オリンピックでのインバウンド効果持続のために、日本が解決すべき課題5つ

2020年の東京オリンピック開催と同時に、日本に多くのインバウンド効果が期待されています。予想される経済効果は、開催が決定した2013年から2020年までの7年間で、約3兆円です。さらに、観光庁は観光客数について「2020年には4,000万人」という目標を宣言しました。

しかし、「オリンピック終了後は観光客が減るのでは?」と、疑問に思う方も多いのではないでしょうか?大きなイベントの終了とともに、来日意欲の減少が心配されます。

実際は、日本が抱えるインバウンドの課題を解決すれば、オリンピック後も観光客が減少することはないはずです。

今回の記事で、

  • Wi-Fiスポットの増加
  • 多言語や文化への対応
  • 地方観光設備の充実
  • 免税制度の導入
  • シェアリングエコノミーの活用

という5つの解決すべき課題を、訪日外国人の消費動向などのデータを元に解説します。どの解決策も、2020年までには取り入れられる簡単なものばかりです。

オリンピックまでに、日本が解決すべき5つの課題

インバウンドによる経済効果を実感するためには、オリンピックまでに解決すべき5つの課題があります。

Wi-Fiスポットの増加

インターネット環境の充実は、観光客の増加には欠かせません。Wi-Fiスポットを増やすことで、旅行者がより多くの地域へアクセスしやすくなります。

訪日外国人は、Wi-Fiを利用するかSIMカードを購入しなければ、インターネットを使用することが出来ません。しかし、多くの先進国では街中にフリーWi-Fiが用意されているものの、日本にはまだまだ少なく、ホテルやカフェでしか利用できない現状です。

さらには、日本ではSIMフリースマホが広まっていません。海外では、SIMフリーになっているスマホを購入し、使用者が好きな通信会社を選んで、安くスマホを使うことが一般的です。しかし、日本はまだまだau、docomo、SoftBankといった大手キャリアの使用が一般的で、SIMカード販売のお店も多くはありません。そのため、Wi-Fiに頼らざるを得ない観光客が多いです。

道に迷った時、地元のお店を探したい時など、Wi-Fiがあればより多くの情報が手に入ります。さらには、情報があることで観光スポットへのアクセスも、より簡単になります。カフェやホテルだけでなく、街中や駅でのフリーWi-Fiを増やす必要があるでしょう。

多言語や文化への対応

オリンピック開催をきっかけに、より多くの国から観光客が来日します。それぞれに合った対応をするためにも、多言語や、様々な文化へ対応できる人物の育成が求められるでしょう。

もともと日本への観光客は、韓国や中国といったアジアや、アメリカなどの欧米圏からが多く見られていました。しかし、近年はマレーシアやインドネシア、中東などのイスラム圏、さらにはメキシコやアルゼンチンといった、中南米からの旅行者も増えています。彼らはイスラム教の文化を持っていたり、スペイン語圏のため英語が話せないなど、今までの旅行者と文化や使用言語が異なります。

英語が出来る人材の育成も、もちろん必要です。しかし、各国の言語でのコミュニケーションの方がスムーズで、旅行者にとってもストレスがありません。多言語対応できる人材の育成と、多様な文化への理解を深める必要があるでしょう。

特に、食事制限の多いイスラム教徒の文化や、英語以外の言語に対応できる人物が増えると、より幅広い対応が可能です。

地方の観光設備を充実させる

近年、東京や大阪といった都市圏だけでなく、地方へ旅行する観光客も増えています。そのため、地方でも外国人観光客に対応できるような、観光設備の充実や強化が必要です。

都市圏に比べると、地方はまだまだWi-Fiスポットや多言語対応、ガイド不足といった課題が多くあります。また、地方の情報へのアクセスも難しく、「○○県に行きたいけれど情報がなくて調べられない」といった問題も見られます。

今後、オリンピックを通して日本にさらなる注目が集まり、旅行に慣れている観光客は、地方にも足を伸ばすことが予想されるでしょう。さらに、観光客は「日本でしかできない体験」を求めています。地方を訪れた際に、観光客がスムーズに旅行し、日本らしい体験もできるように、観光設備を充実させる必要があります。

各小売店での免税の導入

免税制度が、一部の店舗や場所でしか導入されていないことも課題です。各小売店で免税制度を取り入れることで、より多くの経済効果が期待できるでしょう。

現在、免税制度を導入している所は、空港やショッピングモール、百貨店、薬局といった大手小売店のみです。規模の小さい小売店では導入していないところも多く、購買機会の損失になっている可能性があります。

実際、多くの外国人観光客の内、97.1%の観光客が日本で買い物をしています【出典】観光庁「平成29年度訪日外国人の消費動向調査 第4表 国籍・地域(21区分)別 費目別購入率および購入者単価」。もともと購入意欲のある観光客に対して、さらに安くなる免税サービスを提示することで、購買単価が上昇する可能性があります。

空港やショッピングモール、薬局だけでなく、小規模の小売店でも免税制度の導入が必要となるでしょう。

シェアリングエコノミーの活用

シェアリングエコノミーがまだまだ日本で広がりを見せていないことも、課題としてあげられます。もしもシェアリングエコノミーを活用すれば、民泊のAirbnbはホテル不足解消に、配車サービスのUberは交通機関の混雑緩和につながるでしょう。

シェアリングエコノミーとは、使っていない部屋や車を活用し、新たな価値を提供するサービスのことを指します。Airbnbでは、空き部屋や使っていない物件を観光客に貸し出すことで、宿泊場所の確保ができます。Uberでは、空き時間に車で観光客の送迎を行うことで、移動手段の分散になり、公共交通機関の混雑を軽減することが期待できます。

シェアリングエコノミーは、もともと欧米で発展したサービスのためか、日本にはまだまだ広がりを見せていません。また、日本人には「1つの物を複数人で共有して使う」といった感覚がなく、抵抗を示す人も多いです。

しかし、このままでは観光客が増えるものの、ホテルや交通機関の問題がいつまで経っても解決されません。新たなサービスを取り入れて、課題解決を試みる必要性があるでしょう。

「インバウンド効果はオリンピックまで」という誤解

オリンピック開催に伴い、インバウンド効果が期待される一方、「2020年の東京オリンピックが終了したら観光客数も減るのでは?」という、心配の声も上がっています。しかし、この考えは誤解であり、オリンピック終了後も観光客数の増加は期待できます。

なぜならば現在、世界全体で旅行者数が増加しているからです。先進国はもちろん、東南アジアや中南米といった国の旅行者数が上昇しており、全体的な旅行者の増加に繋がっています。2030年には10億人越えすると考えられており、世界的な旅行者の増加とともに、日本にも多くの観光客が訪れると予測されるでしょう。

5つの課題解決で、東京オリンピック後もインバウンド効果を

2020年の東京オリンピック開催に伴い、日本には多くのインバウンド効果が期待されています。しかし、日本には以下のような、2020年までに解決すべき5つの課題があります。

  • Wi-Fiスポットの増加
  • 多言語や文化への対応
  • 地方観光設備の充実
  • 免税制度の導入
  • シェアリングエコノミーの活用

上記の課題を解決することで、より多くの経済効果が期待できるでしょう。

また、オリンピック終了後に観光客数の減少が予想されていますが、心配ありません。世界的な旅行者数が増えているため、訪日外国人の数は、オリンピック後も衰えることはないはずです。

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