中国のセール日「W11シングルデイ」とは?日本へのインバウンド効果からプロモーション手法まで徹底解説

「W11シングルデイって何だろう。聞いたことはあるけれど、何を対策すればいいんだろう…」

と感じているインバウンド担当の方。

W11シングルデイとは、中国の越境ECサイトで大規模なセールが開催される日です。「独身の日」や「シングルデー」ともいい、アリババがきっかけで中国全土に広まるイベント日に成長しました。

W11シングルデイのセールに参加するのは、中国の企業だけではありません。日本やアメリカ、韓国などからさまざまな企業が参加し、2017年度のアリババ全体の売上は、1日で約2兆8,777億円を記録するほどです。

そのため、メーカーや小売店などがセールに参加することで、売上や商品の認知度アップにつながります。

とはいえ、W11シングルデイに向けた詳しいインバウンド対策などは、なかなかわかりにくいですよね。

そこで今回は、

  • W11シングルデイとは
  • W11シングルデイが盛り上がる理由
  • セールに参加する日本企業や事例
  • 当日に向けたインバウンド対策

を紹介します。

「いきなり売上アップはさすがに難しそう…」と感じるかもしれませんが、概要をつかむだけならハードルは高くありません。

まずはW11シングルデイについて、ざっくりと理解しましょう!

「W11シングルデイ」とは?2017年の売上や人気の日本製品を紹介

W11シングルデイとは、中国のECサイトで大規模なセールが開催される日です。

しかしもともとは、パートナーがいない人たちが集まってお祝いや買い物を楽しむ日でした。1人をイメージさせる数字「1」が4つ並んでいることから、「独身の日」と呼ぶ人も少なくありません。

現在は多くのECサイトにおいて、一斉にセールがスタートします。前日の夜から独身の日までカウントダウンがされ、0時から24時間限定で安く商品を購入可能です。

W11シングルデイのセールはアリババがきっかけ

W11シングルデイのセールは、越境ECサイトを運営する阿里巴巴集団(アリババグループ)によってスタートしました。「天猫Tmall」など、BtoCのECサイトを中心に開催しています。

独身の日のセールが人気を集める理由は、「正規品を安く購入できるから」です。というのも、中国では国内企業への信頼があまり高くありません。そのため中国国内だけでなく、日本など海外の正規品を安く購入できることが人気の理由です。

越境ECサイトについて詳しくは「海外向け越境ECサイト制作での5つの課題と解決策。インバウンド消費の促進効果あり」をご一読ください。

【2017年】W11シングルデイの売上

2017年の独身の日には、アリババの売上高は1,682億元(約2兆8,777億円)を記録しています。

日本の企業と比べてみましょう。「楽天」の2016年度の国内EC流通総額が3兆95億円でした。中国の独身の日は、この金額に近い売上をたった1日で達成してしまうのです。

出典:東洋経済ONLINE「5兆円売る「独身の日」に見る中国攻略の活路」

これだけの売上には、アリババの大量決済をさばく強固なシステムが関係しています。あまりにも多くのアクセスが集中すると、サイト自体がダウンすることも少なくありません。

