2018年1月より通訳案内士法が改正。訪日客と通訳ガイドはどうなる?

2018年1月より通訳案内士法が改正されました。これにより、国家資格である「通訳案内士」を持っていない人でも、有料で通訳ガイドをすることができます。

とはいえ、具体的に通訳案内士法がどう変わったのか、これから訪日客と通訳ガイドの関係はどうなるのかなど、わかりにくいですよね。

そこでこの記事では、

  • そもそも通訳案内士法とは
  • 改正通訳案内士法でどう変わったのか
  • 通訳案内士法が改正された背景

の順に、改正された通訳案内士法について解説します。

制度や法律の話となると難しいと感じてしまうかもしれませんが、ざっくりと知るだけならハードルは高くありません。

まずはこの記事で、改正通訳案内士法について大まかにおさえましょう!

そもそも通訳案内士とは?

国家資格である「通訳案内士」は、観光庁長官が実施する国家試験に合格した人だけが名乗ることのできる資格でした。

通訳案内士になるには、英語など、外国語の高いスキルが必要なのは言うまでもなく、その他にも日本の地理や歴史、文化などの知識が必要です。

tour-guide_01

観光局によると、約22,000人の登録者がおり、英語やフランス語、スペイン語、ドイツ語などさまざまな言語の通訳ガイドがいます。

このような通訳案内士ですが、法律の改正によって今後は「全国通訳案内士」と名前が変わり、かつ通訳案内士だけが訪日客ガイドを独占していたのが解禁されたのです。

改正通訳案内士法が2018年1月4日に施行

2018年1月4日に改正通訳案内士法が施行されました。主な改正の内容は、

  1. 国家資格がなくても、有料で通訳ガイドができる(ただし、資格を持たない人が通訳案内士やそれに近い名称を名乗るのは禁止)
  2. それぞれの地域で特例としていた地域ガイドを「地域通訳案内士」として全国で展開する
  3. 全国通訳案内士のテストに「通訳案内の実務」が追加される
  4. 全国通訳案内士は定期的な研修を受けなければならない

の4つです。

なお、通訳案内士法が改正された背景には、

  • 訪日客が増えており、通訳ガイドの需要が増加した
  • 英語以外のガイドが不足している
  • 通訳案内士の試験が難しく、通訳ガイドが増えにくい

の2つがあります。以下で詳しくお伝えします。

背景1:訪日客が増えており、通訳ガイドの需要が増加した

日本政府観光局の統計データによれば、訪日客は

  • 2014年:13,413,467人
  • 2015年:19,737,409人
  • 2016年:24,039,700人

と、年々アップしています。2020年の東京オリンピックでは、その数がピークを迎えると言われており、通訳ガイドの需要が増えました。

これにより、法改正をしないと通訳ガイドの数が追いつかないという結果になっているのです。

tour-guide_02

背景2:英語以外のガイドが不足している

また、中国や東南アジアなど、英語圏以外の訪日客が増えたことも法改正が起きた理由の1つです。

今いる通訳案内士は、ほとんどの人が英語を扱っています。しかしながら日本に訪れる外国人観光客は中国やタイ、ベトナムなどの英語を話すことができない人が多いです。

つまり、いま供給している通訳ガイド(英語を話すことができる)と、必要とされている通訳ガイド像(中国語や東南アジアの言語に対応できる)にギャップがあります。

そのため、法改正によって今まで通訳ガイドとして活躍できなかった人たちにも通訳ガイドをしてもらう流れになったわけです。

背景3:通訳案内士の試験が難しく、通訳ガイドが増えにくい

通訳案内士の試験は平均の合格率が「約20%」と、難しいことも事実です。このように難しい試験を合格しなければ通訳ガイドになれない制度では、増えゆく訪日客に対応できないとの判断だとも考えられます。

通訳案内士の資格を持っている人についても考えながら、通訳ガイドを増やす方法としては、先述のように法改正をするのがベストというわけです。

まとめると、改正された通訳案内士法の内容は、

  1. 国家資格がなくても、有料で通訳ガイドができる(ただし、資格を持たない人が通訳案内士やそれに近い名称を名乗るのは禁止)
  2. それぞれの地域で特例としていた地域ガイドを「地域通訳案内士」として全国で展開する
  3. 全国通訳案内士のテストに「通訳案内の実務」が追加される
  4. 全国通訳案内士は定期的な研修を受けなければならない

の4つで、改正の理由としては、

  • 訪日客が増えており、通訳ガイドの需要が増加した
  • 英語以外のガイドが不足している
  • 通訳案内士の試験が難しく、通訳ガイドが増えにくい

の3点でした。

近年、日本ではインバウンド客の増加がとどまるところを知りません。この状況に対応するための法改正だったことがお分かりいただけたかと思います。

H.I.S.は訪日客と地元ガイドのマッチングサイトを開設

大手旅行代理店のH.I.S.は、通訳案内士法の改正に合わせて「Travee(トラヴィ)」というサービスをリリースしました。

https://travee.co/

https://travee.co/

簡単に言うとTraveeは、訪日客と地元ガイドのマッチングサイトです。

訪日客はTraveeに登録されている通訳ガイドにお金を払うことで、通訳付きの旅行プランを楽しめます。訪日客は簡単に通訳ガイドを頼むことができ、通訳ガイドは空いている時間に通訳ガイドの仕事をすることが可能です。

訪日客の「有名な観光地よりも、地元の人が行くようなスポットに行ってみたい」という需要は増えています。そのため、日本の文化やその地域ならではのスポットや体験に詳しいガイドは、今後さらに求められるはずです。

法改正で通訳ガイドはもっと身近に

ここまで改正通訳案内士法について紹介しました。

おさらいすると、そもそも通訳案内士とは、外国語の高いスキルだけでなく、日本の地理や歴史、文化などの知識も必要な国家資格です。

しかし、それでは

  • 訪日客が増えており、通訳ガイドの需要が増加した
  • 英語以外のガイドが不足している
  • 通訳案内士の試験が難しく、通訳ガイドが増えにくい

という問題が起こり、結果として訪日客に対応しきれなくなっていました。

そこで施行されたのが、改正通訳案内士法でしたね。

改正された通訳案内士法の特徴は、

  1. 国家資格がなくても、有料で通訳ガイドができる(ただし、資格を持たない人が通訳案内士やそれに近い名称を名乗るのは禁止)
  2. それぞれの地域で特例としていた地域ガイドを「地域通訳案内士」として全国で展開する
  3. 全国通訳案内士のテストに「通訳案内の実務」が追加される
  4. 全国通訳案内士は定期的な研修を受けなければならない

の4つだとお伝えしました。

また、すでに新しい法律に対応したサービスが登場しています。

具体例として、H.I.S.がリリースした訪日客と地元ガイドのマッチングサイト「Travee(トラヴィ)」を紹介しました。

今まで、通訳ガイドは「一部の人しかできない、限定の仕事」でしたが、今回の法改正によってそのハードルは低くなったのが現状です。

訪日客にとって通訳ガイドが身近になるのはもちろんのこと、事業者にとっても通訳ガイドを活用する機会が増えていくと予想されます。

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