【2020年版】外国人観光客の訪日目的ベスト5。ニーズを満たす対策も紹介します

「外国人観光客が日本に来る目的や求めるものって何だろう」

と感じている方。

外国人観光客のニーズを理解するためには、訪日旅行中の目的を理解することが欠かせません。目的に沿ったサービスを提供する方が、訪日外国人の集客や満足度アップにつながるからです。

結果として、地域を何度も訪れるリピーターになることも多く、その場合は継続的なインバウンド消費も期待できます。

とはいえ、外国人観光客がどのような目的で旅行を楽しんでいるのかは、なかなかわかりにくいですよね。

そこで今回は、

  • 2018〜2020年における外国人観光客の動向
  • 訪日中の目的ベスト5と対策

を紹介します。

「いきなり目的にあわせた対策を実行するのは難しい」と感じるかもしれませんが、概要をつかむだけならハードルは高くありません。

まずは2018年から2020年までの動向について、ざっくりと理解しましょう!

2020年までの外国人観光客の数や消費額、旅行スタイル

最初にこれまでのインバウンド動向として、2018年や2019年、2020年1〜3月における訪日外国人の数と消費額を紹介します。

2018年における外国人旅行者数と消費額

2018年、訪日外国人の数は3,119万1,856人を記録しました。観光客数は2013年の約1,036万人から、3倍近く増えています。

訪日旅行中の消費額も増え続けており、観光庁のデータによると、2018年の消費額は約4兆5,189億円を突破。旅行中の1人あたりの消費額も約15万3,000円と、高い数値を記録しています。

特に消費額が大きいものは、以下の3つです(カッコ内はその項目における1人あたりの旅行消費額)。

  • 買い物:1兆5,763億円(5万1,256円)
  • 宿泊:1兆3,212億円(4万5,787円)
  • 飲食:9,783億円(3万3,748円)

消費額が高い訪日外国人の出身エリアは、以下の3つ。

  • 中国(1兆5,450億円)
  • 韓国(5,881億円)
  • 台湾(5,817億円)

中国人は買い物を好むことから、全体の消費額も高くなっています。

出典:観光庁「2018年(平成30年)の訪日外国人旅行消費額(確報)」
https://www.mlit.go.jp/common/001283138.pdf

2019年における外国人旅行者数と消費額

2019年、外国人旅行者数は過去最高の3,188万2,049人を記録しました。インバウンド消費は4兆8,135億円、1人あたりの旅行消費額は15万8,000円と報告されています。

旅行消費の内訳は、以下の通りです(カッコ内はその項目における1人あたりの旅行消費額)。

  • 買い物:1兆6,690億円(5万3,331円)
  • 宿泊:1兆4,132億円(4万7,336円)
  • 飲食:1兆397億円(3万4,740円)

消費額の高いインバウンド客の出身エリアは以下の3つで、2018年と変わりません。

  • 中国(1兆7,704億円)
  • 台湾(5,517億円)
  • 韓国(4,247億円)

台湾と韓国の順位が入れ替わったものの、金額は4,000億円以上と高いです。

出典:観光庁「2019年の訪日外国人旅行消費額(確報)」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001335741.pdf

2020年(1〜3月)における外国人旅行者数と消費額

続いては、現在発表されている2020年1〜3月のデータを見ていきましょう。

2020年3月までの訪日外国人は、393万9,827人を記録。インバウンド消費額は7,071億円、1人あたりの旅行消費額は18万4,135円となっています。

内訳は、以下の通りです(カッコ内はその項目における1人あたりの旅行消費額)。

  • 買い物:2,032億円(5万2,279円)
  • 宿泊:2,164億円(5万6,653円)
  • 飲食:1,701億円(4万4,480円)

消費額が高い訪日外国人のエリアは、以下の3つ。

  • 中国(2,416億円)
  • 台湾(1,076億円)
  • 香港(574億円)