しかしアリババでは、大量アクセスや決済に対応できるシステムが構築されています。そのため、売上チャンスを逃すことがなかなかありません。

また配送業者とも協力し、倉庫の拡張やデータ活用などによって、大量の配送に対応できる体制も整えています。

そして2017年は、ライブコマースによる口紅の販売に取り組んだことも話題となりました。

詳しくは「インバウンドはSNS活用が外せない!インフルエンサーによるマーケティング事例」で事例として紹介しています。

W11シングルデイで人気の日本商品は化粧品やベビー用品

セールには、日本からユニクロやマツモトキヨシ、花王などが参加しています。日本製品は特に「化粧品」や「ベビー用品」が人気です。

出典:ECzine「アドウェイズ、流通総額1.9兆円の「ダブルイレブン」を分析した独自調査レポートをリリース」

中でも化粧品は、以下がよく売れています。

  • ローション、トナー:13.9%
  • フェイシャルマスク、パック:12.9%
  • クレンジング:10.1%

出典:EC Data Lab「中国越境EC市場規模分析-天猫国際(Tmall国際)化粧品市場編」

日本旅行中に化粧品を購入した人が、「良かったからまた使いたい」と感じ、ECサイトで購入するようです。

中国人が越境ECサイトを使う理由について詳しくは、「越境ECで日本製品をリピート購入した中国人は40%!リピート購入する理由とは一体何?」をご一読ください。

ここまでW11シングルデイについて解説しました。

このセールの盛り上がりには、中国の変化やアリババの取り組みが関係しています。

次で詳しく解説しますね。

W11シングルデイが盛り上がる理由

W11シングルデイが盛り上がる理由は、

  1. 中国のキャッシュレス化
  2. 中国人の所得の増加
  3. オフライン店舗との連動

の3つです。

1つずつ詳しく解説しますね。

1.中国でキャッシュレス化が進んでいる

中国では、キャッシュレス決済が急速に進んでいます。少額の現金しか手元になくても、QRコードがあれば買い物できる店舗も少なくありません。

そのためECサイトの利用率も高く、多くの中国人は「ネットで買い物をすること」に抵抗が少ないです。W11シングルデイのセールも通常の買い物と同じ感覚のため、スムーズに購入してもらうことができます。

2.中国人の所得が増え、買い物に意欲的になっている

中国人の所得増加も、売上アップの理由の1つです。

中国には、「中間所得層」が増えています。彼らの割合は約4億5,000万人と、中国の人口の30%を占め、近い将来50%に到達することが予想されています。

出典:Japanese.CHINA.ORG.CN「中国の中間所得層は3億人を超える 所得格差縮小が引き続き重要に」

所得が増えると、買い物へのハードルが下がりますよね。

実際にW11シングルデイの売上は、

  • 2016年:1,207億元
  • 2017年:1,314億元

と、1年でもかなり増加しています。

3.オフライン店舗との連動により、最短2時間で配送

アリババは「ニューリテール戦略」を打ち出しています。これは「オンラインとオフラインを融合させ、より良い顧客体験をしてもらおう」という考え方です。

そこでW11シングルデイでの購入商品は、店舗での受け取りや交換に対応しています。

中でもGAPは連動システムにより、購入者の近くの店舗まで配送し、購入から最短2時間で商品を届けることに成功しました。

店舗での受け渡しで、配送より早く商品が手に入ります。

この盛り上がりから、2018年も多くの日本企業がW11シングルデイへの参加を決めています。

続いては、今年のW11シングルデイのセールに参加する企業や、過去の参加企業を紹介します。

W11シングルデイにおける日本企業へのインバウンド効果と参加企業

独身の日のセールに参加する日本企業として、

  1. カルビー
  2. イオン
  3. 三越伊勢丹

の3つを紹介します。

1.カルビー:独身の日に31万袋、約2億4,000万円の売上を記録

カルビー株式会社は独身の日のセールに参加し、31万袋、1400万元(約2億4,000万円)を売り上げた記録があります。同社の製品「フルグラ」はアリババのシリアル部門で1位に輝きました。

2.イオン:日本のECサイトでも独身の日にあわせてセールを開催

2017年、イオン株式会社は日本のECサイトで、独身の日にあわせたセールを実施しました。

11/10〜11/17まで、グループ会社も含む24のサイトでセールを開催。ただ割引をするだけでなく、紳士スーツを4点セットで1万1,111円にする、ポイント11倍付与するなど「1」にからめたイベントを企画し、セールを盛り上げました。

3.三越伊勢丹:「京東全球購」に出店し、さらなるインバウンド効果をねらう

2018年、株式会社三越伊勢丹が中国の越境ECサイト「京東全球購(ジンドンゼンキュウコウ)」に出店し、「三越伊勢丹海外官方旗艦店」をオープンしました。

三越伊勢丹が京東全球購を選んだ理由は、「O2Oの取り組みを強化したいから」です。

もともと三越伊勢丹は、中国のグループ店舗においてポップアップショップを開設し、越境ECサイトで販売している商品の体験コーナーを設けていました。

今回の出店で、越境ECサイトが国内外の店舗を訪問するきっかけとなることを期待しています。

ここまで独身の日に参加した日本企業を紹介しました。ECサイトへの出店は、もちろん他の企業も可能です。

そこで続いては、独身の日のセールに向けたインバウンド対策を紹介します。

2018年のW11シングルデイに向けたインバウンド対策

最後に、2018年の独身の日に向けたインバウンド対策として、

  1. クーポンの配信
  2. 日本国内でのセール開催
  3. KOLなどインフルエンサーの協力

の3つを紹介します。

1.クーポンを配信し、購買へのハードルを下げる

セール当日までにクーポンを配信することで、購入率アップが期待できます。

W11シングルデイのセールには、アリババから「紅包(中国のお年玉のようなもの)」として、5,000元分のクーポンが配布されたことがあります。この配布が後押しとなり、購入に踏み切ったユーザーも少なくありません。

