5月に「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」を策定。

  • 訪日ムスリムを受け入れる環境の整備
  • ムスリムへの訪日プロモーション

についての取り組みをまとめています。

このようにムスリム観光市場の増加にともない、「ハラール認証」は無視できない存在となってきたのです。

出典:「ジャパンムスリムトラベルインデックス2017(JMTI)」

出典:観光庁「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」

次は、台東区ハラール認証取得助成事業の概要についてお伝えしますね。

台東区ハラール認証取得助成事業の概要

台東区は、イスラム教徒の多いASEAN各国からの旅行者が急増していることから2015年、「台東区ハラール認証取得助成事業」を始めました。

この事業は、ハラール認証を取得する台東区内の飲食店などに対して、認証取得費用の1部を助成するものです。

制度の開始から約2年で、台東区内23店舗の飲食店がハラール認証を取得しました。

助成の対象者

助成の対象者は、台東区内に店舗がある

  • レストラン
  • 喫茶店
  • 弁当屋
  • 和菓子店
  • 洋菓子店

などです。

助成の金額

助成の金額は、助成対象経費の2分の1以内で上限10万円です。

助成対象経費とは、ハラール認証を取得するさいにかかった経費のうち、台東区長が必要かつ適当と認めた経費を指します。注意点として、すでに取得しているハラール認証を継続するさいにかかる費用は対象外です。

予算が無くなり次第、受付は終了します。

申請の方法

助成を受けるには、申請する前に台東区観光課に相談が必要です。

事前の話し合いで手続きについての説明や、認証団体についての情報提供を受けます。また、希望する場合は「ムスリム旅行者に関する講習会」のDVDを借りることも可能です。

次は、実際にハラール認証を取得する方法についてお伝えしますね。

ハラール認証の取得方法

ハラール認証には世界的な統一基準が無く、誰でも自由に認証機関をつくることができてしまいます。その理由は、「ハラール」に対して宗派ごとにさまざまな解釈があるためです。

そのため、ハラールを認証する機関は現在世界で200ほどあり、日本でも15以上のハラール認証機関が存在します。

ハラール認証の取得方法は、認証機関によって必要な手続きが変わるため一概には言えません。

ここでは、国をあげてハラール認証を整備しているマレーシアを例として、認証取得の流れや費用についてお伝えします。

ハラール認証取得の流れ

ハラール認証取得の流れは以下の通りです。

  1. 企業の申請
  2. 審査(宗教についての審査、技術についての審査、現地での監査)
  3. 審査の報告書にもとづく評議
  4. ハラール認証

申請書は、

  • 食品製造工場用
  • レストラン用
  • 食肉処理場用
  • 化粧品用
  • 流通用

に分かれており、必要事項を記入します。

申請にかかる費用と日数

申請にかかる費用は、「国内の企業」か「国外の企業か」で変わります。

【国外の企業が申請する場合の費用】

  • 登録費用:1申請あたり100ドル(約11,200円)
  • 認証費用:1申請1年あたり1,000ドル(約112,000円)

※認証は2年間に対して行うため2,000ドル(約224,000円)が必要

上記の費用以外に、現地の監査にかかる「交通費」「宿泊費」を負担する必要があります。

【国内の企業が申請する場合の費用】
国内の認証費用は、1申請1年あたり以下の費用です。

  • 食品企業、食品処理施設:小規模企業は2,640円、中規模企業は10,560円
  • レストラン:2,640円
  • ホテルの食事施設:2,640円

【審査にかかる日数】
審査にかかる日数も、「国内の企業」か「国外の企業か」で変わります。

  • 国内の企業:約1ヶ月
  • 国外の企業:約3~6ヶ月

認証にかかる費用や日数は、いずれも国内の企業がかなり優遇されているといえます。

出典:JETRO「ハラール認証の取得手続き」

ムスリムへの対応は今後のインバウンド市場にとって重要なポイント

ここまで、ハラール認証と台東区のハラール認証取得助成事業についてお伝えしました。

おさらいしますと、ハラール認証とは、ムスリムが口にしてもよい食品などを管理する制度です。

2016年に海外旅行をしたムスリムは約1億2,100万人で、今後もますますその数は増えていくことが予想されています。ムスリムが安心して訪日観光を楽しめる環境を整えるうえでハラール認証は欠かせません。

台東区は、ムスリムの多いASEAN各国からの旅行者が急増していることから2015年に「台東区ハラール認証取得助成事業」を開始。訪日ムスリムが安心して飲食や観光を楽しめる環境を整備し、さらなるインバウンドの呼び込みを図る狙いです。

ハラールの認証に対しては、宗派ごとにさまざまな解釈があるため、現在統一した基準はありません。認証を取得する場合は、それぞれの認証機関が求める条件を満たす必要があります。

ムスリム旅行者は2020年までに1億5,600万人に達することが予測されており、インバウンド市場に与える影響はとても大きいです。さらなる訪日ムスリムを獲得するためにも、ムスリム受入の環境を整えることは重要なポイントといえます。

店舗向けのハラール対策については、「【店舗向け】ハラール対策とは?概要から事例までを詳しく解説」をご一読ください。

 

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