2020年の現時点では、新たに香港がインバウンド消費の多いエリアとしてランクインしています。

出典:観光庁「2020年1-3月期の全国調査結果(2次速報)の概要」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001354358.pdf

ただし2020年は新型コロナウイルスの影響によって、多くの人が外出を控える状況になりました。そのため海外旅行は難しく、4月や5月の外国人観光客の数は2,000〜3,000人と、これまでの数を大きく下回っています。

これまでのような旅行者数やインバウンド消費に回復するのは、新型コロナウイルスが収束した後となるでしょう。

訪日旅行のトレンドは「コト消費」

ここまで紹介した消費額の内訳をふり返ると、外国人観光客の旅行スタイルは変化しています。

例えば、2019年と2015年のデータを比べてみましょう。

【消費額】

  • 2015年:約3兆4,771億円
  • 2019年:約4兆8,135億円

【買い物代】

  • 2015年:1兆4,539億円
  • 2019年:1兆6,690億円

【宿泊費】

  • 2015年:8,974億円
  • 2019年:1兆4,132億円

【飲食費】

  • 2015年:6,420億円
  • 2019年:1兆397億円

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査」
http://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/syouhityousa.html

データを見ると、2015年からの4年間で「宿泊費」や「飲食費」は特に増えているようです。このような体験は「コト消費」といわれており、物ではなく思い出として残るものが当てはまります。

例えば、

  • 着物の体験
  • 温泉への入浴
  • アクティビティ

など。

今後の訪日旅行でも、観光客はコト消費を好む傾向が強いと予想されます。

コト消費について、詳しくは「コト消費がインバウンド産業に与える影響とは?地方はモノ消費と絡めて集客につなげよう」をご一読ください。

ここまで、データから訪日旅行のトレンドを解説しました。

とはいえ、観光客が具体的に何を求めているのかは、なかなかわかりにくいですよね。

そこで次は観光庁の最新調査から、訪日旅行における外国人の目的とニーズを満たすための対策を紹介します。

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向 訪日外国人消費動向調査結果及び分析 2019年 年次報告書」
https://www.mlit.go.jp/kankocho/siryou/toukei/content/001345781.pdf

またそれぞれの目的を求める人の国籍については、じゃらんの「訪日外国人に人気の観光体験ランキング」を参考にしています。

出典:じゃらんリサーチセンター「訪日外国人に人気の観光体験ランキング」
https://www.recruit-lifestyle.co.jp/uploads/pdf/RecruitLifestyle_jalan_20180122.pdf

外国人観光客の目的1:日本食を食べること

「日本食を食べること」を期待する外国人観光客は最も多く、全体の69.7%を占めています。

というのも日本食は、2013年に「和食」としてユネスコ無形文化遺産に登録されました。世界的に知名度の高い文化遺産に登録されたことがきっかけで、興味を持った外国人も少なくありません。

実際に2019年のデータを見ると、旅行中は飲食に1人あたり約3万4,713円を消費していました。

特に人気の食べ物は、

  • 寿司
  • ラーメン
  • 天ぷら

などです。

日本食はアメリカや中国、韓国など、国籍を問わず人気が高いです。

対策が必要な業界

日本食を目的としている外国人観光客は、以下のような場所を利用することが多いです。

  • 飲食店
  • 宿泊施設
  • 地方自治体

対策:多言語での接客に対応する

飲食店や宿泊施設にあるレストランなどは、多言語での接客をアピールして日本食を目的とする外国人観光客を呼び込みましょう。

英語など外国語に対応することで、訪日外国人はメニューの理解や注文などがスムーズになります。

多言語による接客方法は、例えば以下のようなものがあります。

  • 翻訳アプリやデバイスの活用
  • バイリンガル人材の採用
  • メニューに外国語を記載

おすすめの翻訳サービスについて、詳しくは「インバウンド対策で重要なメニュー多言語化。翻訳サービスを紹介します【無料あり】」をご一読ください。

外国人観光客の目的2:ショッピング

2番目に人気の目的は「ショッピング」で、2019年には約52.6%の外国人観光客が楽しみにしていました。特に中国人や台湾人、香港人など、中華圏からの観光客による支持が高いです。