自社ブランドのSNSアカウントなどからクーポンを配布することで、購入へのハードルが下がる可能性があります。

2.日本国内でも独身の日にあわせたセールを開催する

日本国内でも、イオンのようにW11シングルデイのセールを開催することで、売上アップが期待できます。

中国人は訪日外国人の中で最も多く、2017年には約735万人を記録しています。

出典:日本政府観光局(JNTO)「訪日客数(総数)」

そのため、独身の日にあわせて店舗でもセールをすることで、中国人インバウンド客の集客や消費の促進につながります。

3.インフルエンサー「KOL」の協力を得て、商品の認知度をアップさせる

自社製品が中国人インバウンド客から認知されていなければ、独身の日のインバウンド効果は期待できません。そのため、事前に中国人インフルエンサーの協力を得て、商品の認知度アップをはかりましょう。

KOLとは、中国で莫大な経済効果を与えるインフルエンサーのことです。WeiboなどSNSで動画や写真を投稿しており、フォロワーは数百万から数千万にものぼる人も。そして市場規模は約9,000億円と、影響力の大きさに驚きを隠せません。

KOLの動画を通して商品の認知度をあげることで、商品のアピールにつながります。

KOLの概要は「KOLとは。概要から中国市場へのプロモーション方法までを解説します」で紹介しています。

また有名なKOL10人を「【ジャンル別】中国人のKOL10人を紹介。プロモーションを成功に導くポイントも解説します」で紹介していますので、参考にしてみてください。

これらのインバウンド対策で、W11シングルデイ当日に備えましょう。

W11シングルデイのセールに向けたインバウンド対策で、さらなる売上アップを

ここまでをおさらいします。

W11シングルデイとは、中国のECサイトで大規模なセールが開催される日です。2009年頃からアリババのセールがきっかけでスタートし、中国全土に広まるイベントに成長しました。

そして2017年は、1日にして1,682億元(約2兆8,777億円)の売上を記録しています。

独身の日が盛り上がる理由は、以下の3つです。

  • 中国のキャッシュレス化
  • 中国人の所得の増加
  • オフライン店舗との連動

そしてセールへの参加は中国国内の企業だけではありません。日本企業からも参加しており、以下の3つを事例として紹介しました。

  • カルビー
  • イオン
  • 三越伊勢丹

他の企業も独身の日にセールをするならば、以下のインバウンド対策を実施しましょう。

  • クーポンの配信
  • 日本国内でのセール開催
  • KOLなどインフルエンサーの協力

これらの取り組みで、さらなる中国人インバウンド客の呼び込みや売上アップが期待できます。

また近年、中国人の間で「神薬12選」として医薬品が話題を集めています。薬局などはこれらをアピールすることで、独身の日の売上につながる可能性もあります。

詳しくは「中国人が選ぶ神薬12選とは?イラストや使い方など、分かりやすいアピール方法がカギ」で紹介しています。

 

PR:インバウンド対策資料を無料ダウンロード

こちらの資料では、ご提案媒体一覧のほか、ANAご搭乗者様の属性なども紹介しております。御社社内でのご検討資料としてお役立てください。

PR: ANAの広告媒体で訪日旅客に街の魅力をお届け!

ANAのブランド力、航空媒体という特殊性で、地域や街のブランディングや商品・サービスのPRをお手伝いします。


お問い合わせはこちら:

インバウンドNOW運営事務局

担当:陳、田中

proj_ana_media@g.s-cubism.jp

関連記事

  1. 「禅林寺 永観堂」が外国人に人気の日本の観光スポットランキングで第12位にランクイン! その人気の理…

  2. QQとは?訪日中国人の利用アプリに幅広く対応することが、集客や消費アップにつながる

  3. VFR(友人、親族訪問)のインバウンド対策について解説します。

  4. クルーズ観光のインバウンド課題「消費額アップ」のコツとは。那覇港の事例から学ぶ

  5. インバウンドとは?アウトバウンドとの違いなど、用語を解説

  6. DMO(Destination Management Organization)とは?地域においてイ…

  7. 国内外で人気のナイトアクティビティとは?トレンドを押さえてインバウンド需要の獲得を

  8. インバウンド対策に必要なスマホ決済導入のメリットとデメリット。おすすめのスマホ決済サービスまで徹底解…

メールマガジン



PR


インバウンド資料ダウンロード



アーカイブ

人気記事ランキング

おすすめ記事

PAGE TOP