ファミリーマートは14日、民泊仲介サービスの世界最大手、Airbnbと業務提携することで合意したことを発表しました。Airbnbが日本のコンビニと業務提携するのは初めてで、民泊利用者への鍵の受け渡しなどにファミマの店舗網を活用する予定です。両社は6月に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行されるのに合わせ、増加が見込まれる訪日外国人客への利便性を高めたいとしています。
21日午前に東京都豊島区のファミマ本社でファミマとAirbnb日本法人が共同で記者会見を開き、業務提携の内容や今後の両社の取り組みについて説明する予定です。
コンビニによる民泊チェックインサービスが活発化
今回Airbnbとの提携を発表したファミリーマートは、昨年11月から沖縄で、民泊物件の鍵を開けることができる「チェックイン専用チケット」を発券するサービスを開始していました。Airbnbとの提携により集客力が強化され、今後さらなる訪日外国人の利用数アップが期待できます。
民泊法の施行を来月に控え、コンビニエンスストアと民泊事業者の提携は広がりを見せています。コンビニ最大手のセブンイレブン・ジャパンはJTBと連携し、店舗を民泊のチェックイン拠点として活用を計画。店内に専用端末を設置し、本人確認や鍵の受け渡しをできるようにするもので、2020年度までに全国主要都市の1千店で展開を予定しています。
またローソンでは今年1月、民泊などで使う鍵の保管ボックスを店内に設け、物件の所有者や運営会社と対面せずに鍵の受け取りや返却ができるようにしました。2018年度末までに、外国人観光客が多く訪れる都市部を中心に100店に拡大する計画です。
既存店の来店客数が伸び悩むコンビニ各社は、民泊のサービス拠点となることで、訪日客などの民泊利用者を店舗に呼び込む考えです。訪日客にとっても、日本のコンビニはバラエティに富んだ質の高い商品が扱われており人気で、手軽に食べられるおにぎりや稲荷寿司なども「日本らしい」ということで評判を集めています。このように訪日客の囲い込みを狙う民泊のチェックインサービスは、コンビニ同士の競争をさらに活発化させる火種となることでしょう。
参考:https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3044782014052018HE6A00/