最初に紹介した2018〜2020年のデータでも、買い物は3年連続で消費額の高い目的。

買い物における1人あたりの消費額は約5万3,331円と高く、買い物に最もお金をかける人が多いといっても過言ではありません。

特に人気の商品は、以下のようなものです。

  • お菓子
  • 化粧品
  • 衣類
  • 香水
  • 医薬品

特に化粧品や医薬品などで気に入ったものは、帰国してから越境ECサイトなどを通して再び購入することも。一度購入した後に、リピーターとして継続的な売上につながる可能性もあります。

対策が必要な業界

買い物を目的としている外国人観光客は、以下のような場所を利用することが多いです。

  • 百貨店
  • 薬局やドラッグストア
  • アパレルメーカー
  • 化粧品メーカー
  • コンビニ
  • 地方自治体

対策:クーポンや免税制度を用意し、割引に対応する

買い物を目的とする訪日外国人の集客には、以下のような対策が効果的です。

【接客に役立つ対策】

  • 翻訳アプリや翻訳機の導入
  • 外国人人材の採用
  • 外国語によるポップの設置

【購入に役立つ対策】

  • クーポンの配布
  • 免税制度の導入
  • インフルエンサーへプロモーションを依頼

特に、中華圏の観光客向けメディアにクーポンを掲載することで、集客や売上アップにつながった例は少なくありません。

クーポン配布の成功事例について、詳しくは「香港人へのプロモーション方法。インバウンド獲得のカギは訪日メディアやFacebookの活用」をご一読ください。

外国人観光客の目的3:自然や景勝地の観光

3番目に人気の「自然や景勝地の観光」は、約47.0%の観光客が楽しみにしていると回答しています。

日本は四季のある国ですが、外国人観光客の中には「出身地が年間を通して同じ季節」という人が少なくありません。そのため桜や紅葉、登山など、季節によって変わる自然や景色を魅力的に感じる外国人は、自然や景勝地の観光を好みます。

