インバウンド需要に合わせた「訪日ベトナム人向けメディア」を立ち上げる際に押さえておくべき3つのポイント

2017年の訪日ベトナム人の数は308,900人まで伸び、初めて年計で30万人を突破しました。5年ほど前(2012年)の訪日ベトナム人が55,156人と発表されているので、およそ5.6倍にまで伸びています。

【出典】JNTO「訪日外客数(2017年12月および年間推計値)」

また、観光庁の「平成29年 訪日外国人消費動向調査 年間値」によると、ベトナム人1人当たりの旅行支出額は、全国籍・地域の中で8位なのですが、「買物代」にフォーカスすると中国に次いで2位となります。

【出典】観光庁「平成29年 訪日外国人消費動向調査 年間値」

このように”高単価”である訪日ベトナム人観光客をなんとか誘致しようと、いま「訪日ベトナム人向けメディア」を立ち上げたり、ホームページなどをベトナム語に対応したりする企業が増えています。

しかし、国によって言葉だけでなく、文化や訪日時の行動などは大きく変わるものです。既存のサイトをベトナム語に変換するだけではベトナム人にとって有益ではないトピックとなってしまうでしょう。訪日ベトナム人の行動や傾向を掴み、「何を欲しているのか」を察知しなければ、適切な情報をサイトにアップすることはできません。

そこで、今回の記事では、「訪日ベトナム人のインバウンドでの傾向」に関して以下の3つ項目に沿ってご紹介していきます。

  • 日本が滞在先に選ばれる理由は「安心・安全」
  • プロモーションのカギは「SNSの使い方」
  • ベトナム人は世界で一番日本に「長期滞在」してくれる

これらの理由を深掘りし、活用していくことで実益のある「訪日ベトナム人向けメディア」を運営することができるはずです。この記事で訪日ベトナム人の行動をしっかりと把握していきましょう。

日本が滞在先に選ばれる理由は「安心・安全」

冒頭でも触れましたが、訪日ベトナム人の「買物代」は中国に次いで世界で2位です。まずはその理由を深掘りしてみましょう。

現在、ベトナムには多くの海外製品が輸入され販売されていますが、その一方で現地の方が頭を悩ませているのが「偽物問題」です。衣料品や装飾品、電化製品、薬や食品にまで偽物の商品や表示偽装が横行していると言います。こうした背景もあり、ベトナム人はその商品が本物であるかに対して敏感になっています。

なので日本の「安心」で「安全」な「本物」の商品をお土産に購入して帰る方が多いのです。中国人による爆買いが起こったときにも話題となった「ベビー用品」や「健康食品」をはじめ、ブランド品やアパレルなどが、いま多くのベトナム人によって購入されています。

観光庁が発表した「訪日外国人消費動向調査 平成29年」による買い物ランキングを見てみると

  1. 「菓子類」(購入率68.6%)
  2. 「服・かばん・靴」(49.9%)
  3. 「化粧品・香水」(48.8%)
  4. 「その他食料品・飲料・酒・たばこ」(47.3%)
  5. 「医薬品・健康グッズ・トイレタリー」(40.0%)

と並んでいます。

【出典】平成29年における訪日外国人の消費動向【国籍・地域別】

訪日ベトナム人の消費の比重は「宿泊代」や「飲食代」よりも「買い物代」に注がれているのです。

こうした事からも、日本の情報を集めている訪日予定のベトナム人に対しては、しっかりと「安心・安全」であることをアピールし、商品に対する「こだわり」を押し出すことが重要だと言えます。

なぜ日本製品は素晴らしいのか、なぜ日本で買うべきかを訴求することで、ベトナム人の興味を引きインバウンド消費の底上げを図ることができるのです。

プロモーションのカギは「SNSの使い方」

ベトナムでも日本と同様に、若年層を中心としたSNSでの発信が盛んに行われています。流行の多くがFacebookを中心としたSNSから発信されており、芸能人や影響力のあるユーザーが発信したアイテムが人気となる傾向がみられ、インフルエンサーマーケティングなども積極的に取り入れられています。