特に欧米豪の観光客は地方エリアを訪れて、自然を楽しむことが多いです。

また欧米豪インバウンド客は長期休暇を取りやすいぶん、ひとつのエリアに長期滞在をすることも。

つまり、地方自治体は自然や景勝地のある観光スポットを案内することで、地域の集客やインバウンド消費につながる可能性があります。

対策が必要な業界

自然や景勝地の観光を目的としている外国人観光客は、以下のような場所を利用することが多いです。

  • 景勝地のある地方自治体
  • 観光スポットの最寄駅など公共交通機関

対策:外国語の案内表記や地図を用意する

日本で自然を感じられる場所は、地方に集中していることが多いです。しかし一部の地域では、外国語の案内表記などがまだまだ十分ではありません。

外国人観光客を呼び込みたい地方自治体は、景勝地までの道のりに以下のような案内を用意しましょう。

  • 多言語の案内表記
  • サイネージ
  • ピクトグラム

特にサイネージは大きくて高画質なぶん「見やすい」と好評で、導入する自治体が増えています。

詳しい事例は、「サイネージを使ったインバウンド対策。7つの事例を飲食店や小売店、地方などジャンル別に紹介します」をご一読ください。

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外国人観光客の目的4:繁華街の街歩き

4番目に人気の「繁華街の街歩き」は、43.3%の外国人が期待していると回答しています。

地方自治体など日本ならではの風景を感じるために、歩いて散策する観光客も少なくありません。また散策中に、施設の観光やショッピング、食べ歩きを楽しむことも多いです。

街歩きを楽しみにしている外国人観光客を満足させた結果、地域のインバウンド消費につながることもあります。

対策が必要な業界

繁華街の街歩きを目的としている外国人観光客は、以下のような場所を利用することが多いです。

  • 地方自治体
  • 電車やバスなど公共交通機関

対策:日本のマナーを伝えて、観光を楽しめる環境を整える

街歩きなどは1日で広い範囲を訪れてもらえますが、その一方でポイ捨てや割り込みなど街中でのトラブルが発生しやすい目的ともいえます。

トラブルの原因は、「文化や習慣の違い」。

これまで育った環境や生活習慣などが変わると考え方も異なるうえに、外国人は日本のマナーを知る機会はなかなかありません。

知らないがゆえに自国にいるような振る舞いをして、トラブルにつながることがあります。

トラブルを防ぐためには、あらかじめ日本のマナーについて伝えておきましょう。

例えば、

  • マナーを説明したパンフレットの配布
  • 多言語での注意表記や立て看板の設置
  • 動画の配信

などがおすすめです。

詳しい対策や事例については「増加する外国人観光客のマナー問題。トラブル事例と対策を解説します」をご一読ください。

外国人観光客の目的5:温泉への入浴

5番目に人気の「温泉への入浴」は最初に紹介したコト消費でもあり、興味を持つ外国人が約26.7%と増加傾向にあります。

温泉が人気を集める理由は、例えば以下のようなものです。

  • 伝統的な日本文化だから
  • 海外のガイドブックやメディアで温泉の存在を知ったから
  • ウェルネストラベルに興味があるから

実際に兵庫県にある城崎温泉には、2017年に約4万5,000人の外国人が宿泊しました。

現地で温泉や日本の街並み、食事などをあわせて楽しめることが好評の理由です。

対策が必要な業界

温泉への入浴を目的としている外国人観光客は、以下のような場所を利用することが多いです。

  • 地方自治体
  • 旅館など宿泊施設
  • 温泉街などにある飲食店、小売店

対策:外国人観光客の入浴しやすい環境を整える

外国人観光客の中には、日本の温泉を初めて体験する人が多いです。そのためかけ湯など、日本独自のマナーを知らない観光客も少なくありません。

また日本では、タトゥーのあるお客さまの入浴をお断りする温泉も多いかと思います。しかし海外ではタトゥーをファッションとして楽しむ傾向があり、特に欧米圏の観光客にその傾向があります。

温泉のある地域や施設ではインバウンド客に楽しんでもらうためにも、以下の対策を用意しておきましょう。

  • タトゥーのあるお客さまにシールを渡す
  • 正しい入浴手順を英語で伝える

温泉での対策について、詳しくは「外国人観光客から温泉が人気を集める5つの理由。城崎の事例やインバウンド対策などを解説します」をご一読ください。

外国人観光客の目的に沿った対策を用意し、お客さまを呼び込む

今回は、外国人観光客の動向と目的について解説しました。

おさらいすると、訪日旅行中における観光客の目的は、主に以下の5つです。

  1. 日本食を食べる
  2. ショッピングをする
  3. 自然や景勝地を観光する
  4. 繁華街の街歩きをする
  5. 温泉に入浴する

そして目的別の対策として、以下の5つを紹介しました。

  1. 多言語での接客に対応する
  2. クーポンや免税制度を活用する
  3. 多言語の案内表記を設置する
  4. 日本の観光地におけるマナーを多言語で伝える
  5. 温泉での入浴マナーやタトゥーを隠すシールなどを案内する

外国人観光客の求めるものに沿った対策を考えることで、結果として地域の集客やインバウンド消費額アップにつながります。

今回の記事を参考にしながら、できそうな対策から取り組んでみてください。

また外国人観光客の求めるものを提供して集客できても、訪日旅行中の対策が不十分であれば、インバウンド客は不満を感じてしまいます。

訪日外国人のストレスを防いで旅行を楽しんでもらうために、不満を解消する対策も用意しておきましょう。

詳しくは、「外国人観光客の不満ランキング。コミュニケーションや多言語の対応、Wi-Fiなど5つの内容と対策を紹介します」をご一読ください。

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