JNTOが発表した「訪日旅行データ ハンドブック 世界20市場 2017年」によると、訪日旅行前に役立った「旅行の情報源」でベトナム人が挙げた項目は

  1. 「日本在住の親族・知人」30.2%
  2. 「自国の親族・知人」22.1%
  3. 「SNS(Facebook/Twitter/微信等)」21.1%
  4. 「その他インターネット」15.3%
  5. 「旅行会社ホームページ」13.8%

というランキングとなりました。

【出典】JNTO「訪日旅行データ ハンドブック 世界20市場 2017年」

上位3位までが「クチコミ情報」によるもので、インターネット検索よりもリアルタイム性を求めていて、常に新しい情報を探しているとも言えます。

Licoriceが調査した「ベトナムで人気のSNSの実態調査」によると、「Facebook」が最も多く、全体の38%が利用していました。続いて「Zalo」(24%)、「Google+」(14%)の順となっています。男女別に見ても、使っているSNSに大きな差はないようなので、ベトナムでSNSといえば「Facebook」が最もポピュラーなSNSだと言えます。

2位にランクインした「Zalo」は、ベトナムのシステム開発会社が2012年11月にリリースしたメッセージアプリで、若年層に人気があります。ベトナム版の「LINE」のようなアプリですが、近くにいる人を検索する機能などがあり、ベトナム語と英語に対応しています。

日本の情報をベトナム人はSNSで仕入れる事が多いので、しっかりとSNSとホームページを連動させることによって旬の情報をユーザーに届けることができます。また、届けたいユーザーの年齢層によってもツールを使い分け、集客に結びつける必要がありそうです。

【出典】Licorice「SNSに関するアンケート」

ベトナム人は世界で一番日本に「長期滞在」してくれる

2017年の訪日ベトナム人の滞在日数は、驚きの「平均35.2泊」。ほとんどの国の平均滞在日数が10泊前後となっている中で、ベトナムはその3倍以上の日数となっています。訪日ベトナム人は、他国の観光客と比べて長い期間滞在する傾向があります。

【日本での長期滞在ランキング(国別)】

  1. ベトナム:平均35.2泊
  2. インド:平均23.1泊
  3. フィリピン:平均19.7泊
  4. ロシア:平均19.4泊
  5. フランス:平均15.7泊

これだけ長期間滞在しても、宿泊費が上がってこない理由は「日本に務めているベトナム人の数」に関係していると言われています。ベトナムは外国人労働者全体の18.8%に当たる24万0259人が外国人雇用届出を提出しており、中国についで2番目に多いのです。

なので、働いている人が平均滞在日数の数値を上げていて、なおかつ観光で訪れた人は日本で働いている知人の家に泊めてもらうといったことが可能で、宿泊費を抑え、その費用を買い物に回しています。

【出典】観光庁「訪日外国人の消費動向」

また、観光目的で日本を訪れるベトナム人の約半数は団体旅行で日本を訪れていることも分かっています。そのため、東京や大阪といった王道の観光ルートを回ることが多いのも特徴です。

比較的勤勉な性格の方が多いベトナム人なので、冒険的なツアーや情報はあまり好みません。サイトで情報発信を行う際は、王道の有名な情報を深掘りしつつ、少しずつマイナーな情報を入れていく手法が有効だと感じます。

WEB上でも実現可能な”おもてなし”の精神

ベトナム人の性格や、情報収集源、滞在の目的などを深掘りしていくことで「何を欲しているのか」が見えてきたと思います。こういったことを踏まえて、各メディアで発信していくことで成果が発揮されるでしょう。また、訪日ベトナム人向けのメディアだけでなく、これらは日本国内のインバウンドの現場においても役立ってきます。

「相手がどうしたいのか」に対して先回りすることで、WEB上からでも「おもてなしの精神」を発揮することはできます。たとえ顔は見えなくとも、その心意気は伝わるものです。

WEBとリアルの世界はシームレスに連動してきていて、スマートフォンやSNSなどの台頭によって情報感度は高まっています。その環境を上手に利用することで、魅力的な日本のリアルな現状を多くの人に届けられる時代がやってきました。そしてそれはインバウンドに必ず結びついてきます。情報や技術に「おもてなしの精神」を乗せて、外国人観光客の方が訪れやすい素敵な日本を作り上げていきましょう。

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